防衛省に告ぐ 香田提督


元自衛艦隊司令官、


防衛省に告ぐ-元自衛隊現場トップが明かす防衛行政の失態 (中公新書ラクレ 785) - 香田 洋二氏の著書です。


個々のケースではぼくとは意見が違うこととか(特に安倍晋三の評価)、ありますが、かなりの部分は首肯できる内容です。こういう話はもっと制服組OBが主張するべきです。

●制服組に国会で答弁させろ
●アショアとイージスシステム搭載艦に対する批判
●国民にできるだけ情報を開示して説明せよ
●12式中距離弾道弾改良の問題点
●国産装備の限界(調達数や実験費などが少ない、コストが高い)
●C-2輸送機の問題点
●内局官僚統制の問題点

などなどです。特に装備に関しては無駄や不合理が多く、それを国民に隠蔽していると厳しく批判されております。
こういう話にいわゆる「平和主義者」やリベラルの人たちが興味を持たないのは大変問題です。具体論に詳しくなければ、単にシュプレヒコールと悪口を繰り返すだけになります。それは政権も防衛省も監視、監督できません。

健康になるためには病気に対する知識が必要です。医師を選んだり、医師の言うことをりかいするためには病気に対して知識が必要です。ですが病気は怖いから、知りたくない。神社で勝った御札貼ってお祈りしていればいい、という人が病気になったときに対処できるでしょうか。

「病気」だと理解できるのにそれが「軍事」になると理解できない。それもそこそこ教育を受けたインテリだから救われません。

平和を望み、防衛費の使い方を適正化して、防衛費を抑えるのであれば防衛や軍事に関する知識は必要です。そういう意味ではこの本は防衛費増額が問題だと思っている人にぜひ読んで欲しいです。


■本日の市ケ谷の噂■
先ごろ、海上自衛隊の1等海佐が「特定秘密」を外部に漏洩したと処分されたが、漏洩を要求した側の元提督はお咎めなし。この人物が元自衛艦隊司令官という経歴やNHKなどでコメントしていたなど香田洋二提督だと噂されたが、実は同じようなキャリアの山下万喜提督。要求に応じざるを得なかったのは山下提督のパワハラ体質にあった、との噂。

日記

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