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もがみ級はオーストラリアに採用されるか


もがみ級がオーストラリアの次期フリゲート候補となっていることで、ウキウキな人たちが増えていますが、立ち上がりの段階ですからあまり真に受けない方がよろしいでしょう。
潜水艦選定のときにどうなったか、ということを思い出せばよく分かる話だと思います。

ぼくは海自がもがみ級では不十分だということでもがみ級改良型を採用することになったわけですから、採用されるにしてももがみ級改良型でしょう。それもドンガラだけで中のシステムはタレスオーストラリアあたりが担当することになるでしょう。

 豪政府、次期フリゲート候補に海自もがみ型護衛艦を選出 海幕長「日本の装備品への高い信頼の表れ」と評価(高橋浩祐)
https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/6aa410da8b84a0c2d2bfb33f86a00672da340524

>海上自衛隊トップの酒井良海上幕僚長は3月6日の記者会見で、オーストラリア政府が同国海軍の水上戦闘艦隊の見直しの中で、次期フリゲートの候補として海上自衛隊のもがみ型護衛艦を選出したことについて、「我が国の装備品に対する高い信頼と評価の表れであると受け止めている」と述べた。

>オーストラリア政府は2月20日、昨年4月の国防戦略見直しの勧告に応じて、豪海軍の水上戦闘艦隊能力についての独立した分析報告書を発表した。その中で、豪海軍艦の増強を目指して11隻の調達を計画する次期汎用フリゲートの候補として、ドイツのMEKO A-200型、三菱重工業が建造する日本のもがみ型護衛艦、韓国の大邱級フリゲートBatchIIとBatchIII、スペインのナバンティア ALFA3000の4つを順に挙げた。

>豪シンクタンクのローウィ国際政策研究所は3月1日、「オーストラリア海軍は10年後、日本のフリゲートを運用することでうまくいくかもしれない」と前向きに評価。過去10年間の日豪関係の着実な進展を踏まえ、「戦略的観点から見て、日本のフリゲートの選択は両国間の緊密な連携を強化することになるだろう」と指摘した。

>さらに「もがみ型は、選ばれた4隻の中で最も速く、最も操縦しやすい船の1つであり、必要な乗組員の数も最少である」とも称えた。

現在の水上戦闘艦において最大速度はさほど問題ではありません。その余力があれば搭載システムの電力供給についます。過大な速度に合わせると燃費が悪くなり、かつ運用コストが高くなります。

乗員数が少ないのはいいのですが、本当に必要な人員まで削っている気がします。


>マイナス面としては「日本には防衛輸出の実績があまりない」と指摘。 しかし、「日本は米国と協力してきた長い歴史があり、オーストラリアと同様、装備の大部分が米国製だ。日本はまた、英国およびイタリアと提携したグローバル戦闘航空プログラム (GCAP)による主要な国際能力開発プログラムの分野にも参入している。おそらく、インド太平洋における均衡連合を拡大するための次のステップは、もがみ型を中心に構築された日豪フリゲート計画を通じたものとなるだろう」との見通しを述べた。

装備の大部分が米国製ならばいいのですが、レーダー、ソナー、対艦ミサイルなどは国産です。これを著者がどれだけ知っているのか。ジャイロコンパスや無線機もそうですが、価格が国際的にかなり高い。性能、コスト、兵站考えれば米国ないし欧州製でしょう。
特にレーダーとソナー、システム統合は問題です。潜水艦商戦で負けたもの、センサー類の低性能が原因です。そのへんはオーストラリア当局はよく分かっているでしょう。

>次期フリゲートをめぐって、オーストラリア政府は既に韓国にアプローチを始めたようだ。

おそらくは韓国の方が優勢でしょう。輸出に慣れています。欧米メーカーとの協業にも慣れています。日本の場合当局もメーカーも、「共通言語」で話すことができない。世界では当たり前の常識を知らずに、奇形化した日本国内の閉じた世界で暮らしているからです。つまりは非常識なわけで、その段階でかなり不利です。


Japan in Depthに以下の記事を寄稿しました。
次期装輪装甲車、AMV採用を検証するその1駿馬を駄馬に落とす陸自のAMV採用
https://japan-indepth.jp/?p=81667

■本日の市ヶ谷の噂■
陸幕はAMVの国産化で、エンジン、トランスッション含めたパワーパック、装甲板、多数のコンポーネントが輸入にもかかわらず、AMVは98%の国産化が可能と素人丸出しの強気の認識、との噂。

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