防衛大臣会見(令和 6 年 6 月7日(金) )に対する防衛省からの回答
防衛大臣会見(令和 6 年 6 月7日(金) )に対する防衛省からの回答です。回答は防衛装備庁からありました。
C 2 のペイロードについて)
問
C 2 の 最大離陸重量時の、最大ペイロード、 あとは 26トンの貨物を搭載時の
行動半径ないしは航続距離 はどれほどか。
回答
○ C-2輸送機の最大離陸重量時の最大ペイロードは約36トンです。
○ また、ペイロード26トンの貨物を搭載した時の航続距離のような条件を設
定した個 別の能力に回答していくと、最後には、輸送能力が推察されるおそれ
があることから、お答えは差し控えさせて頂きます。
他方、航空機の航続距離と搭載重量はトレードオフの関係にあり、ホームペ
ージに記載のある航続距離(約7,600km)も、数多くの航続距離と搭載
重量の組み合わせがある中で、あくまで一例として搭載重量が約20トンの場
合の数字を示したものであり、C-2輸送機の一般的な能力を示しているもの
です。
○ なお、当時の答弁は、航続距離を少しでも長くするには、搭載重量を減らし
た方が良いとの一般論を述べたものであり、C -2輸送機の搭載重量が16式
機動戦闘車の空調装置の搭載可否を決めたとの趣旨ではありません。
ぼくの質問がずいぶん簡略化されています。
オリジナルは以下の通りです。
Q:前回お尋ねしたC-2のペイロードについて、またお尋ねしたいんですけれども、まず初めに、前回、浜田大臣がクーラーを積んだので空輸できないというようなお話を御紹介したんですけれども、これ私の勘違いでしたのでお詫びして訂正申し上げます。ただ、事の本質は変わらないんですけれども、16式機動戦闘車開発時にですね、クーラーを積むとC-2に載らないということでクーラーを諦めたという経緯があるんですね。それは浜田大臣が積んだとおっしゃったので私勘違いしたんですけれども、それはですね、結局、大日本印刷が開発した新しい軽量の断熱材を導入しまして、車内に貼り付けるということをしたので、小さな出力でより軽いクーラーで、それが可能になったと。それが陸幕に問い合わせたところ、重量増加に約300キロであると。ということは製造重量26トンであればおおむね26.3トンということになります。ということは、以前は積めなかったということなんですけれども、それが、大臣この間自衛隊の出しているスペックは全部正しいとおっしゃってましたけれども、36トンというC-2のペイロードがあるのであれば、多少はクーラーが重くても、積めたはずなんじゃないですか。それがあまりギリギリだったから、要するにクーラーが積めなくて、それを努力して軽量化したので今度クーラーが積めたということではないでしょうか。大臣、いまだにC-2の輸送能力、ペイロードは36トンというふうにお考えですか。
https://www.mod.go.jp/j/press/kisha/2024/0607a.html
不思議な話です。16式開発時にはクーラーを搭載するとC-2への搭載が不可能になるということで見送られた経緯があります。36トンのペイロードが事実であれば、10トンもマージンがあって何でクーラーが搭載できなかったのか。
今回クーラーが搭載できたのは大日本印刷が開発した軽量断熱材を車体内部に貼り付けて、より軽量小型のクーラーで所定の性能が出せるようになったからです。その事実をこの回答では説明できません。
更に申せば空自のC-130Hはそのようなペイロードの状況をオープンにしています。であれば「手の内を明かしている」輸入装備、あるいはライセンス品を防衛省が採用するのはおかしな話でないでしょうか。
同じ輸送機でC-2秘密だが、C-130Hは公開している、では整合性がありません。
またC-2は輸出の営業をしていますが、商談する際にも相手側に「手の内はあかせません」と秘密にしてきたのでしょうか。
AMV について)
問
1 陸自の次期装輪装甲車(AMV)について、搭載されている無線機は、諸外国のデータ通信可能な無線機と異なり、音声通信、GPS、ショートメール機能しかないが、支障ないと考えているのか。
回答
