航空自衛隊時期初等練習機選定は審査が僅か一ヶ月で試乗もなし。
防衛省は11月29日、航空自衛隊の現用の初等練習機T-7の後継として米国のテキストロン・アビエーション・デフェンス社のT-6を選定したと発表しました。選定された機体は妥当だが、選定プロセスには大きな疑惑が残ります。
先に述べたように今回の選定課程には疑問が残ります。提案要求書(RfP)の要求が本年8月で、本年2月に企業に説明会があったものの提出期限が本年10月15日と極めて短い。しかもその後選定決定は11月末であり、1.5ヶ月、実質1ヶ月しか選定期間がなく、試乗も行わなかった。事実上書類審査で決定されたといっていいでしょう。これは空軍の練習機選定としては極めて異例で、このような拙速かつ、いい加減な調達を行なっている軍隊はない。
ただT-6に関しては同盟国の米空軍でも使用されており、航空自衛隊のパイロットも多く搭乗した経験がある。このためはじめからT-6選定が決定していたと疑われてもしかたないでしょう。例えば米国から何らかの圧力があったとか。
まったく空自が試乗すらしたことのないHurkusが選定される可能性はあったのでしょうかね?
実はブリーフィングで試乗について質問があり、その時後ろに控えていた空幕の制服がブリーファーに我々は米国でT-6に乗った経験がありますというような話を耳打ちしていました。最前列に座っていたので聞こえたのですが、その件を質するとブリーファーは今のは雑音です、私が代表して答えている回答だけを聞いて下さい、みたいな話をされました。
いや、そこは制服組に話をさせるべきでしょう。
しかもその後に、T-6の搭載エンジンに関する質問があったのですが、ブリーファーは答えられなく、控えていた制服、背広組も知らなかった。よほどぼくは「プラット・アンド・ホイットニー・カナダ製のエンジンですよ」と教えて上げようとか思いましたが、音なので黙っていました。
航空機の調達のブリーフィングで搭載エンジンすら把握していないことは大変問題だと思います。
そもそもすでに何度もご案内のように現用T-7の採用は組織的な官製談合が疑われた可能性があります。航空自衛隊の調達は怪しい、本命はすでにきまっているとなれば今後海外のメーカーが入札に応じてれなくなります。
それは防衛省だけではなく日本政府の評判を落とすことにもなります。
財政制度分科会(令和6年10月28日開催)資料
防衛
https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/proceedings/material/zaiseia20241028/01.pdf
防衛(参考資料)
https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/proceedings/material/zaiseia20241028/03.pdf
月刊「紙の爆弾」12月号に以下の記事を寄稿しました。
税金を浪費して欠陥機を導入防衛費「GDP比2%」無駄遣いの全実態
紙の爆弾 2024年12月号 [雑誌] - 鹿砦社
Merkmal(メルクマール)に以下の記事を寄稿しました。
自衛隊「職務中の死亡事故」はなぜ止まらないのか?4月のヘリ墜落で8人死亡、背後に潜む人災の実態とは
https://merkmal-biz.jp/post/77927
Japan in depthに以下の記事を寄稿しました。
新聞テレビが報じない自民党の防衛費GDP比2パーセント公約の撤回
https://japan-indepth.jp/?p=84903
Merkmal(メルクマール)に以下の記事を寄稿しました。
航空自衛隊のT-7後継機取得 「官製談合」疑惑が再燃するなか、透明な入札は実現できるのか?
https://merkmal-biz.jp/post/77504/2
東洋経済オンラインに以下の記事を寄稿しました。
「自衛隊員の手榴弾事故」現状の対策は不十分な訳
旧式の危険な手榴弾が訓練でも使用されている
https://toyokeizai.net/articles/-/831217
Merkmal(メルクマール)に以下の記事を寄稿しました。
率直に言う 陸上自衛隊の戦車は「全廃」すべきだ
https://merkmal-biz.jp/post/77045
「石破首相 = 軍事オタク」は本当か? 防衛知識ゼロの他政治家が国を守れるのか? 石破氏を長年知るジャーナリストが“真実”を語る
https://merkmal-biz.jp/post/76790
月刊軍事研究に「ユーロサトリでみた最新MBTの方向性」を寄稿しました。
軍事研究 2024年 11 月号 [雑誌]
Japan In Depthに以下の記事を寄稿しました。
防衛省、ベトナムに「資材運搬車」を提供
https://japan-indepth.jp/?p=84403
「軍オタ」が歪める防衛議論(前編
https://japan-indepth.jp/?p=84282
軍オタが歪める防衛議論(後編)
https://japan-indepth.jp/?p=84315
European Security & Defenceに寄稿しました。
https://euro-sd.com/2024/09/major-news/40266/jgsdf-calls-for-numerous-afvs/
東京新聞にコメントしました。
兵器向け部品の値段「見積り高めでも通る」 防衛予算増額で受注業者の利益かさ上げ 「ばらまき」と指摘も
https://www.tokyo-np.co.jp/article/352551
月刊ZAITENに寄稿しました。
https://www.zaiten.co.jp/latest/
東洋経済オンラインに以下の記事を寄稿しました。
海上自衛隊の潜水艦メーカーは2社も必要あるか川重の裏金問題で注目される潜水艦の実態
https://toyokeizai.net/articles/-/774627
月刊軍事研究8月号に防衛省、自衛隊に航空医学の専門医がいないことを書きました。
軍事研究 2024年 08 月号 [雑誌]
Japan in Depthに以下の記事を寄稿しました。
「敵に手の内をさらさない」という防衛省、自衛隊の「敵」は国会と納税者か
https://japan-indepth.jp/?p=83101
新聞各紙 残念な防衛関連の未検証記事
https://japan-indepth.jp/?p=82844
日本の報道の自由度が低いのは記者クラブのせい
https://japan-indepth.jp/?p=82748
次期装輪装甲車、AMV採用を検証する その2 AMVのライセンス生産によって日本の装甲車事業は壊滅する
https://japan-indepth.jp/?p=81695
次期装輪装甲車、AMV採用を検証するその1
駿馬を駄馬に落とす陸自のAMV採用
https://japan-indepth.jp/?p=81667
東洋経済オンラインに以下の記事を寄稿しました。
航空専門医がいない空自に戦闘機開発はできない
やる気のある医官が次々に辞める自衛隊の内情
https://toyokeizai.net/articles/-/744651
ここから先は
¥ 300
Amazonギフトカード5,000円分が当たる
この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?