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フィンランドで芸人をしている友人から教わった「日本人のための◯◯から、地球人のための◯◯へ」という考え方

「日本の笑いを北欧へ」というビジョンのもと、フィンランドでお笑い芸人として活動している 高城 元さんのところにお邪魔してきました。

ちなみに、彼の日本語版のyoutubeがこちら。

同時に、フィンランド人向けのがこちら

元さんと、初めてお会いしたのが、2022年、今から3年前のちょうどこのころでした。

私が初めてフィンランドに訪れた時、現地の情報を調べていく中で、元さんの存在を知り、コンタクトをとらさえてもらったことが始まりです。

ちなみに、その時の様子はこちらで語ってくれています笑


以降、毎年、この時期にお邪魔させていただき、今回の訪問で3回目となります。

こうやって1年に1度、お互いの活動の様子、この1年間の変化を共有し合えるというのは、LSPのグローバルミーティングの参加と同様に、定点観測という意味で、また自分の偏りを実感するという点でとてもありがたい時間だなと思います。言うなれば、キャリアの健康診断みたいな感じでしょうか。

元さんの今年1年においては、ついにフィンランドでフィンランド人の漫才師が誕生したとのこと!今は彼らの活動の支援やプロデュース業務に夢中になっているのだそう。





こんなの、元さんがこういったチャレンジをしていなかったら生まれ得ない結果だったでしょうから、本当にすごいことだなと思います。尊敬の気持ちでいっぱいです。


「自分のネタがウケるのも嬉しいですが、こうやってフィンランドに日本のお笑い文化が受け入れられ、そこから活動が生まれくるというのはそれ以上に嬉しい」という話をされておりました。

私の場合、プレイヤー気質しかないなという実感がありますが、元さんの場合、芸人としての自分とプロデューサーとしての自分とが半々くらいと言っていて、ちょっとした羨ましさを感じております。

私におきましては、3年目にして、ついにフィンランドの大学とのコラボ企画が始まったのと、フィンランドの働き方からヒントを学ためのラーニングジャーニーを企画し、日本から人事の方々をお連れすることができるようになったという報告ができました。

私もなんとか少しずつ前に進められている話が共有できてよかったです。

しかし、今回の元さんの話を聞かせてもらい思いましたが、私の視点の95%くらいは、海外の人や実践から学ばせてもらおうというものですが。

元さんの場合、日本のコンテンツを海外に展開して、そこで価値を生み出そうと取り組まれています。

同じ北欧というエリアであっても見ている先が全然違い、とても良い刺激をもらいました。

今回、北欧社会の生産性の高さの秘訣を理解しようとやってきているなかで、改めて、自分のコンテンツを国内だけで展開しようとするか、グローバルマーケットを狙って展開していこうとするかの違いを大きく感じる時間でした。

北欧に限らず、大半の国は、国内マーケットが良くも悪くもそこまでのサイズではありません。

海外に目を向けないとやっていけないということもあり、必然的に何かを生み出そうとするとグローバルマーケットを狙っていくしかないという状況にあるとわけです。

この話自体は、よく言われていることではありますが、こうやって私自身の無意識も国内にしかないことを感じると、いやー、これがよく言われている生産性を妨げている要因の1つだー、人のこと全然言えないやつだーということを思いました。

また、今回、元さんの話を聞いていて、本当に勉強になったのが以下の言葉でした。

「フィンランドで生活をし、ネットフリックスを開くと、世界中のコンテンツがフラットに表示されるのを目にします。

アメリカのコンテンツはもちろん、スペインのコンテンツとか、韓国のコンテンツとか、日本のコンテンツとかが本当にフラットに表示されます。

時々、日本でめちゃくちゃ流行っているというニュースが流れてきますが、フィンランドからサイトを見てみると、グローバルでは全然評価されていないんだなというシーンもたびたび目にします。

もちろん、海外のランキングでもトップランクに入ってくるのもあり、そういうのをみる時はめちゃくちゃ嬉しい気持ちになりますが、国内だけでの人気で止まっているのをみるとどこか寂しさを感じることがあります。

