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岸田政権の大軍拡は安倍晋三の亡霊


何度もご案内ですが防衛費GDP比2パーセントとは安倍晋三がぶち上げたわけです。
ですが、NATO並みと言いつつ、算定基準をそれまでの日本の基準か、NATOの基準かと決めてもいませんでした。本来NATO並というならばNATO基準を採用すべきでした。ですがそれも決めずに、自民党はGDP2パーセントを選挙公約にしたわけです。令和新選組や維新の会ならともかく(笑)、政権与党がこんないい加減なことやっていたわけです。
https://digital.asahi.com/articles/ASQ625JQKQ62UTFK00G.html

安倍晋三はアベノミクスの失敗で権力失墜を恐れたのでしょう。だから首相の座を菅義偉に禅譲して逃げて、その後「日本が危ない!軍事費いっぱい使うんだ」といって、危機を煽って、それに対応できる「強い指導者」という「設定」にしたわけです。

それが証拠に大事なのは2パーセントという金額で、中身はあとから決めればいいとしていました。どんな脅威があって、それに同対処するのかも全く説明ががありません。はじめに金額ありきです。金額上げてから使い方を決めればいいといってた。馬鹿なネトウヨを騙すのは単純な方がよかったのでしょう。端っから何が必要かと言う議論から逃げるためでもあったでしょう。議論をすると色々と問題点を突っ込まれるからです。


その尻馬に乗ったのが防衛研究所の高橋杉雄防衛政策研究室長です。彼の主張は安倍晋三と同じで、金額ありきでした。

これが軍事の専門家集団のシンクタンクの「偉い人」ですから、程度が知れます。
https://www.sankei.com/article/20221005-UY3DZDZKHROVRBFEMYJHRZ7QKY/

>防衛費を国内総生産(GDP)比2%へと5兆円増額することに、財源不足を理由に慎重論があることに対しては「抑止が破れて有事になれば国債市場などは破壊的な影響を受ける。いま防衛費を増やして有事を抑止することこそ財政破綻を避けるために必要」と訴えた。

まるで大本営参謀みたいな威勢のいい話です。日本の安全保障の権威を自称する高橋さんはソ連という国がどうやって崩壊したのかご存知ないのでしょう。

今でさえ前の戦争末期以上の国家の財政赤字があるわけで、更に国力を削って軍拡しても長続きしない。マラソンを短距離競走のペースで走るようなものです。本来経済成長に向けるべきリソースを乗数効果がない軍事で、食いつぶして財政赤字を拡大すれば国力は更に弱くなるし、戦時になってどこの国がそんな国の債券を買ってくれますか。

率直に申し上げてこの程度が男が幹部になれるのが防衛研究所です。もしかすると高橋さんも重々承知しているのかもれないが、あえて最大派閥の清和会の走狗となって美味しい目にあおうという魂胆かも知れません。出世してNSCあたりに横滑りとか考えているのかもしれません。それはそれでプロとして職業人として失格です。


役に立たない防衛研究所なんて潰して中立な第三者機関的なシンクタンクを作ったほうがいいのではないでしょうか。

看板政策、財源あいまい 防衛力強化・少子化対策 首相、苦しい答弁
https://digital.asahi.com/articles/DA3S15803560.html


>立憲民主党の辻元清美氏は、円安や物価高が防衛装備品の価格上昇に影響していることを追及した。

>政府は昨年末に決定した防衛力整備計画などで、歳出改革や増税などにより2023~27年度の5年間の防衛費を従来の1・5倍の43兆円に増やすと決めた。辻元氏は、計画策定時は1ドル=108円で試算していたが、現在は約150円と円安が進んでいることに触れ、「誰が見ても43兆円を突破する」と指摘。首相は「43兆円は閣議決定した数字だ。この範囲内で防衛力を強化していく」と説明した。

当時のレートは130円代後半でした。普通に海外相手に商売している人間からずれば、108円なんてレートは相当頭の悪い奴がつくったとしか思えません。日銀の金融緩和、財政赤字の歯止めない拡大、少子高齢化で国内市場の縮小と、社会保障費の増大。どれをとっても円高になる要素はありません。

つまりは当事者能力の無い人間が机上の空論を騙っていたわけです。そして国際的にみて割高、他国の3~10倍も高い装備調達の改善も全く求めていなかった。

>個別の装備品の価格をめぐる議論もあった。政府側の答弁によると、輸送ヘリ「CH47」の調達価格は、従来の整備計画では1機あたり76億円だったが、来年度当初予算案の概算要求では約2~3倍の185億~216億円に。敵のミサイルを迎撃する「イージス・システム搭載艦」2隻の建造費も、約4千億円から1・5倍の約6千億円に膨らんだ。

