見出し画像

防衛省のVTOL無人機開発は失敗する


「垂直離着陸」の無人機開発、防衛省が25年度着手
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA103610Q5A110C2000000/

>防衛省は2025年度から垂直に離着陸ができる無人機の研究・開発を始める。試作機をつくり、攻撃や輸送、偵察などの任務に使うことを想定して試験する。滑走路がなくても機体の機動的な展開が可能になる。部隊が人的被害を抑えながら任務を遂行できるようにする。

>垂直離着陸型の無人機は陸上自衛隊の部隊の利用を想定する。航続距離や物資などの搭載可能重量は今後の設計で設定する。

>研究費として25〜27年度分の予算46億円を25年度予算案に計上した。27〜28年度に防衛装備庁や部隊で試験に取り組み、その成果を検証する。成果により量産を検討する。

これは恐らく軽ヘリコプター程度の規模の機体を想定しているのでしょう。
ですが失敗する可能性が極めて高い。これがヘリ型なのか、クアッドや、プロヘラ偏向型なのかはまだわかりません。

問題なのは陸自にまともに無人機の運用能力がないことです。使い物にならないFFRSを未だに温存しています。FFRSに関してはぼくがそのことを暴露して国会でも問題になり、その後スキャンイーグルが採用されましたが、調達開始まで9年掛かっています。完全に戦力化までまだ時間がかかるでしょう。しかも5GHzが使えるようになるのは今年からです。つまりその周波数帯で無人機を運用した経験もない。

有り体にいえば靴を履いたことがない未開人が、靴を作って売るようものです。本来開発実験団あたりでドローン専門部隊を作って各種ドローンを運用させたりして経験を蓄積すべきです。既に世の中には様々なVTOL無人機が開発され、実用化されています。そういうものを幾つか導入して。実際に部隊で運用してみるべきです。FFRSやアパッチ、OH-1などの役に立たない部隊を畳めばカネも人もあるでしょう。これらのクズを維持するために予算と人間を浪費しているのが陸自という組織です。

これでこのクラスの機体を開発するのは、釣りの初心者がいきなりインド洋でマグロの一本釣りのスポーツフィシングに挑戦するようなものです。まずハゼ釣りから始めるべきです。しかもどうせ主契約者は重工各社か日立あたりになるでしょうが、彼らに無人機のノウハウはない。

VTOL無人機開発は先送りして、既存の外国製品を評価し、その中から採用して装備化し、ノウハウを蓄積してから行うべきです。

装備庁や各幕僚監部は自分たちの能力がどの程度か、きちんと自問してから予算を要求すべきです。

■本日の市ケ谷の噂■
自衛隊大好き軍オタさんたちが大絶賛する国産哨戒機、P-1だがその実採用から10ねんたって大金使って「近代化」と僭称して不具合の改善に取り組んできたが、対潜能力が低い上に、稼働率は3割程度で全くカネをドブに捨ててきたが、鳴り物入りで導入されたIHIの国産エンジン、F7のタービン・ブレードがその主たる要因。現場の部隊から怨嗟の声が絶えない。世界最高のジェット戦闘機のエンジンも開発できると豪語するIHIは10年経っても改善できずに、F7事業は赤字、との噂。



財政制度分科会(令和6年10月28日開催)資料
防衛
https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/proceedings/material/zaiseia20241028/01.pdf
防衛(参考資料)
https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/proceedings/material/zaiseia20241028/03.pdf

財政制度分科会(令和6年10月28日開催)資料
防衛
https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/proceedings/material/zaiseia20241028/01.pdf
防衛(参考資料)
https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/proceedings/material/zaiseia20241028/03.pdf


Japan in Depthに以下の記事を寄稿しました。
日本の装甲車事業は日本製鋼所と防衛省が潰す
https://japan-indepth.jp/?p=86042


補正予算という麻薬が将来の国民を蝕んでいる
https://japan-indepth.jp/?p=85936

海自の無人機、MQ-9Bの調達とインド軍の調達の違い
https://japan-indepth.jp/?p=85823

 European Security & Defenceに以下の記事を寄稿しました。
Japanese MoD selects Beechcraft T-6C as the JASDF’s new primary trainer
https://euro-sd.com/2024/12/major-news/41765/japan-selects-t-6c-for-jasdf/

