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フジテレビの騒動から学ぶ時代の変化に取り残されないよう心がけるべきこと。

引き続き、フジテレビが燃えています。

もう次々に?不確定な新しい情報が出てきているため、何がなんだかよくわからないというのが正直なところ。言いたいことはいろいろとありつつ、とりあえず、黙って見ていようと、私は完全に静観モードです。

フジテレビに限らずですが、昔の時代にフィットするべく作り上げたものが時代とともにワークしなくなってきている領域がこれまで以上に増えてきているように思います。

私は、組織や人にまつわる課題の解決をお手伝いするような仕事をしています。その中で、ここ数年、特にコロナが明けて以降、ますますそういった性質の案件が増えたなと感じています。

ちょっと前であれば、女性の管理職を増やさないといけないとかDE&Iとかがよく届いていました。最近、よく目にするのは、人手不足対応の問題でしょうか。

なかには「こんな企業まで苦労しているの!?これまで優秀な子選び放題みたいに聞いていたのに!?」というケースも目にするようになりました。

本当に人が採れなくなってきているのを感じます。同時に、若手の離職防止策については、これまで以上に力が入ってきているのを感じます。担当者さんの圧がすごいです。

もちろん、通称「働かないおじさん」問題については、今も昔もよく届きます苦笑

ということで、ニュースで見てると出てくるようなのは、だいたい全部届くというのが私の実感です苦笑

ニュースを見ている限りでは、「いやー、みんな大変だなー。。。」という気持ちだったんですが、もれなく私もその問題の解決に巻き込まれていくとまた見え方が変わってきます。

以前は、ニュースを読む時、どこか他人事のような部分が自分の中にあったんだろうと思います。

ただ、それらの問題の解決に向けて私自身も協力するようになり、いかにこの問題を解決するのが大変なのか、中の人たちが、余裕がない中で必死に取り組んでいるのかを身体で感じるという体験を繰り返していくと、自然とモードは変わってきます。

最近は、新しいニュースを見ては、「うげー、これまた私まで大変なやつだー。。。」と思うようになりました苦笑

フジテレビにおいては、全く時代の変化に対応できていないのが露呈されているわけですが(犯罪性があったのであれば話は別として)、さまざまな案件に触れていると、大なり小なり、どこの組織にも19○○年代などだいぶ前に作った仕組みに今も引きづられていて、似たような反省点はあるのではないかと思えてきます。

ということで、本エントリーでは、私が似ているなと思う点と、そこから学ぶべきことについて書いてみようと思います。

「事業と組織」と「ハードとソフト」

メディアであれ、自動車産業であれ、半導体産業であれ、政府であれ、どんな領域においても、経営活動は、まず事業側組織側に分けることができます。

事業というのが、まさに情報を発信するのか、自動車を作るのか、半導体を作るのか、行政サービスを届けるのかといった部分になります。

そして、組織側というのは、そのサービス、ソリューションを届けるための組織、人の働き方を意味しています。

どういうメンバーが、どういう部署や、チームに分かれて仕事をしているのかが、組織側の話になります。

次にハードとソフトについて説明します。

ハードというのは、構造や枠組みを意味しています。

たとえば、プレイステーションや任天堂スイッチなどで考えると、据え置いているデカいのがハードと呼ばれています。これをイメージしてもらえると理解が進むのではないかと思います。

そして、プレイステーションや、任天堂スイッチなどでプレイするゲームがソフトになります。ここでソフトに当たるのがドラゴンクエスととか、ポケモンとかになるでしょうか。

これと同じような形で事業側にも組織側にもハードとソフトがあります。

事業側のハードというのは、主に、産業構造や、ビジネスモデルを指します。

たとえば、メディアで言えば、事業者側は、情報コンテンツを提供して、視聴者の時間や関心を集める。そこの集まった視聴者に向けて広告を提供する。視聴者、消費者側は、無料でコンテンツが楽しめる。広告主は、自社の製品の認知度や高感度を高める、ということになるでしょうし。

自動車で言えば、事業者側は、さまざまな素材を集めて、車を作り、販売する。消費者側は、お金を出して、その車を購入する。そして、その周辺に中古車やレンタカー、保険など、さまざまな周辺の事業があるというイメージです。

