どうか、走馬灯では手を握ってください
硬いシーツの上で何かを探すように指を沿わせる。
狭間にいる。うまく息ができないまま、終わりゆく今夜をゆれる。
行きつく先が果たしてどこなのか。誰なのか。考えているようで働かない瞬きのような思考を巡らしては、濡れた胸元を想った。
同じ皺でも、あの柔らかなシーツと布団とは似ても似つかない。アイスコーヒーを頼んだ。
笑う顔を愛おしいと思えないのは、隣に居たくないわけではないにせよ、いるべきではないだろう。あなたはホットコーヒーを選んだ。
朝を迎えて虚しくなったのは久しいことだった。