氣づきの国語辞典「二十四節氣」芒種編
「芒種(ぼうしゅ)」
6月6日頃。
太陽黄経(こうけい)75度
芒(のぎ)のある穀物や穂の出る穀物(稲や麦)の種をまく時期。
芒(のぎ)とは米や麦などのイネ科の植物の花の外側についている針状の突起のこと。
梅の実が青色から黄色に変わり、カマキリや蛍が現れ始める時期。
百舌(もず)が鳴き始めると梅雨めいて五月雨の季節となる。
梅雨は雨の多い季節のことで、五月雨は雨自体を指す。
「七十二候」では
第二十五候 6月5日~9日頃
蟷螂生(かまきりしょうず)
カマキリが卵から孵る時期
秋に木や枝に生み付けられた卵から数百匹もの小さな命が誕生する。
両手についた鎌がトレードマークで、鎌を持ち上げ待ち伏せする。
姿が祈っているように見えることからカマキリ→「拝み虫」とも呼ばれる。
第二十六候 6月10日~15日頃
腐草為蛍(くされたるくさほたるとなる)
草の間から蛍が光を灯しながら飛び交う時期
昔は暑さで蒸れて腐った草や竹の根が蛍になると信じられていた。
他の虫に狙われないように夜に活動する。
暗い夜にメスに見つけてもらうため光る蛍
清少納言の「枕草子」では
「夏は夜、月のころはさらなり。やみもなほ、蛍の多く飛びちがひたる。また、ただ一つ二つなど、ほのかにうち光りて行くもをかし。」
第二十七候 6月16日~20日頃
梅子黄(うめのみきばむ)
大きく育った梅の青い実が黄色く色づき始める時期。
「梅雨」→梅が熟す頃の雨のことで中国から伝わったときは万病に効く薬用植物だった。
季節の変わり目は体調を崩しやすく、疲労回復と食欲UPに効果のある梅は重宝された。
殺菌効果も高く食中毒予防にも期待できる。
次回は夏の「夏至(げし)」編!