中谷防衛大臣会見令和6年11月12日(火)における質問。
中谷防衛大臣会見の令和6年11月12日(火)におけるぼくの質問です。
https://www.mod.go.jp/j/press/kisha/2024/1112a.html
Q:関連してなんですけれども、一般に、海上自衛隊の艦艇は乗組員が大変少ないなと思います。イージス艦でも6割しか乗っていないという話聞いておりますが、それだけ少ないとですね、一人当たりの仕事量も増えるし、大変であるし、細かいところまで目が届かない、ですから、今回の火災がそうだとは申し上げませんけれども、事故が起こりやすくなっているのではないかと、あと事故が起きた時、あるいは戦時のダメージを受けた時にダメージコントロールができないのではないですか。
A:事故原因につきましては、今調査をしている段階でございます。充足率につきましては、一般的に陸海空含めて90%程度と聞いておりますけれども、この点につきましては、政府として非常に深刻にですね、認識をしておりまして、政府の中に関係閣僚会議を通じてですね、自衛官の組織の在り方については検討している段階でございます。
Q:海上自衛隊の艦艇の充足率を公開するというような意図はございませんか。というのは、国民のほとんど、まだ艦艇の充足率を知らないことなので、多分実際のパーセンテージを知ったら驚くんじゃないかと思うのですよ。敵に手の内を明かさないという言い方でよく、情報公開しないことをおっしゃるんですけれども、納税者がそういう実態を知った方がよろしいのではないかと。医官がほとんど護衛艦も潜水艦も乗っていない、乗るのは海外任務だけだというような現状ですけれども、これで本当に戦時に戦えるんですか。
A:正に、この自衛隊の在り方につきましては、現在、抜本的強化に取り組むということを前提にですね、そういった自衛官の処遇とか、勤務環境の改善とか、また戦い方も含めて、どうあるべきか、そのためには自衛隊の人的基盤の強化という観点でですね、検討しております。
Q:「もがみ」級フリゲートがですね、就航する前には、3隻に対して4つの乗組員を作って、それでクルー制を導入するという話があったんですけれども、海上自衛隊できていないのですよね。できていないということを公開していなかった。こういう態度は非常に不誠実ではないでしょうか。また、実際問題として、それによって本来軽減される負担が軽減されなかったと、これも充足率このままいくとまた、クルー制も導入されないのであれば、また辞めてしまう人も多いのではないかと思うのですけれども、それはどうでしょうか。
A:こういった点につきましては逐次ですね、検討と改善、これを今している最中でございます。「もがみ」に関して言いますと、先週ですね、横須賀におきまして視察をいたしました。非常に近代化、ハイテク化、機械化をされておりまして、少ない人数でも運航できるということを目標にですね、作られておりますので、逐次こういった点で改善を図っていきたいと思っております。
Q:海上自衛隊がそれをクルー制が導入できなかった、つまり失敗したという話をですね、なぜ報告をしないのか、発表しないのかということをお尋ねしたいのですが、その点に関してはどうなんでしょう。
A:この点につきましては、しかるべき資料を今持ってませんので、事務方にお問い合わせいただきたいと思います。
充足率が低いということは、乗員一人あたりの仕事量が増え、それぞれの仕事でミスも起きやすくなります。つまり事故の発生する可能性が高くなる。
そしてまさに火災事故が起きました。該当のフネの実際の乗員数は公開すべきです。ですが、後に事務方から解答です。
>掃海艇「うくしま」の定員数は約40名となりますが、乗組員の数については、我が
国の防衛能力を明らかにする恐れがあるため、回答を差し控えさせていただきます。
防衛省は問題点を「国民に対して明らかにしたくない」といっているのと同じです。
それからなんで海幕がクルー制導入に失敗したのか公表しなかったことに大臣は明言を避けています。これも問題です。
率直に申し上げれば自衛隊の艦艇では低充足率のために事故が起こる可能性は高く、またそれが極大化する可能性があります。例えば乗員が十分にいれば小破ですむ被害が大破や沈没に繋がる。今回の事故もまさにそれが疑われます。
それが戦時ともなれば、海自の艦艇は簡単に沈むし、医官も乗っていないので不要に死ぬ乗員が出てくるでしょう。
つまり自衛艦隊は弱い、ということになります。
今後艦艇数を維持するのであれば少子高齢化が進む中、どのようにして乗組員を確保するのか。具体的な計画を明示すべきです。
充足率も公開せずに、「がんばります」と嘘をつき続けけて納税者を騙すことが軍隊の仕事ではないでしょう。
勇気を持って艦隊規模の縮小を検討すべきです。
Q:先ほどの艦艇の充足率に関係するお話なのですけれども、昨今、少子高齢化進んでいる中でですね、ますます艦艇の乗組員の確保が難しくなっていると思うのですが、大臣、今の現状の、例えば護衛艦とか潜水艦の勢力というのは、今後も例えば長期にわたり維持ができると考えておいででしょうか。それとも、人口の減少に伴い、縮小するというお考えございますでしょうか。
