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自衛隊制服はベトナム製で構わない
自衛隊制服は中国製で構わない
https://japan-indepth.jp/?p=40071
文谷数重の記事です。まさにお説の通りです。
陸自の制服は磐田幕僚長(当時)の鶴の一声できまりました。
>陸上自衛隊が制服を変更した。常装と呼ばれるスーツ型制服を緑色から黒に変更した。これらは儀礼や事務作業等で用いられる被服である。
>更新には長い時間を要するという。高額な国産品のため予算的に一挙更新できないからだ。また従来の緑色タイプも大量在庫している。無駄にしないためには一部の隊員にはそれを与えなければならない。
つまり、何年で更新するという「時間」という概念が陸幕にはないということです。
>別に中国製でも構わない。所詮は事務服である。海外製でも全く問題はない。より工賃が安いベトナムでもカンボジアでもバングラデシュ、北朝鮮で縫製しても構わない。むしろそうすべきである。自衛隊衣服はヨリ安価となる。防衛予算への負担も小さく、更新ペースも上がる。しかも工賃低下により工数も増やせる。縫製もヨリ丁寧となる。
実はもうベトナムの方が圧倒的にやすいので中国製である必要はありません。今や中国の会社も縫製工場をベトナムに移している時代です。更に申せばベトナム製品には特恵関税が適応されます。バックパックなどは関税がゼロです。
>自衛官には別に実戦用の被服がある。各種の戦闘服や作業服がそれだ。野戦や基地警備であれば迷彩の戦闘服を着用し、靴も陸戦靴になる。艦船や航空機の整備、物資輸送や土木工事では各種の作業服と安全用の靴となる。艦船のように火災対策が必要なら防火機能、電子整備なら静電加工、寒冷地なら防寒タイプの服を着る。
実はこれらも別にベトナムで生産すればいい。戦闘服なんて未だに世界でどこも使っていないビニロンを利権で使っているくらいです、ビニロンは色落ちが激しく、耐火性能も低い。有事で隊員が死傷することがわかっていても、OBの天下りなのかその他の大人の事情なのか二社寡占が続いています。繊維大手で、アラミド繊維世界二位で、米軍の戦闘服の素材を提供している帝人ですら市場に参入できない。
戦闘用被服、個人装備もベトナム製で構わないでしょう。ミステリーランチなど世界の軍用装備のメーカーやアウトドアメーカーの多くはベトナムで生産しています。日本製が「高性能」というのは異世界転生ラノベクラスのファンタジーです。
海外で生産したより優れた装備を、安価に調達すべきです。例えば調達コストが2割で済めば、1万着必要として、もう一万着を発注しておけば有事の備蓄対応は可能です。更に申せば陸自は編成数しか装備を買わないので、予備を買うと意識が低い。戦時用の備蓄を行い、更に調達コストが下げられるのであれば海外製に以降すべきです。
国内産業がー、とかいう人がいますが今や日本の被服は98%が輸入です。戦時に自衛隊の被服や装備を量産できる余裕もありません。戦時増産もこれまたは異世界転生ラノベクラスのファンタジーです。
それに装備を自国で作っていない国は少なくないです。だからこそ、国債軍事見本市ではそういう企業が受注のために出展しているわけです。
問題はこういうファンタジーというか愛国ポルノを国防族のセンセイ方まで信じ込んでいるわけです。
>官給制服は「安かろう悪かろう」だ。アイロンの持ちは悪く、生地は限りなく薄く下着の柄が透ける、通気性は悪く、儀式前には毛羽立ちの始末が求められる。
だから制服を常用する幹部は私物を買う。自由経済で作られる私物服は最高だ。ノーアイロン、自宅洗濯機で水洗い可能、ズボンはツータック・アジャスター付、しかも下着透視対策の極薄ナイロンの内張りがある。また機能繊維で通気性が高く、高級長繊維なので毛羽も立たない。
非戦闘被服ですらこれです。日本のメーカーは口を開けていれば利益が入る構造で品質を良くしようとかこれっぽっちも思っていません。であれば海外のメーカーに発注すべきです。
>海外製採用への反論としてはスパイが持ち出される。「中国製を採用すると中国スパイが紛れ込む」意見だ。自衛隊のやることをはすべて無批判にヨイショするカルト愛国メディアに多い。亜流としては「納棺服となるから日本製」「日本縫製でなければ気品は出ない」といったオカルト発言もある。
>出入門チェックは制服ではない。身分証明書やそのICタグで行われる。チェックされるのは服装の乱れだ。それも若手下士官や兵隊が制服・私服で通門する際に、しつけ名目に半分嫌がらせで観るだけだ。
>その上でいえば今でも海外縫製品は普及している。
>私物制服はおそらく海外縫製である。ごく一部、例えば横須賀の銘店、安藤洋服店のさらに英国生地を使った手縫い品でもなければそうだろう。それ以外の制服店なら青山やコナカと同じ工場と見ている。なんせ青山やコナカでかったズボンを実混用してもわからない。
