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課題先進国 日本で起こることを新興国 フィリピンで起こっていることから予想する

【冒頭の挨拶】
1月4日で、めでたく44回目の誕生日を迎えることになりました。
ほんと、ここまで無事に生きてこれたこと、そして生まれてくることができたことには改めて感謝です。両親含めて、お世話になっている皆様、いつもいろいろとありがというございます。

そして、今年は、昨年、半年程度続けた毎週週刊連載の次なるチャレンジとして、コンテンツの有料化を1つ設定しました。
本エントリーは、記念すべきその1回目となります。

初月無料という形で始めますので、良かったら私への誕生日プレゼントだと思い、登録をお願いいたします!

もちろん、読んでいて微妙だと思った場合は、ひっそりと? 即座に? 退会くだいて構いません笑 

それでは、本編です。

「課題先進国」という言葉を聞くようになってから随分と時間が経ったように思います。

「先進国」という表現があるため、なんとなく、自分たちはイケているような気持ちになりますが、これは良い感じでリフレーミングした言葉です。
裏を返せば、そこの裏には衰退があります。そのまま言ってしまえば衰退先進国という表現になるでしょうか。

ご存知の方もいるかもですが、私は、小学校の教員を9年務めたあとに、3年ほどフィリピンで貧困層の子供達向けや、低所得層の大人向けの教育事業、富裕層の子ども向けの教育事業に取り組んでいました。

そこでは、日本では見ることがなかったであろうさまざまな世界があることを目の当たりにしました。

同時に、趣味と仕事とを兼ねて、オンライン英会話で世界中の人たちと話をするということを行っています。どうやら100カ国近い国の先生と話をしてきているようです。先生の数を数えると、おそらく数100人から1000人近い数の先生と話をしてきています。

その中で、あなたの国はどうなっているの?という話を中心としてテーマとし、主な産業、キャリア観、雇用の実態、教育システムなどを中心に聴かせてきてもらいました。

(オンライン英会話は、もう何年も続けていると、英語の勉強というよりは、ヒアリングをさせてもらう権利を買っている時間みたいな感じになってきます笑)

本編とは少しずれますが、新興国の労働の様子を感じるという意味ではヒントになる部分があるのではないかと思い、世界中のオンライン英会話の先生と何度も話をしていくうちに、オンライン英会話の先生というのは、だいたい以下のパターンでなるケースが多いんだなということがわかってきたという発見を共有しておきます。

【ネイティブの国(高確率で先進国)の先生の場合】

・引退したシニアの方々を中心に趣味で行っている人
・本業に加えての副収入として行っている人
・物価の安い途上国に移り住んだスローライフを送りたい人
・本業で疲れた人が、キャリアチェンジをして、もう少し違う形で仕事をしようと模索している人

【非ネイティブの国(高確率で新興国)の先生の場合】

・自国に、給料の高い仕事がないため、専業として取り組んでいる人
・学生で、学業の合間に取り組んでいる人
・英語の先生が、それだけでは食べていけないため、副収入にしている人
・教えることが好きだが、自国に給料の高い教育の仕事がないため、学校ではなく、オンライン英会話で先生をしている人

と言ったイメージでしょうか。

リアル空間の英語の先生となると話はまた別なのでしょうが、オンライン英会話の場合、世界のどこにいても働ける仕事であり、自分の都合の良いタイミングで働ける仕事である、というフレキシビリティと。

先進国の平均的な賃金と比較すると決して高いわけではないが、新興国の平均的な仕事よりはまだもらえるという給料の悪くなさ、の2つによって安定した仕組みができているなという印象です。

ネイティブプランと非ネイティブプランとで、サービスは分かれているのですが、新興国の人と先進国の人とで2つの賃金水準の世界が同じ労働のプラットフォームで交わっているのが面白いなと思います。

サービスの提供側からすれば、オンラインで自由に働ける空間を作ることで、先進国の人たちを比較的安価で雇うことができますし、同時に、新興国においては、非常に優秀な層まで含めて、グローバルで見ると格安な賃金で雇うことができるようになっています。良いサービスを生み出したものだと感心するばかりです。

労働者の労働市場での評価から考えると、先進国では(トップからいくつか下がったレイヤーの人たちが?)数ある選択肢の中から自由を優先してあえて選んでいるのに対して、新興国では、他の選択肢に良いものが少ないということから優秀な層が選んでいるというふうにまとめられるでしょうか。

特に、アフリカ、東ヨーロッパ、南米、東南アジア、西アジアなどの優秀な学生たちと話をしていると、みんな本当に知性が高く、また意欲的で、こんな人たちをこんな価格で雇えるんだなということを強く感じます。(いつものレッスンの流れで、その国の平均的な時給を聞いている流れから、その国の賃金水準については、なんとなくの相場感が私の頭の中にあります。)

これまで何度となく、医学や物理学、法律やアート、AI含むITなどを専攻している学生たちと話をしてきましたが、みんな母国語は英語とは全く違うのに、第二言語としての英語を流暢に使って、自分の研究領域の話や卒業後の構想について私の知識レベルと英語レベルに合わせてわかりやすく話をしてくれました。

日本に生まれた同じくらいのレイヤーの学生たちであれば、賃金は軽く10倍程度にはなるでしょうし、欧米だったらさらにその倍近くなっていてもなんら不思議ではありません。

こういうのを見ると先進国で生まれて来れたということがどれだけ有利なのかというのが実感できます。

今、日本の給料水準も世界と比較して、格安と見られているケースが徐々に増えてきていますが、多くの新興国では、もともと雇用の選択肢が圧倒的に少ない状態です。

今後、いろいろと悪い条件の仕事が増えたとしても、他にもさまざまな選択肢があるだけ圧倒的にマシだなと感じています。

話を元に戻します。

こうやって世界中のいろいろな人と話をする経験を繰り返していくうちに、多くの国で似たような構造があるんだなということが見えてきます。

そして、フィリピンもそうですが、それ以外の国でも新興国や貧しい国ではどういうことが起こるのかというのの理解が進んできました。

そして、これは、今後の日本でかなりの高確率で起こるであろうと私は予想しています。

そこで、本エントリーでは、新興国のフィリピンで起こっていることから、今後の日本で起こるであろう2つのこと、というテーマで私の予想を書いてみたいと考えています。


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