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キズフタvol.20 歴史漫画を語る!その2 『天幕のジャードゥーガル』&小説『あの日、松の廊下で』を紹介

「傷つけたくないし傷つけられたくない2人」(通称:キズフタ)は、サブカルチャーを愛するおおさかさんとなごやさんが、毎回テーマを決めてゆっくりと語り合うポッドキャストです。
言葉を扱う仕事をしている二人が、豆腐なメンタルで豆腐を触るように話します。少しだけ、聞いた人の日常がひらかれますように。

第20回かいつまみ

話し手


大阪出身・メガネ


名古屋出身・眼鏡

歴史フィクション漫画紹介第2回!今回は2023年このマンガがすごい!にも選出された『天幕のジャードゥーガル』(トマトスープ/秋田書店)を紹介!

・チンギス=ハンの息子たちが統治するモンゴル帝国に連れてこられた奴隷の少女シターラ(ファーティマ)が、後宮で暗躍し復讐を誓う歴史フィクションコミック。
・モデルとなった人物自体を知らなかったのでWikipediaで調べて、歴史的結末は知ってしまったものの、その過程をどう描くかが楽しみなので漫画としてのおもしろさは損なわれない。
・歴史漫画のおもしろさは、新資料で解釈が変わっていくものに対して時代によってアプローチが変わっていけるところ。

・モンゴルの歴史を扱った漫画いろいろ。

話の流れで『あの日、松の廊下で』(白蔵盈太/文芸社文庫)も紹介。
歴史新解釈ものとして、個人的にはこれが本当だったのでは?とすら思える傑作。
・なごや的歴史小説の楽しみ方は、わかんない用語が出てきても雰囲気で読み飛ばして、気になりすぎて先に進めない要素が出てきたら調べてみる。基本はフィーリングで読み進める。

【収録後記】

やっぱり今回も声がデカくて早口で恥ずかしかったです。
『セシルの女王』と比較して、あまり歴史的知名度の高くない人物を題材にした歴史漫画でありながら、逆にそのわからなさを推進力に楽しめる復讐譚として描かれる凄さ。
そして、通底するテーマは両作品とも「社会的地位の高くない女性がいかにして己の心に従い生きる選択を取り続けることができるか」だと思います。
社会的地位のなさは生き方すら選択させてもらえない現実と、限られた選択肢の中で最大限闘おうとした結果失うもの、得るものの情動。
根源的な衝動を達成するための過程に、どうしようもなく心揺さぶられます。
(文責:なごや)

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