傾国の官製脱税、『ふるさと納税』を廃止せよ。


これだけ防衛費大幅増が批判され、それをやるにしても年に4千億円も税金がだだ漏れしている官製脱税である「ふるさと納税」を廃止し、それを防衛費増の財源にしようという話はどこからも聞こえてきません。


なぜ「ふるさと納税」が国家の根幹に関わる大問題なのか/吉弘憲介氏(桃山学院大学経済学部教授)、三木義一氏(青山学院大学名誉教授)

https://news.yahoo.co.jp/articles/9feeba9f49efafa7b22036b6c45b75bf15978876

 年末商戦たけなわの師走。テレビではふるさと納税に関連したサービスのCMが盛んに流れている。

>利用者にしてみれば、自分が住む場所以外の自治体に「納税」すると、全体としての納税額は変わらないのに、肉だと魚だのといった各地の豪華な名産品が事実上ただで手に入る制度なので、これを利用しない手はない。しかも、これは他でもない、国が主催している制度なのだ。

>利用者は2008年の制度開始から年々増加の一途を辿り、その金額も2021年は8,302億円にのぼる。12月末が今年分のふるさと納税の締め切りとなるが、今年は総額が1兆円を越える勢いだそうだ。日本の年間防衛費が5兆円あまりであることを考えると、この金額がいかに莫大なものかがわかるだろう。

今年は税金のダダ漏れが昨年の4千億円を超えるのでしょう。

>その制度があまりにも堕落していて、しかも国家の根幹を揺るがしかねない重大な問題を孕んでいるとすれば、これを放置することはできない。

>ふるさと納税が国の根幹を揺るがす大問題を孕んでいると指摘するのは、桃山学院大学経済学部の吉弘憲介教授だ。吉弘氏は、ふるさと納税が未来のために使うはずだった税金が返礼品に消えている制度であることを理解する必要があると語る。

 >そもそも自分が住む自治体に税金を納めても何の返礼品ももらえないのに、他の地域に納めると豪華な商品が返ってくるという考え方自体が、根本的に間違っている。実は住民は自分が住む自治体からゴミの収集だの公立の小中学校の運営など、様々な「返礼品」を住民サービスという形で受け取っている。それらのサービスは住民税という財源によって支えられているので、住民税を別の自治体に払えば、居住地の住民サービスにはただ乗りすることになる。これは「応益負担・負担分任」と呼ばれる住民税の大原則に反する。


>住民税の納税額が多い人ほど多くの返礼品を受け取る権利を有していることに変わりはない。つまり、高額納税者=高所得者ほどこの制度のメリットを享受できる「垂直的不公平」という問題が内在しているのだ。本来、所得再分配の手段であるべき税が、この制度によって高所得者をより優遇する逆進性を伴っているということだ。


>ふるさと納税により税収が減ると文句を言っている自治体は、自分たちもふるさと納税を受け取れるように返礼品競争に参入すればいいではないかとの指摘もある。
>自治体間のサービス合戦になれば、サービスの質や内容を充実させるにはそれ相応のコストがかかるため、日本全体としての実質的な税の実入りは減少してしまう。
>元々住民税のパイは一定なので、この制度の下ではそれを自治体間で奪い合うことになる。しかも、ふるさと納税された「税金」は3割が返礼品に使われるほか、カラフルな返礼品カタログの作成やウエブサイトの運営などにも使われるため、実際は納められた税金の半分程度しか対象自治体の手元には残らない。

約半分が返礼品やカタログ、仲介業者、行政の事務費で消えます。ですから今年度は5千億円ほどの税収が減ることになります。


>そもそも「ふるさと納税」は、「税」の名が付いているが税金ではない。自分が住んでいるわけではない地域に住民税を納めさせることは、応益負担の原則に反するため法的に正当化することが困難だった。そのためふるさと納税は法律上は「寄付金」という位置づけになっている。
>その実態は税でも寄付でもない、人口の多い都市部から人口の少ない地方の自治体への歳入移転の手段に他ならない。ただし、それを実現するために税の基本原則を歪めた上に、寄付額の約半分が返礼品と運営費に消えるという対価を伴う。