A:この点は自衛隊全体の問題になっていますので、少子高齢化など、充足率など、その点につきましては、今政府でですね、自衛官の処遇、勤務環境の改善、新たな生涯設計の確立に関する関係閣僚会議を設けて、今まで2回議論をいたしましたが、本年中に取りまとめをできるように急いでおります。また予算の要望もできるところからやっていくということで、スピードアップをしてですね、取りまとめ、検討を進めているところであります。
Q:ということは、現在の勢力は維持可能であるというふうにお考えですか。
A:将来も見越してですね、少子高齢化社会がやってきて、募集につきまして、安全にできるような状態になるようなですね、やっぱり大本の自衛隊の働き方、それから配置、そういったものを検討した上でですね、実施しなければならないという認識で、そのような検討は精力的に今行っているということであります。
Q:先ほど、石破総理からの指示ということで7つ挙げられた中でですね、防衛産業の振興ということがあるかと思うんですけれども、以前、木原前防衛大臣に伺った時にですね、防衛省として防衛産業の統廃合・再編というのはどう考えるのかというふうに伺ったらですね、いや、防衛省はそれは知らんと、それは民間の話だというお話を伺ったんですけれども、これ、石破内閣でもそうなんでしょうか。
A:木原前大臣は、必ずしもそういう認識ではないと思います。やっぱり、そういうことも含めてですね、検討しておられたというふうに認識しております。
Q:明確に防衛省は関与していない、それは、統廃合というのは、全部民間のマターであると、我々は関与していないのだというふうなことを断言されていたんですが。
A:これにつきましては、一昨年のですね、末に、国家安全保障戦略ですね、これで示されてますけれど、我が国の防衛生産と技術基盤、これは我が国の防衛力そのものでありまして、これに向けて抜本的強化のための、今検討をいたしております。その基本方針の中でですね、防衛産業の国内基盤を維持する、強化すること、それから、防衛に関する科学技術、イノベーション、これを結集して技術的優位性を確保すること、そして官民が一体となって装備移転を推進することなどの基本方針、これはもう出ておりますので、こういった民間の会社とか、防衛の関連産業、これとの協議・意見交換、これは当然行っていきながら推進していくものだと思います。
Q:というのが、大臣の意図として、例えば、防衛省が主導して同じ分野の事業をですね、電気なら何社かある中をそれを統合するようなことを働きかけるというような官の側からのそういう統廃合を政策として行っていくことはやるんでしょうか、やらないんでしょうか。
A:それは実施してまいりますが、あくまでも防衛省の所掌範囲の中でやっていくわけでありまして、このほかにも経済産業省とか、また国土交通省とかですね、他省庁の所管のところもございます。そういう点につきましては、関係官庁ともですね、調整・協議をしながらですね、行ってまいりたいというふうに思います。
これは木原前大臣が自分の趣味で発言していたのか、それとも石破政権になって方針を転換したのか。どちらなのでしょうか。
財政制度分科会(令和6年10月28日開催)資料
防衛
https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/proceedings/material/zaiseia20241028/01.pdf
防衛(参考資料)
https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/proceedings/material/zaiseia20241028/03.pdf
■本日の市ヶ谷の噂■
清谷信一の報道がきっかけで改善された陸自の個人携行衛生救急品キットだが、せっかく陸自隊員個人に新しい個人携行救急品が支給されても、止血帯は訓練もされずに未開封のまま。チェストシール等 教育すら行われていない。胸部戦闘外傷の教育ができない清住哲郎防衛医科大学校病院救急部長に教えられるはずない。そもそも、海幕に長く勤務していながら、海上自衛隊の救急品の整備をしていないのは職務怠慢、との噂。
月刊「紙の爆弾」12月号に以下の記事を寄稿しました。
税金を浪費して欠陥機を導入防衛費「GDP比2%」無駄遣いの全実態
紙の爆弾 2024年12月号 [雑誌] - 鹿砦社
Merkmal(メルクマール)に以下の記事を寄稿しました。
自衛隊「職務中の死亡事故」はなぜ止まらないのか?4月のヘリ墜落で8人死亡、背後に潜む人災の実態とは
https://merkmal-biz.jp/post/77927
Japan in depthに以下の記事を寄稿しました。
新聞テレビが報じない自民党の防衛費GDP比2パーセント公約の撤回
https://japan-indepth.jp/?p=84903
Merkmal(メルクマール)に以下の記事を寄稿しました。
航空自衛隊のT-7後継機取得 「官製談合」疑惑が再燃するなか、透明な入札は実現できるのか?
