浜田防衛大臣記者会見令和4年12月16日(金)での質問


浜田防衛大臣記者会見令和4年12月16日(金)でのぼくの質問です。

Q:陸上自衛隊の装備に関してお尋ねします。空自・海自は別なんですけど、陸自だけですね、装備を入れる時に定数しか入れてない。例えば、その部隊で100両必要だったら100両しか装備入れないわけです。そうしますと、特に航空機の場合ですと、IRAN(アイラン)という定期整備ありますよね。そうしますと、その間、当然ながら100機の飛行機があるなかで、IRAN(アイラン)になっちゃうと、当然なくなるわけですから、構造的に稼働率が低くなるわけです。こういうことを説明しないで、単に金がないから稼働率が上がらないんだみたいな話をされると、納税者が実際のところ理解できないんじゃないですか。それからまた、実戦になった場合に、かなり数が足りない形で、部隊が戦わなきゃいけないということになるかと思うんですけれども、その辺、どうお考えでしょうか。

A:今、この場でですね、お話しする資料、私自身も持っておりませんので、また、現場の方からですね、御説明させていただければと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。

これは是非とも浜田大臣に現状を認識していただきたいと思います。

Q:先日、採用が決まった次期装輪装甲車に関してお尋ねします。PatriaのAMVに採用が決まったわけですが、先日のレクチャーにおいてですね、ライセンス生産するパートナーの日本企業がまだ決まっていないと、Patriaが決めるんだというふうにおっしゃっていたんですが、予算もうすぐ出ますし、それから執行になるのは4月、もう間際なんですけれども、この時点で生産者が決まっていない、それで、何でその生産のコストであるとか、兵站上問題がないとか、そういうことを言えるのか全く不思議なんですけれども、大臣、これはおかしいと思われませんか。

A:現場でいろいろと、判断しているものと思いますけれども、今、御指摘の点についても、また、現場の方でですね、丁寧に説明させたいと思いますんで、よろしくお願いします。

Q:丁寧に説明されていないから、こうして大臣に伺うしかないんですけれども、そのAMVを採用したに関しても、そのAPC型、兵員輸送車型を調達すると。それ以外のものはあるんですかと質問したら、いやそれ以外にも、いろんなバリエーションを調達しますと、数も分かりませんと、普通、防衛装備って他の国では、どういうバリエーション作って、それぞれ何台作って、いつまでに装備化するんだと、総額いくらだという話をされるわけですね。ところが、一つのバリエーションの初年度の予算だけ出して、これで認めてくださいっていうのは、これ文民統制上、問題あると思いませんか。丁寧な説明になっていると思われますか。

A:その点についてもですね、私の方でまた受け止めさせていただいて、しっかり説明させるようにいたします。

Q:偵察航空隊が発足しましたが、使用機材がこれグローバルホークのブロック30で、米軍は既に廃止をすると。米空軍は、更に先のブロック40もこれ廃止する方向だというふうになっているんですけれども、これ果たして日本で必要なんでしょうか。以前、河野大臣に「これどういうふうに運用するんですか」とお尋ねしたら、「いや、運用のことは答えられません。」とおっしゃってたんですが、基本的にグローバルホーク、陸上の上をサーベランスするものですから、海上のサーベランスには向いてないわけですね。ですから、オーストラリアもトライトン型というタイプを導入したんですけれども、これ本当に必要なんですかね。

A:当然のごとく、今まで必要としてですね、検討してきたわけでありますが、今後の対応についても、これまだはっきりと決めていないと思いますので、それも含めて私の方で、確認をさせていただきたいと思います。

海上監視に役に立たず、米軍でも運用を止めるグローバルホーク、しかも型落ちを調達決定したのは安倍政権失点です。何しろ調達初年度にレクで質問したら、「運用部隊は決まっていません」でした。買ってから運用を考えるというのは無責任です。
廃棄するなり、転売するなりしてシーガーディアンでも増やした方がよほどマシだと思います。