これに対して、事業側のソフトというのは、車の種類だったり、レンタカーを利用する際にサブスク的に提供するサービスだったりという形になるでしょう。枠組みの中で提供されていくサービスのイメージです。


そして、組織側にもハードとソフトがあります。

組織側のハードというのは、どんな組織図になっているのか。階層的なのか、フラットなのかといった組織構造や、どんな人を評価し、登用するのか、報酬を払うのか、表彰や声かけをするなど、お金以外で評価をするのか、どういった流れで採用し、配属を決め、引退に至るのか言った枠組みのことを指します。

組織側のソフトというのは、どういった人材を採用するのか、どんな知識やスキルを高めるべく教育するのか、各部署内や、各チーム内、上司部下や部署官でどういった形やあり方でコミュニケーションをとるのかと言ったイメージでしょうか。

この、事業と組織、ハードとソフトというのは、この世の中にあるどんな経営活動においても必ず存在するものになってきます。そして、この4つの中で、どこにどう手を入れていくのかが経営活動になってくると言えるでしょう。


フジテレビのケースをこの4つで考えてみる

中の実情がどうなっているのかは、正直よくわかりませんが、おそらくこれらの問題は起こっているのではないかと思います。

①事業のハード側の問題


テレビという事業を広告モデルの1本足で取り組むというのは、もう随分前から限界なのではないかと言われていました。

それがなんだかんだと後ろ倒しして今に至っているわけですが、これももういよいよ厳しいのではないかなと思います。

すでに今のフジ・メディア・ホールディングスは、メディアの会社ではなく不動産の会社であると言われているように、これまでにも事業側のハード面の変化は起こっていましたが、テレビ事業だけでみれば、まだまだ以前のモデルのままで進んでいると言えるでしょう。ここについて、どうしていくのか、今後の展開から目を離せません。

②事業のソフト側の問題


次に、テレビ番組のコンテンツの質について考えてみましょう。

この2024年の4月の記事で、フジテレビのゴールデン帯の視聴率が最下位になった際に、以下のように報道されています。

「もう無理です」

 かつての古巣をそう嘆くのは、元フジテレビアナウンサーの長谷川豊氏。今回、何人かの“元フジ”に“凋落の理由と再建策”について取材を依頼。しかし、多くが口をつぐみ、応対したのは長谷川氏のみだった。

「ラーメン店に例えればわかるのですが、ラーメンがおいしくないから客が来なくなってるんです。単に“面白い番組を作る”ことがフジだけじゃなくすべてのテレビ局やYouTubeなどのコンテンツ産業の基本。これって“センス”ですべてが決まるんです」(長谷川氏、以下同)

 長谷川氏はフジ時代、長らく朝の情報番組『とくダネ!』を担当。同番組終了時('21年)に以下のように話していた。

「在籍当時から口が酸っぱくなるほど言い続けてきました。今のままではフジテレビはダメになる、視聴率も売り上げも落ちる、制作現場の制作費を削って、役員がキャバクラに行って領収書を切る会社に未来はない。プライドの高いコネ入社の役員のみなさま方はあの当時、僕を罵りましたが、すべて僕の言ったとおりになっています」

なんだかんだでこの記事から7ヶ月程度が経っているわけですが、この事業側のソフトの問題も、指摘されていました。
幸か不幸か、これを機に大きく変わることになるでしょうから、こちらについても目が離せません。

組織のハードとソフトの話

フジテレビの組織のハードについて考えれば、今回の件で注目が集まり、多くの人が認識したように、なんと37年間も絶対的な権力が力を持ち続けていたとのことです。

細かい組織構造がどうなっているのかまではよくわかりませんが、この記事を半信半疑で読みながら、想像するに、決して良い状態ではなかったのではないかというのが浮かんできます。

そして、組織のソフトについても、採用面で入ってくる人にも相当なバイアスがありそうですし、中の人たちの姿勢やあり方にも、課題としていろいろな要素があったのではないかと想像します。

非常に乱暴なまとめ方になりますが、どこもかしこも問題が山積み、

という形でしょうか。

そして、私が今回の件を見て、私のところに届く案件の性質がフジテレビの件と似ているなと思ったのが、以下の部分になります。


本件から翻って自分のあり方を見つめてみる


フジテレビのことを言うのは、簡単ですが、では、実際に、自分が置かれている環境がどうなっているのかを考えようとすると、本件は非常に良い機会なのではないかと思います。

自社の事業側のハードやソフトはこの調子で良いのか?
組織側のハードやソフトはこの調子で良いのか?
最後に大きく変わり、今の形になったのはいつなのか?
時代に合わせてアップデートしようとした際に、どのような打ち手を考え、実行しているのか?