今や、どこの国のコンテンツであっても、自国の言語に翻訳して、流通させてくれるようになっている時代です。

だからこそ、同じコンテンツを作るのであれば、グローバルでの1位を目指すのが当たり前だし、そこに届かなかったら、何かがずれていると思ったほうがいいというのを強く感じられてきます。

ランキングに載っているのは、決してお金がかかっているものばかりではなく、世界から共感されたり、ワクワクや興奮をもたらしたりする要素がしっかりとありさえすれば良いので、必ずしもお金がないことが問題の全てではないということがわかります。

今までのテレビ業界は、地方のテレビ局と東京の全国のテレビ局と2階層でできていました。

きっと、東京の人たちが地方のテレビ局の番組を見た時には、何か小さいことをやっているな、と感じることがあったのではないかと思います。

それが、フィンランドに来てネットフリックスを見るようになってから、東京や日本のテレビ番組を見ると、地方のテレビ番組をみる時と同じような気持ちになるのを感じるようになりました。

今は、世界は3階層になっていて、その3階層目が、グローバルの放送局ということなのでしょう。

ネットフリックスに限らず、youtubeでもインスタグラムでもtiktokでも全部無料で載せられる時代です。しかも、ボタン1つで、AIが無料で翻訳をしてくれる時代でもあります。

今までは高くそびえていたかもしれない言語の壁も、チャンネルの壁も、すでにどちらも消え去って、あとは、コンテンツの質と、作り手の意識の問題だけが残っている状態と言えるでしょう。

コンテンツの質が低いならまだグローバルで評価されないのは仕方ないと思えますが。

日本の場合、コンテンツの質は嘘みたいに高いのに、グローバルを狙っていないから価値として認識されていない、というものがあまりに多過ぎて、日本や日本のお笑いを愛しているが故に、そこに寂しさを感じています。

そういうことを日々、感じるからこそ、日本や日本のお笑い界に何かできたらと思うし、意識1つで全然違う結果が出てくることを日本の多くの人にも伝えられたらと思っています。」

という話でした。

そうやって聞くと、私も発信しているものや提供しているものの大半は、日本人向けにしか考えていなかったことに気づき、とても耳の痛い話だなということを思いました。

流れるテレビ放送を眺めながら、元さんはこうも語ってくれました。

「人口が少ないフィンランドでは、人手がないからこそ、海外からクイズやバラエティのフォーマットを買って、それで番組を作っています。

日本でもたとえばこうやってフォーマットを海外に売ることを真剣に考えるだけでも成果は大きく変わってくるでしょう」と。

これは、テレビに限らず、教育プログラムを作っては日本の企業だけに提供している私の話でもあるなということを思いました。

幸いにして、明日はタンペレ大学の先生との打ち合わせがあるわけですが、ちょうどこのタイミングでこの話が聞けたことはとても運が良いことだったなと思います。

すっかり優先順位を下げてしまっていましたが、この前、バリ島の学校で実施してきたワークショップの動画なども見せながら、日本の教育プログラムの海外展開についても真剣に取り組んでいきたいなということを思いました。

言うなれば、日本人のための教育者から地球人のための教育者への転換というチャレンジですね。

本当に、こうやって刺激をくれる友人には感謝するばかりです。

元さん、「日本の学校などで、ぜひ子供や学生向けにこれからのキャリアの考え方というテーマで話をしたい」と言っていたので、興味がある学校の方がおりましたら私までぜひご連絡いただけると嬉しいです。

「航空券の手配など、必要な費用が工面できれば喜んで飛んでいきます」とのことでした。

何校か集まった時にそれに合わせて帰国してもらうのが一番良いと思うので、一噛みしたいという方は、ぜひぜひご検討いただけたらと思います。

元さんの話、めちゃ面白いので、きっと生徒の何%かは世界を見る目が変わるのではないかと思います!

ということで、私も元さんに負けないよう頑張ってまいりたい。ㅤ

今日も素晴らしい学びの機会をどうもありがとうございました。

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きづきくみたてnote 森本康仁
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