○ 装輪装甲車(AMV)に搭載する車両用の広帯域多目的無線機は、主として師団以下の各部隊に装備し、指揮連絡を行うために使用する装備品です 。
○ この無線機は、ご指摘の音声通信、GPSやメールの送受のほか、一定の動画送信や自己位置共有等のデータ通信ができる仕様となっております。
○ 当該無線機の導入にあたり試験を通して部隊の運用に適することを確認して当該無線機の導入にあたり試験を通して部隊の運用に適することを確認していることから、AMVに搭載した際の運用には支障ないものと考えております。いることから、AMVに搭載した際の運用には支障ないものと考えております。
通信速度が他国の数分の一なのでまともな動画やデータは送れません。あくまで限定的なもので、おそらく空挺降下や対空、NBCなどの警告受信をいっているものではないでしょうか。
問
問22 陸自の陸自の共通戦術装輪車には、「10式戦車ネットワーク」が搭載される予定で共通戦術装輪車には、「10式戦車ネットワーク」が搭載される予定であるが、25年前に10式戦車用に開発されたシステムで現代戦に対応可能と考あるが、25年前に10式戦車用に開発されたシステムで現代戦に対応可能と考えているのか。
○ 御指摘の、「10式戦車等に搭載されて御指摘の、「10式戦車等に搭載されている指揮統制装置(所謂、10式戦車いる指揮統制装置(所謂、10式戦車ネットワーク)」の目的は、敵及び味方の情報を迅速に共有し、乗員の状況判ネットワーク)」の目的は、敵及び味方の情報を迅速に共有し、乗員の状況判断を支援するとともに、小隊~中隊規模で連携して火力・機動・防護を最大限断を支援するとともに、小隊~中隊規模で連携して火力・機動・防護を最大限に発揮することにあります。に発揮することにあります。
○ 共通戦術装輪車は、機動戦闘車等との連携した火力を発揮し、相手の部隊に機共通戦術装輪車は、機動戦闘車等との連携した火力を発揮し、相手の部隊に機動的に対処するために整備しており、「10式戦車ネットワーク」を搭載する動的に対処するために整備しており、「10式戦車ネットワーク」を搭載することにより、目的のためには、十分な機能を有していると考えております。とにより、目的のためには、十分な機能を有していると考えております。
○ なお、「10式戦車ネットワーク」は今後開発を予定している指揮統制システなお、「10式戦車ネットワーク」は今後開発を予定している指揮統制システムとの連接を考えておムとの連接を考えており、今後の戦闘環境の変化等にも対応していく考えです。り、今後の戦闘環境の変化等にも対応していく考えです。
25年前の技術のネットワークで問題ないそうです。
普通の国ではあり得ない話です。
■本日の市ヶ谷の噂■
防衛医大など防衛省衛生関連部署は「本日の市ヶ谷の噂」による暴露で恐慌状態、との噂。
Japan in Depthに以下の記事を寄稿しました。
「敵に手の内をさらさない」という防衛省、自衛隊の「敵」は国会と納税者か
https://japan-indepth.jp/?p=83101
新聞各紙 残念な防衛関連の未検証記事
https://japan-indepth.jp/?p=82844
日本の報道の自由度が低いのは記者クラブのせい
https://japan-indepth.jp/?p=82748
次期装輪装甲車、AMV採用を検証する その2 AMVのライセンス生産によって日本の装甲車事業は壊滅する
https://japan-indepth.jp/?p=81695
次期装輪装甲車、AMV採用を検証するその1
駿馬を駄馬に落とす陸自のAMV採用
https://japan-indepth.jp/?p=81667
東洋経済オンラインに以下の記事を寄稿しました。
航空専門医がいない空自に戦闘機開発はできない
やる気のある医官が次々に辞める自衛隊の内情
https://toyokeizai.net/articles/-/744651
月刊軍事研究4月号に陸自の18式防弾ベストに関する記事を寄稿しました。
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