>米軍向けや英軍向けをそのまま着ている自衛官もいる。例えば、海自の夏制服でボタンが透明なタイプは米海軍用の制服である。どうやってもアイロンがかからないほど素晴らしいノーアイロンである。また陸海空とも肩章ワイシャツや肩章セーターはその手が多い。米英ほかの軍隊採用品をそのまま着ている。
>この状況で「国産制服でなければスパイが紛れ込む」は馬鹿な話である。
>ちなみに、国産制服にしてもスパイは紛れ込める。制服仕様は公開されている。どこでも作れるし誰でも買える。これは戦前からそうだ。「海軍省にコスプレしたマニアが室内まで入り込んだ。でも何の実害もなかった」といった笑い話があった。国産制服でも結局は同じなのだ。
実際に過去、マニアが市ヶ谷の指揮通信所の手前まで侵入して捕まったことがあります。彼は悪気はなく、敬礼すれば通してくれた、とのことでした。
そうはいっても官品は役所仕事で発注されるのでどうしても品質や性能に問題があることがあります。あるいは最新の技術や素材が使われないこともある。その場合は個々の隊員が自費で買えばいい。
クズのような品質で、値段だけは高く、使われもしないで返納される官品を調達するのはやめて、安価で高品質な海外製に切り替えて、浮いたかねで隊員が私物で調達した場合、一定金額、例えば一人3万円とかを領収書と引き換えに支払うようなシステムがよろしいかと思います。
現状陸自などでは必要な装備を支給してなく、隊員が仕方なく私物を購入することも少なくないです。レンジャー教官出身の中谷大臣にはぜひ、個人の被服や装備の調達改革に乗り出して欲しいものです。
もっとも被服は伏魔殿で改善を云うと、殺害予告や嫌がらせが来るそうです。完全な利権の温床で、だから危なくて大手防衛商社は需品に手を出さないレベルです。
であれば完全に調達を海外に移してしまったほうがいいかもしれません。クズやごろつきを税金を使って食わせる必要はありません。
制服は戦死した場合の死に装束だから、国産でないと士気がさがるという主張もありますが、単なる情緒です。では航空機が墜落するならそこが棺桶になるわけですが、外国製のF-35だと成仏できないのでしょうか?
少なくともぼくの知る限りそんな主張をしている自衛官は知りませんが、いてもかなり奇特でしょう。
それにクズのようなような国産制服を調達することで、予算が足りずに戦闘用装備を削っている現状が問題だし、そもそも死なないようにするための衛生を全く軽視している現状でそんなことを主張することは噴飯ものです。
それから特別儀仗隊の小銃もわざわざ豊和工業に作らせています。価格は一丁あたり、64万8千円もします。こんなもの、輸入でいいでしょう。まともに輸入すれば10万円ほどでしょう。もっともその値段の狙撃銃を120万円以上、しかもサビの浮いたものを調達しているのが陸上自衛隊という組織です。当事者能力が欠如しているのですから、値段だけを決めて外部に丸投げしたほうがいいです。
この手の利権をどうにかできない役所が、8兆円とか10兆円とか増やしてもまともに使えるわけがないでしょう。
衛生もまともにやる気がない、隊員が戦闘で死傷することを想定していない組織ですから、であればタナカあたりのモデルガンのKar98とか38式でもいいでしょう。それなれば大好きな国産品です。
■本日の市ケ谷の噂■
陸幕は手榴弾ポーチを、エリート部隊と全普通科部隊に支給しているというが、水陸機動団ですら手榴弾の投擲訓練はするも演習でつかったことがない、手榴弾ポーチ?なんですか、それ?という隊員ばかり、との噂。
写真:防衛省
財政制度分科会(令和6年10月28日開催)資料
防衛
https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/proceedings/material/zaiseia20241028/01.pdf
防衛(参考資料)
https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/proceedings/material/zaiseia20241028/03.pdf
財政制度分科会(令和6年10月28日開催)資料
防衛
https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/proceedings/material/zaiseia20241028/01.pdf
防衛(参考資料)
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Japan in Depthに以下の記事を寄稿しました。
日本の装甲車事業は日本製鋼所と防衛省が潰す
https://japan-indepth.jp/?p=86042
