人を動かす?
コンサルティング業での体験や、前職でコンサルティングを受けていた時の経験で、「人は動かない」という不思議なことに気が付きました。
もちろん、自分の部下や自分の子供も(笑)。
指示した一時は行動しても、よく言う「三日坊主」的なことですね。
悩んだ結果、コミュニケーションやNLP、行動経済学など読書にふけっているうちに、コーチングの世界へと導かれていきました。
はっきりとわかったことは、「人は指示、命令されても動かない」ということです。そして「人は自分にその行動が必要だと気付いたときに動く」ということです。
これは本能?
人は「やれ」と言われると動かないが、自分で「やる」と決めると大抵は動きます。 コーチングとはまさにこれで、対話を通じて「気づき」を与えて行動を促すのです。
これは、子育てでも同じことがいえます。
しかし、ほとんどの人が知らないのではないでしょうか?
もうそろそろ子育てが終わるくらいの友人と話す機会がありました。
子供って「やれ」というとしないよね、と質問すると「そうよ」というが、実際に自ら行動するように促しているか聞いてみると「そうはいってもねぇ~」と談笑となる。
この人間の特徴については、NLPなどで明確になっており、色々なビジネスでも使われています。 コーチングにおいては、この人間の特徴を、より良い人生を送るためにスキルとして役に立てています。
学校教育はもちろん、子を持つ親たちに教えてあげたいものですね。
私の娘が思春期で少し気難しく、あまり私と会話をしてくれない、というより、私も必要以上に近づかないようにしているのですが、最近始めたドラムのことで話す機会があったので、久しぶりに「会話」をしました。(笑)
私はドラムのことがわからいのですが、娘なりに練習しているが、なかなかうまくいかないところがあって少しドラムの練習から離れていると、会話の流れで相談になっていきました。
「何がうまくいかないの?」「どんなふうに?」「へぇ」「それでどうしているの?」「練習方法がわからないんだ?」「へぇ、そんな練習方法があるんだ」「で、やってみたの?」「他には?」「ふぅ~ん」といった具合ですが、気が付いたころには娘が「これは課題曲で反復するしかなくて、ここはこの練習で・・・」とぶつぶつ言いながら自分の部屋にこもり、もくもくと練習を始めたことがありました。
数日すると家内から、最近娘が急にドラムの腕を上げたとのことを聞いて驚いた次第でした。
また、仕事上でリフォーム会社の社長からの相談で、スタッフの動きが悪いとの相談を受けた際に、人は動かないことの説明をして、話し方、話の聴き方などのアドバイスをさせていただきました。 その社長さんは真剣に話を聴いてくださり、少し反省した面持ちでその日の面談を終えました。
数日して、スタッフの動きや言動が変わってきたというのです。
社長さんはとても喜んでおられました。私はスタッフの方々の顔も知っているので、どんな様子か皆さんの顔も拝見させていただきました。忙しそうな雰囲気でしたが、いつもより溌剌とした印象が忘れられません。
もちろん、私からみて一番変わったのはその社長さんです。
些細なことだと思いますが、意識して相手の話を聴き、対話で考えさせて気づきを与え、行動を促すことで人は動くのです。
もちろん、自らの考えで行動するわけですから、生き生きとした目で、元気よく行動します。 当然結果もついてきます。
私がこういったことを勉強するのがあと20年早ければと思い、若い人たち、いや、多くの人たちに「人を動かす」ではなくて「人は自ら動く」だから、そのためには「自分がどうあるのか」が大切なことを伝えたいですね。
私も日々「自分がどうありたいか」を考え、勉強していきたいと思います。