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夕暮れって200色あんねん

こんにちは。きぜつです。
1日の中でどの時間帯が好きか、の問いには、
「夕暮れ」と答えます。

理由は、空の色彩が豊かなことです。

どうして心惹かれる綺麗さがあるのか...
散乱現象といった仕組みの話はさておき、すぐに色合いが移り変わる儚さも相まって、瞬間瞬間を切り取りたい衝動に駆られます。

スマホの写真フォルダには、これまで撮った
夕暮れの画像が大量に保存されていました。
(上の画像は朝焼けも混じってますがご愛嬌)

厳正なる選考(?)の結果、代表選手を。

暮れなずむ街@東京都渋谷区(表参道)
鏡のように@茨城県つくば市
サンセットビーチ@ロサンゼルス,USA(Venice Beach)
パステルカラーの空@茨城県つくば市
群青と夕月@東京都文京区(湯島)

ところで、前回の記事で
上司に「綺麗な日本語を使いますね」と
嬉しい言葉をいただいた話をしました。

そのことが嬉しくて今回も絡めてみますが、
「夕暮れ」は色彩と同様に、日本語表現も
多様であり、美しいものが多いようです。

夕暮れの定義は、気象庁、天文学など
主体によって様々あるかとは思いますが、
今回は、小さい頃からの愛読書である
「宙ノ名前」の説明文をご紹介します。

夕暮れ(ゆうぐれ)
日が沈みかかって暗くなること。
日暮れどきのことで、日の暮れる時分のことを夕暮方(ゆうぐれがた)といいます。天文学では、日没後、太陽が地平線下七度二一分四〇秒になったときを日暮れといいます。(以下略)

林 完次(1995)『宙ノ名前』光琳社出版 P40

加えて、「夕間暮れ」という言葉も。
私の好きな一節です。

夕間暮れ(ゆうまぐれ)
日が暮れて夜になるまでのわずかな間のこと。まぐれは目暗(まぐれ)。同じような意味合いの言葉に(ゆうべ)、夕方夕刻夕さり夕まし薄暮(はくぼ)、暮れ暮れ泥む(くれなずむ)、入相(いりあい)など美しいものが多くあります。(以下略)

林 完次(1995)『宙ノ名前』光琳社出版 P41

自分は最初にまずこれらの言葉を知り、後になって使用シーンに遭遇するというパターンでしたが、以下にいくつか記します。

夕さり
こちらは、小倉百人一首の句にありました。

夕されば門田の稲葉おとづれて蘆のまろ屋に秋風ぞ吹く

大納言経信(源経信) 金葉和歌集 秋 173

"夕されば"は、"夕暮れ時に"、"夕暮れになると"、と言ったニュアンスでしょうか。
百人一首は、小さい頃にかるたを買ってくれたので少し勉強したことがありましたが、大人になった今、改めて学んでみるのもいいなと思いました。

薄暮
教習所で一番事故が起こりやすい時間帯のことを「薄暮時」と言っていたような。確か、運転者の視界が見えにくくなるということで。

暮れ泥む
「贈る言葉」の冒頭の歌詞ですよね。
意味合いについては以下の記事がありました。

「完全に日が暮れそうでなかなか暮れないでいる状態」ということですが、「泥む」は古くからある言葉のようですね。

入相
「入相の鐘」という言葉を聞いたことがあります。日没時や夕暮れ時にお寺でつかれる鐘のことのようです。
今では、一部の地域ではその役割を防災無線が担っているんでしょうか。フジファブリックの名曲の歌詞を借りれば「夕方5時のチャイム」ですね。

夕ましは、今のところ使用場面に遭遇していません。こちらも古くからある言葉みたいですね。

ちなみに、「宙ノ名前」では、このほかにも、夕映え夕明かり黄昏などの夕暮れと近い時間帯の言葉の説明が綺麗な写真とともにたくさんあります。

※現在は、新訂版「宙の名前」として出版されているようです。

私の一番好きな時間帯である夕暮れ。
今日も夕暮れがやってきました。
今日はどんな色に空が染まるでしょうか。
そして、どんな言葉で言い表されるか
空を眺めて考えてみたいと思います。

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