Q:現在、いわゆる3文書がもう策定されていると思うんですけれども、自民党の中では、借金して、国債で軍拡をしろという声が非常に強いかと思うんですけれども、以前、冷戦時代にですね、アメリカが軍拡競争をソ連に仕掛けて、それにソ連が乗ってしまって、無碍な軍拡をして、結果ソ連が崩壊したというふうな歴史的事実があるんですけれども、これを皆さん、自民党の中であんまり共有されていないんでしょうかね。それからあと、戦時になった場合、ぜい弱な財政状態で、例えば、採用して、例えば諸外国からミサイルなり航空機を買うということはできるんでしょうか。

A:今、お話しになった件、いろいろな議論があることは私も承知をしておりますし、また、今、御指摘のいただいた点も含めてですね、我々とすれば、いろんな意見を聞いて、その中で間違いのない選択をしていくことが重要だと思っておりますので、今の御指摘に関してはですね、私の方で受け止めさせていただきたいと思います。

Q:もう一つだけ最後に。いろいろその国債ではいかんという話で、いろいろたばこ税であるとか、法人税であるとか、増税を今、検討されているというふうに伺っておりますけれども、不思議なんですけれど、何故、ふるさと納税をやめようという話は出ないんでしょうかね。ふるさと納税で昨年度、大体4,000億円くらい返礼品とか、事務費で消えている。つまり、税金がそのまま漏れていて、今年は多分5,000億円くらいかと思うんですけれども、これを防衛費に転用しようというような、そういうまあ、お金に色ついてませんから、実際のシステムはよく分かりませんけれども、そういう発想というのは、議論は出てないものなんでしょうか。

A:今までの議論についてはですね、そういうお話は出てきておりませんし、また私の立場でですね、財源についてですね、発言するのは控えさせていただきたいと思いますので、その今、おっしゃったお話は、自民党の議論の中では出ていないというふうに思います。

最後に浜田大臣は最後に自民党はふるさと納税をやめてそれを財源にする議論はなかったという話を繰り返しております。
これはどういうことか。ぼくは記者諸君にこの件を強調してなにか書いてほしいのではないかと思いました。

■本日の市ケ谷の噂■
かつて「自衛官に私的戦闘訓練」の記事で誤報を垂れ流し、違法取材の疑いもある共同通信の名物記者石井暁記者(共同通信はこの件について取材申し込みを受けると約束したも黙殺)、は12月13日(火)の防衛大臣記者会見で、浜田大臣に絡んで大ヒンシュク、との噂。

さて、火曜日の会見では共同通信の石井暁記者が大暴れしたようです。例によって「俺様は孤高のジャーナリストだ」的な自己陶酔型のからみです。還暦になってこんなしょうもない質問をする記者を定年延長までして防衛省記者クラブに残すなんて共同通信はよほど人材が払底しているのでしょう。ぼくなら酔っ払ってもこんな質問しませんよ(笑

https://www.mod.go.jp/j/press/kisha/2022/1213a.html

共同通信と石井暁記者に遵法精神はあるのか?
https://kiyotani.at.webry.info/202101/article_14.html

この件で共同通信に取材を申込み、先方から連絡すとまっていたのですが、未だに連絡もなくバックレた模様です。よほど都合が悪いことをやらかしたのでしょうか(笑

共同通信社、防衛担当石井暁記者の記者クラブ非会員に対する嫌がらせに抗議する。
https://kiyotani.at.webry.info/202011/article_3.html

文民統制がなにか知らないのに、文民統制の記事を書く共同通信
https://agora-web.jp/archives/220809071826.html


European Security & Defence 誌に以下の記事を寄稿しました。
The Sun Sets on Japan’s Defence Industry
Shinichi Kiyotani
https://euro-sd.com/2022/12/articles/28449/the-sun-sets-on-japans-defence-industry/


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