Japan in Depthに以下の記事を寄稿しました。
航空自衛隊 次期初等練習機選定は審査が僅か一ヶ月で試乗もなし
https://japan-indepth.jp/?p=85525

月刊「紙の爆弾」12月号に以下の記事を寄稿しました。
税金を浪費して欠陥機を導入防衛費「GDP比2%」無駄遣いの全実態


紙の爆弾 2024年12月号 [雑誌] - 鹿砦社

Merkmal(メルクマール)に以下の記事を寄稿しました。
自衛隊「職務中の死亡事故」はなぜ止まらないのか?4月のヘリ墜落で8人死亡、背後に潜む人災の実態とは
https://merkmal-biz.jp/post/77927

Japan in depthに以下の記事を寄稿しました。
新聞テレビが報じない自民党の防衛費GDP比2パーセント公約の撤回
https://japan-indepth.jp/?p=84903

Merkmal(メルクマール)に以下の記事を寄稿しました。
航空自衛隊のT-7後継機取得 「官製談合」疑惑が再燃するなか、透明な入札は実現できるのか?
https://merkmal-biz.jp/post/77504/2

東洋経済オンラインに以下の記事を寄稿しました。
「自衛隊員の手榴弾事故」現状の対策は不十分な訳
旧式の危険な手榴弾が訓練でも使用されている
https://toyokeizai.net/articles/-/831217


Merkmal(メルクマール)に以下の記事を寄稿しました。
率直に言う 陸上自衛隊の戦車は「全廃」すべきだ
https://merkmal-biz.jp/post/77045
「石破首相 = 軍事オタク」は本当か? 防衛知識ゼロの他政治家が国を守れるのか? 石破氏を長年知るジャーナリストが“真実”を語る
https://merkmal-biz.jp/post/76790

月刊軍事研究に「ユーロサトリでみた最新MBTの方向性」を寄稿しました。


軍事研究 2024年 11 月号 [雑誌]

Japan In Depthに以下の記事を寄稿しました。
防衛省、ベトナムに「資材運搬車」を提供
https://japan-indepth.jp/?p=84403
「軍オタ」が歪める防衛議論(前編
https://japan-indepth.jp/?p=84282
軍オタが歪める防衛議論(後編)
https://japan-indepth.jp/?p=84315

European Security & Defenceに寄稿しました。
https://euro-sd.com/2024/09/major-news/40266/jgsdf-calls-for-numerous-afvs/

東京新聞にコメントしました。
兵器向け部品の値段「見積り高めでも通る」 防衛予算増額で受注業者の利益かさ上げ 「ばらまき」と指摘も
https://www.tokyo-np.co.jp/article/352551

月刊ZAITENに寄稿しました。
https://www.zaiten.co.jp/latest/

東洋経済オンラインに以下の記事を寄稿しました。
海上自衛隊の潜水艦メーカーは2社も必要あるか川重の裏金問題で注目される潜水艦の実態
https://toyokeizai.net/articles/-/774627


Japan in Depthに以下の記事を寄稿しました。
「敵に手の内をさらさない」という防衛省、自衛隊の「敵」は国会と納税者か
https://japan-indepth.jp/?p=83101
新聞各紙 残念な防衛関連の未検証記事
https://japan-indepth.jp/?p=82844
日本の報道の自由度が低いのは記者クラブのせい
https://japan-indepth.jp/?p=82748

次期装輪装甲車、AMV採用を検証する その2 AMVのライセンス生産によって日本の装甲車事業は壊滅する
https://japan-indepth.jp/?p=81695

次期装輪装甲車、AMV採用を検証するその1
駿馬を駄馬に落とす陸自のAMV採用
https://japan-indepth.jp/?p=81667

東洋経済オンラインに以下の記事を寄稿しました。
航空専門医がいない空自に戦闘機開発はできない
やる気のある医官が次々に辞める自衛隊の内情
https://toyokeizai.net/articles/-/744651

ここから先は

0字

¥ 300

期間限定!Amazon Payで支払うと抽選で
Amazonギフトカード5,000円分が当たる

この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?