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Japan in Depthに以下の記事を寄稿しました。
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https://japan-indepth.jp/?p=85525
月刊「紙の爆弾」12月号に以下の記事を寄稿しました。
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
紙の爆弾 2024年12月号 [雑誌] - 鹿砦社
Merkmal(メルクマール)に以下の記事を寄稿しました。
自衛隊「職務中の死亡事故」はなぜ止まらないのか?4月のヘリ墜落で8人死亡、背後に潜む人災の実態とは
https://merkmal-biz.jp/post/77927
Japan in depthに以下の記事を寄稿しました。
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https://japan-indepth.jp/?p=84903
Merkmal(メルクマール)に以下の記事を寄稿しました。
航空自衛隊のT-7後継機取得 「官製談合」疑惑が再燃するなか、透明な入札は実現できるのか?
https://merkmal-biz.jp/post/77504/2
東洋経済オンラインに以下の記事を寄稿しました。
「自衛隊員の手榴弾事故」現状の対策は不十分な訳
旧式の危険な手榴弾が訓練でも使用されている
https://toyokeizai.net/articles/-/831217
Merkmal(メルクマール)に以下の記事を寄稿しました。
率直に言う 陸上自衛隊の戦車は「全廃」すべきだ
https://merkmal-biz.jp/post/77045
「石破首相 = 軍事オタク」は本当か? 防衛知識ゼロの他政治家が国を守れるのか? 石破氏を長年知るジャーナリストが“真実”を語る
https://merkmal-biz.jp/post/76790
月刊軍事研究に「ユーロサトリでみた最新MBTの方向性」を寄稿しました。

軍事研究 2024年 11 月号 [雑誌]
Japan In Depthに以下の記事を寄稿しました。
防衛省、ベトナムに「資材運搬車」を提供
https://japan-indepth.jp/?p=84403
「軍オタ」が歪める防衛議論(前編
https://japan-indepth.jp/?p=84282
軍オタが歪める防衛議論(後編)
https://japan-indepth.jp/?p=84315
European Security & Defenceに寄稿しました。
https://euro-sd.com/2024/09/major-news/40266/jgsdf-calls-for-numerous-afvs/
東京新聞にコメントしました。
兵器向け部品の値段「見積り高めでも通る」 防衛予算増額で受注業者の利益かさ上げ 「ばらまき」と指摘も
https://www.tokyo-np.co.jp/article/352551
月刊ZAITENに寄稿しました。
https://www.zaiten.co.jp/latest/
東洋経済オンラインに以下の記事を寄稿しました。
海上自衛隊の潜水艦メーカーは2社も必要あるか川重の裏金問題で注目される潜水艦の実態
https://toyokeizai.net/articles/-/774627
Japan in Depthに以下の記事を寄稿しました。
「敵に手の内をさらさない」という防衛省、自衛隊の「敵」は国会と納税者か
https://japan-indepth.jp/?p=83101
新聞各紙 残念な防衛関連の未検証記事
https://japan-indepth.jp/?p=82844
日本の報道の自由度が低いのは記者クラブのせい
https://japan-indepth.jp/?p=82748
次期装輪装甲車、AMV採用を検証する その2 AMVのライセンス生産によって日本の装甲車事業は壊滅する
https://japan-indepth.jp/?p=81695
次期装輪装甲車、AMV採用を検証するその1
駿馬を駄馬に落とす陸自のAMV採用
https://japan-indepth.jp/?p=81667
東洋経済オンラインに以下の記事を寄稿しました。
航空専門医がいない空自に戦闘機開発はできない
やる気のある医官が次々に辞める自衛隊の内情
https://toyokeizai.net/articles/-/744651
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