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経産省の防衛装備品関連中堅中小企業振興策は確実に失敗する


防衛装備品国産化、中小企業との適正取引へ指針 斎藤経産相が策定の考え
https://news.livedoor.com/article/detail/26095153/

>斎藤健経済産業相は22日の参院経産委員会で、防衛装備品の国産化に力を入れるため、大企業と中堅中小企業の適正取引を進めるガイドラインを近く策定する考えを示した。「防衛省と直接の契約関係にない中堅中小企業も含めたサプライチェーン(供給網)全体で防衛産業の基盤強化を図っていく」と述べた。

 >自衛隊に需要が限られる防衛産業は収益性が低く撤退する企業が相次いでいる。防衛省などは装備品を発注する際の企業の利益率を従来の8%程度から最高15%まで引き上げ、新規参入や販路拡大を狙う。

いつも申し上げておりますが、海外の企業はリスクを取って自社の資金で新製品を開発しています。それが売れないこともある。当然利益は高く設定します。対して我が国ではほぼ防衛省だけが顧客でリスクがほぼ存在しない。

この点を意図的に隠しているわけです。それを官僚が知らないわけがないでしょう。本当の問題は国際的には零細レベルの事業が乱立して競争も少なく縄張りを守っている。このようなゾンビ防衛産業を食わせるためにできの悪いクズの国産装備を他国の何倍も高いコストで、延々と細々と旧式化しても漫然と調達ことが問題です。

防衛省だけではなく経産省もこの点に目をつぶっている。利益の拡大のためには事業の統廃合が必要不可欠です。プレーヤーが減って事業規模が拡大し、調達期間が減れば利益は拡大します。
ところがこれを進めると抵抗が大きく、恨まれるのでしょう。
だからそれができない。

だからやったふりをするために、利益率を上げてごまかそうとしている。これではメーカーを甘やかすだけです。企業の体質強化にはならず、むしろ弱体化します。ですが官僚はせいぜい2~3年でポストを変わるので、潰れたころに責任を持たなくてもいいわけです。

本来こういう産業政策は政治主導でやるべきですが、政治家の情報ソースは得てして官僚と業界のご説明ですから現実問題を理解していない。

>(公明党の)三浦氏は「現行制度で適正な利潤が2次、3次企業にまで行き渡るのか。最前線まで届いてこそ防衛産業サプライチェーンの持続性が確保できる」と述べ、政府の見解をただした。経産相は「防衛装備庁と共同で開催する有識者検討会でガイドラインを早期に策定する」と述べた。

もう有識者がいない有識者会議なんてやめたほうがいいです。クズのような政策に第三者の「偉い先生方」も認めています、という権威付けをやっているだけです。
「有識」ならば日本の防衛産業の問題点を指摘していますよ。

最大の問題はいつも申し上げておりますが、調達数、期間、総予算を明記した計画を議会に提出して、オーソライズされた後に契約を結ぶ、というアタリマエのことをやっていないことです。

事実上無計画です。国会は調達が予定される前年に概算要求でだされて殆ど、計画が提出されずに、しかも審議する時間もないわけです。ですから事実上「軍」の要求に盲判を押しているだけです。

これは文民統制ではありません。これを新聞やテレビも全く報道も批判もしない。役所のリリースやリークの三味線で踊っているだけです。

例えば護衛艦ならば調達数や調達期間がほぼ想定できるので、事業計画が立てられます。その他の細かい装備や需品では無理です。事業計画を立てることは不可能です。ですからどこの企業も「原価」の部分にマージンを乗せているわけです。8%しか利益がないなんてのは嘘ですよ。そうでないと事業が継続できません。

■本日の市ヶ谷の噂■
航空医学実験隊の加速訓練の担当医官は循環器内科やの脳外科など気絶を扱う専門医が適任だが、現在は消化器内科医で3月中に退職。空間識訓練の担当は、めまいや乗り物酔いを扱う耳鼻科医が適任だが、現在は整形外科の育児ままさん医官が担当。低圧訓練の担当は低酸素症状を扱う呼吸器科が適任だが、現在は皮膚科医が担当。これでまともな戦闘機や練習機が開発できると大言壮語している空幕の将官は精神病院に言ったほうがいいレベル、との噂。


月刊軍事研究4月号に陸自の18式防弾ベストに関する記事を寄稿しました。


軍事研究 2024年 04 月号 [雑誌]

apan in Depthに以下の記事を寄稿しました。
次期装輪装甲車、AMV採用を検証する その2 AMVのライセンス生産によって日本の装甲車事業は壊滅する
https://japan-indepth.jp/?p=81695

次期装輪装甲車、AMV採用を検証するその1
駿馬を駄馬に落とす陸自のAMV採用
https://japan-indepth.jp/?p=81667

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