https://merkmal-biz.jp/post/77504/2
東洋経済オンラインに以下の記事を寄稿しました。
「自衛隊員の手榴弾事故」現状の対策は不十分な訳
旧式の危険な手榴弾が訓練でも使用されている
https://toyokeizai.net/articles/-/831217
Merkmal(メルクマール)に以下の記事を寄稿しました。
率直に言う 陸上自衛隊の戦車は「全廃」すべきだ
https://merkmal-biz.jp/post/77045
「石破首相 = 軍事オタク」は本当か? 防衛知識ゼロの他政治家が国を守れるのか? 石破氏を長年知るジャーナリストが“真実”を語る
https://merkmal-biz.jp/post/76790
月刊軍事研究に「ユーロサトリでみた最新MBTの方向性」を寄稿しました。
軍事研究 2024年 11 月号 [雑誌]
Japan In Depthに以下の記事を寄稿しました。
防衛省、ベトナムに「資材運搬車」を提供
https://japan-indepth.jp/?p=84403
「軍オタ」が歪める防衛議論(前編
https://japan-indepth.jp/?p=84282
軍オタが歪める防衛議論(後編)
https://japan-indepth.jp/?p=84315
European Security & Defenceに寄稿しました。
https://euro-sd.com/2024/09/major-news/40266/jgsdf-calls-for-numerous-afvs/
東京新聞にコメントしました。
兵器向け部品の値段「見積り高めでも通る」 防衛予算増額で受注業者の利益かさ上げ 「ばらまき」と指摘も
https://www.tokyo-np.co.jp/article/352551
月刊ZAITENに寄稿しました。
https://www.zaiten.co.jp/latest/
東洋経済オンラインに以下の記事を寄稿しました。
海上自衛隊の潜水艦メーカーは2社も必要あるか川重の裏金問題で注目される潜水艦の実態
https://toyokeizai.net/articles/-/774627
月刊軍事研究8月号に防衛省、自衛隊に航空医学の専門医がいないことを書きました。
軍事研究 2024年 08 月号 [雑誌]
Japan in Depthに以下の記事を寄稿しました。
「敵に手の内をさらさない」という防衛省、自衛隊の「敵」は国会と納税者か
https://japan-indepth.jp/?p=83101
新聞各紙 残念な防衛関連の未検証記事
https://japan-indepth.jp/?p=82844
日本の報道の自由度が低いのは記者クラブのせい
https://japan-indepth.jp/?p=82748
次期装輪装甲車、AMV採用を検証する その2 AMVのライセンス生産によって日本の装甲車事業は壊滅する
https://japan-indepth.jp/?p=81695
次期装輪装甲車、AMV採用を検証するその1
駿馬を駄馬に落とす陸自のAMV採用
https://japan-indepth.jp/?p=81667
東洋経済オンラインに以下の記事を寄稿しました。
航空専門医がいない空自に戦闘機開発はできない
やる気のある医官が次々に辞める自衛隊の内情
https://toyokeizai.net/articles/-/744651
ここから先は
¥ 200
この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?