そもそもライセンス生産品はオリジナルに比べて高いわけです。そして例に上がっているヘリは将来に我が国のヘリ産業が振興するわけもなくただただ税金を突っ込んでいるだけです。そのリーンな製造ラインを拡大するのであればなおさら金がかかります。CH-47も韓国が昨年調達したのは約100億円ですよ。

ヘリの国産をやめて、コンポーネント一定比率生産を引き受ける方、あるいはボーイングやシコルスキーに工場を作ってもらってアジア向けの製品の生産と整備を日本でやってもらうとかのほうが現実的です。

そして「イージス・システム搭載艦」も何度も書いていますが戦闘能力は低く、アップデートのための費用も莫大にかかって自衛隊を弱体化するだけです。直ちに計画を中止すべきです。

>辻元氏は「(43兆円の範囲内で)装備品を減らすか、全部買うんだったら増税するか。どっちかしかない」と迫った。

これは違います。ご案内のように高い調達コスト、当事者能力欠如の調達システムの見直しをすべきですよ。10万円の狙撃銃を120万円で調達するようなふざけたシステムを正すべきです。

>首相は審議を通して「防衛力整備の効率化、合理化を徹底する」などと繰り返し、「大増税が待っているとの指摘は当たらない」と反論。これまで「43兆円」について「現実的なシミュレーションを行って必要とされる防衛力の内容を積み上げた」と強調してきただけに、装備品の調達数量を減らすことにも言及しなかった。

 「防衛力整備の効率化、合理化を徹底する」のであれば、調達数、調達期間、総額を明示して国会で承認するという他国で普通にやっている調達システムをまず導入すべきです。それすらしていない。他国の何倍、一桁高い装備を平然と調達している。それを改めるつもりも全くない。

C-2にしても以前から他国の数倍の調達コスト、5倍から7倍というふざけた維持費です。それを漫然と続けているわけです。空自はどんな用途でどのような目的でC-2を使うのかも明らかにしません。そしてC-130Hも老朽化を放置し、C-1で行っていた少量輸送をどうするかも説明していない。単にC-2を買うこと自体が目的家しているようにしか思えません。それは空軍じゃないだろう。

しかも空幕は未だにC-2のペイロードは36トンとか寝言を言っている。いい加減に嘘をついて納税者を騙すのはやめて欲しい。

本当にC-2でしか運べないものがあるのか、C-2では大きすぎて使えない、コストがかかりすぎることがあるのではないか。であれば、輸送機のポートフォリオを見直して、より調達単価と運用コストの安い機体を整備するべきではないか。


どのような目的で使うか分かれば、C-2を買う邪魔が入らないように、輸送機のポートフォリオに対する議論もできるがそれを避けてきたのでしょう。

前から申し上げているに、金食い無視で将来的に大型機をつくることないのに国産機の調達を続けるべきではない。

P-1も同様に高調達単価、高維持費です。機体もエンジンも専門という馬鹿な選択をしたから当然です。ぼくの主張するようにP-3Cの延命・近代化をしていればもっと低コストで哨戒機を維持できたでしょう。まさに、そらみたことか、です。
またもっと早く無人機の取得に力を入れていれば、P-1の調達数を減らすことができたでしょう。そういう努力をしようとしない。


そして空自海自はこのクソ高い機体をベースに電子戦機を合わせて10機以上調達します。
これをMRJで行っていればより低コストでMRJのプロジェクトも延命できたでしょう。
また米軍のようにガルフストリームや他の旅客機や輸送機を転用すれば、相当調達運用コストを下げることができたでしょう。空海で同じプラットフォームを採用すればなおさらです。そういう努力をせずに「国産の玩具が欲しい」と駄々を捏ねてきた。

 そして防衛費増額のための財源すら示せません。「ふるさと脱税」こと「ふるさと納税」やめりゃ5千億円は浮くのですが、それすらできない。
 
 本気で軍拡が必要不可欠であるならば、社会保障費、特に高齢者向けのサービスに手を付けるべきですが、それもやらない。全く効果がない湿布を保険対象からはず事すらできません。それ例えば生活保護の医療費無料も見直すべきです。例えば月額1万円上げても医療費を3割負担にすべきです。

 本当に国防が喫緊の課題で、国の存亡がかかっているのであれば、社会保障費の見直しが大変でもできるわけです。ですがそれができない、やらない。
そもそも大軍拡は安倍晋三の権力欲のための与太話ですから、官僚も真面目に仕事はしないでしょう。
殺された、権力亡者の亡霊に取り憑かれて軍拡をするというのは大変愚かだと思います。

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