と聞かれた際に、スラスラと答えられる組織はあまりないのではないでしょうか。

特に、ソフト側のアップデートは、まだそこまでの手間やコストはなく着手できますが、ハード側を変えようとすると、ソフト側とは比較にならないくらいの手間やコスト、抵抗が生まれてきます。

政治の世界でも、ずいぶん前から「構造改革」というスローガンが掲げられつつ、一向に何も変わらない、ということが起こっていますが、これは人間という生き物の性質を考えるとある意味仕方がない部分もあるのだろうなと思います。

この手のものを批判するのは簡単ですが、じゃあ、あなたの組織はどうなっているのですか?あなたはそれに対して、どのような姿勢で、何に取り組んでいるんですか?と聞かれると、私も含めてほとんどの人は「うっ」となるのではないでしょうか。

こんなことを書いている私も例外ではなく、他の組織の問題についてあれこれ言ってる自分はどうなんだ?と自分に声を投げかけてみることで、初めて、見えてくるものばかりです。

それもあり、2025年を機に、私自身が、自分の事業と組織のハードやソフトを変えることに常に挑戦的であろうということを心に決めました。

今年からnoteに有料の記事を書き始めたのも、to Bでの教育施策の提供だけでなく、to Cでの教育施策の提供や、海外向けの事業の展開に挑戦しようとしているのもこれらが根っこにあってのものだなと思っています。

フジテレビの問題は、日本の組織が抱える問題の中でも、上の上クラスの、これ以上は考えることは難しいというレベルの問題であり、単純に、私のところに届くクライアントの状況と対比するのは乱暴であるのは間違いないのですが。

ただ、ここまでの程度は持っていなくても、どこかの領域に、中の下や、中の上、場合によっては、上の下程度の問題は潜んでいてもおかしくないのではないかと感じています。

最後に

ここ最近のクライアントから届く問題解決のための支援の依頼内容を深掘りしていくと、つくづく思うのが、事業側にせよ、組織側にせよ、ソフトにアプローチしているだけではどうすることもできず、たとえばビジネスモデルの転換や、評価制度を含む、組織構造の転換など、構造やシステムにまで手をつけていかなとどうにもならないなということと。

そして、最終的には、これらの変革を生み出すために必要な、人の心、内面の問題にある問題にも取り組まない限り、どうにもならないなという感じでしょうか。

これは、言うのは簡単ですが、実行するのはあまりに難しい、、、というのが正直な気持ちです。

ただ、言っているだけで、何もできないままでいると、それはそれでまた違う問題を生み出していくことになります。

こうなってくると、私たちに残っているのは、多少のハレーションと向き合いながらも、常に、ハードとソフトを柔軟に環境に合わせてフィットさせられるような仕組みを持つこと以外にないのではないかなということを考えています。

そんな中でどうしたら良いんだろうかとさまざま実践を探っているのですが、先日、「自己進化型組織」というアプローチについて教えてもらう機会をいただきました。

このアプローチはこのアプローチでとんでもなく難しいなと思うのですが、でも、実際問題、これ以外にワークしそうなアプローチを見つけるのも難しいということを感じています。

私の向こうしばらくのテーマは、この「自己進化型組織」が持つ要素をかりに部分的にであっても、いかに組織にインストールしていくかというチャレンジになっていきそうです。

このテーマ、今後の日本の未来を考えていく上で、非常に重要な要素となっていきそうな予感がしているため、このチャレンジから得られた手応え、実感については、また共有していけたらと考えています。

ということで、最後までお読みくださってどうもありがとうございました。








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きづきくみたてnote 森本康仁
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