 >ちなみに、ふるさと納税によって税収が減る自治体に対しては、基本的に減収額の75%が地方交付税交付金によって国から補填される仕組みになっている。これはふるさと納税の返礼品の原資の4分の3が、回りまわってわれわれが支払っている税金から出ていることを意味している。「基本的に」というのは、ふるさと納税の減収分が補填されるのは、地方交付税交付金受給自治体に限るため、東京都や川崎市などほんの一握りの黒字自治体は国から減収分の補填を受けることができず、ふるさと納税の流出による減収分は丸ごと歳入減になる。ただし、全国に1,724ある市町村のうち地方交付税交付金の交付を受けていない自治体は72にとどまり、都道府県では東京都をのぞく全ての自治体が交付を受けているので、ほとんどの自治体はふるさと納税による減収が生じても、その75%までは税金で補填を受けていることになる。
>そもそも返礼品を餌にしたこの制度は理念的に堕落している。しかも格差解消の手段としてはいたって無駄が多く効率が悪い。金持ち優遇の垂直的不公平という問題も孕んでいる。これらの問題点は当初から指摘されており、菅義偉前首相が総務相時代にこの制度を無理やり導入しようとした際、総務省には強く反対した幹部がいたが、菅氏は彼らをことごとく左遷したり別の部署に飛ばしたりすることで、制度の実施を政治主導で強行した。


>今やこの制度は740万人もの国民が利用しており、利用者数も年々増えている。
>これでは政治家もこの制度を廃止しろとは言いにくい。また、ふるさと納税を仲介したり、豪華返礼品を紹介するなどさまざまな派生サービスも立ち上がっており、テレビCMも盛んに流れているため、メディアが積極的にこの制度の問題点を指摘する動機は起きにくい。そのため結果的に国が実施している公的な制度としては税の基本原則に反し、著しく運営効率も悪い邪悪な制度が、そのまま生き残るばかりか、その規模は年々膨らむ一方だ。

>この制度の問題点を解消するためには、何をおいてもまず、返礼品制度を廃止するしかない。返礼品制度を廃止し、豪華返礼品目当てではなく、本当にふるさとを支援したいと考える人が、住民税の一部をそちらに回すことで、その分税金の控除を受けられる制度にすればいいだけのことだ。元々それが制度本来の趣旨でもあった。しかし、ここまで制度が膨らんでしまった今となっては、言い出しっぺであり問題のある制度の導入を自らの政治力で強行した菅前首相自身がその口火を切るか、もしくはこのまま制度が膨脹を続け、国家の根幹を揺るがすほどの大問題にならない限り、この制度をあらためるのは困難かもしれない。しかし、できればそうなる前に何とかしたいではないか。

 国の借金が1千兆円を超えて、それでも与党はばらまきをやめずに、野党も負けずとばらまきと消費税を減税しろと大合唱です。
 自民党安倍派や国防部会の議員は借金でいくらでも軍拡ができると能天気に主張しています。 今の日本は底に穴が空いた豪華客船みたいなものです。
 
それでどうやって国家財政の赤字を返していくのでしょうか。
 しかも我が国は消費高齢化で人口が減り、少ない労働力で多くの老齢者を支えないといけません。確実に10年前、20年前よりも国の借金を返していくのが難しくなっています。更に10年後20年後であればなおさらです。

 防衛費を増やす前におかしな支出を削り、合理化が必要です。そして増額するのであれば「ふるさと脱税」こと「ふるさと納税」を廃止してその分を当てるべきです。

◯Japan in Depth に以下の記事を寄稿しました。
自衛隊に当事者能力がないので、防衛費を上げても防衛は強化できない
https://japan-indepth.jp/?p=71442
■本日の市ヶ谷の噂■
陸自の次期装輪装甲車は大方の予想裏切り、大人の事情を排して、パトリアのAMVが三菱重工のMAVを破って採用。MAVは最も脅威度の高い環境で使用されるも、より脅威度の低い環境で使用されるAPCなどにより優秀な装甲車が使用され部隊関係者は複雑な心境、との噂。

これは数日前にツイッターで書きましたが。早ければ来週にも公表されるはずです。


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