キズフタvol.12 積読は心の豊かさ?
「傷つけたくないし傷つけられたくない2人」(通称:キズフタ)は、サブカルチャーを愛するおおさかさんとなごやさんが、毎回テーマを決めてゆっくりと語り合うポッドキャストです。
言葉を扱う仕事をしている二人が、豆腐なメンタルで豆腐を触るように話します。少しだけ、聞いた人の日常がひらかれますように。
何かと話題になりがちな積読(つんどく)。
あんなに読む気満々で積読ってちょっと後ろめたく思いがちだけど、未来への希望だと思うと、部屋に積まれた本の山はお楽しみの山に姿を変えるのかも?
第12回かいつまみ
話し手
・おおさかさんの積読:土に書いた言葉 吉野せいアンソロジー
・登山が趣味のおおさかさん、雲ノ平の山古屋で古本屋に出会う。
・古本屋の店主と会話する中ですすめられて、著者の来歴への興味も相まって、まんまとバッグに重い荷物を増やして下山してきたおおさかさん。
・しかし読んでない。
・本を買うのは、出会いのシチュエーションがとても大事。
・町の本屋で出会って買うかはわからないけど、山の本屋で来歴も聞いておもしろくて買う動機になることがある。
・本を手にすること自体の喜び。
・なごやさんの積読:読者に憐れみを ヴォネガットが教える「書くことについて」
・今自宅に50冊ほど積読があるなごやさん。
・全て読むつもりで買っているのに、なぜこんなにも積んでしまうのか。
・持ってることによる満足感、結構大きい。
・創作メイキング系の本が好きななごやさん。
・20代の頃、松尾スズキと爆笑問題のラジオを追う中でヴォネガットの名前と出会い、気になったまま読めていない。
・読みたくて買った気持ちは本当だし、読むぞ!の意気込みも本当なんだけど、ずっと眺めて置いてしまう不思議。
・積読とは、スラムダンクにおける温存された桜木花道。
・積読は貯金と同じ、豊かさ。
・部屋に鎮座している豊かさそのもの。
・SNSに情報はあってもコミュニケーションとしての未来はなくて、積読には未来への約束があるよね。
・本の凄さは物質として鎮座していることの安心感。
・読めない本をそのまま残して死んでしまっても、それはそこにその本を選んだ人がいることの置き手紙のようになるかも。
・そもそも読んでる本より買ってる本の冊数が多い。
・一生イタチごっこしながら、楽しい未来を残して死んでいくのもおつかも。
【収録後記】
収録から1か月程度経過して、今自宅には20冊ほど積読が増えています。
あっちを読んでこっちを読んで、読んだ本の中から別の本にも似たような記述があったことを思い出して別のものを引っ張ってきて……を繰り返しています。
積読に対してはたくさんの読書家が前向きな言葉を紡いでいますが、収録でおおさかさんと話した「積読は未来への豊かさ」という言葉が、自分たちの会話から生まれたことも含めて自分にはしっくりくるし、気持ちに馴染みました。
あの収録の楽しさを胸に、今日もまた未来に読みたい本を増やし続けています。
(文責:なごや)