序 魂のうつわ 血管を張り巡らせてこの星のこと
わたしたちは、この惑星に人間として産み落とされた時からことばと共に生活してきました。
ことばを聞いて、噛み砕いて、発信する。それはとても素晴らしいことで、ことばによって自分の星だけでなく、自分以外の人が生きる星を探索しに行くことができるようになりました。ことばはわたしたちをまだ見ぬ星へ連れて行ってくれる存在であるような気がします。
しかし、ことばを道具として捉え始めたが故に、使い方を間違えてしまうことも多々ありますね。何気なく発したことばによって相手の生きる世界は潤いを失うのです。暗闇をあてもなくあるいたり、ふかいふかい孤独の海を泳いだり、生死をさまよったり…。それは人間の生の境界を失わせ、わたしはわたしではないのかもという錯覚を起こします。
たとえ、ことばという同じものを持っていたとしてもどれを使うのか、どういうふうに使うのかでわたしとあなたの人生は変わってゆきます。
わたしはことばが秘めているパワーについて日々熟考し、唇や手を動かしているのです。
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