ラボという名の落語
林家彦いち師匠の「彦いちラボ」という落語会に行ってきました!安定の面白さと、創作落語のテーマ設定の可笑しさが引き立つ、目が離せない方です。
いわゆるマクラといわれる、演目前のつかみのような延長線上で、7割ぐらいを占める落語会です。
結婚式に出席されて、参列者たちとの絡みやその様子を、三谷幸喜の映画のように語るのは、ドタバタしててすんごいワクワク。寄席で自分が休みなのに「待ってました!」は、実に落語的なレトリックで何度聴いても笑えるw
会話しているような高座からナニカを手繰り寄せる
マクラは、客の反応をみて最適解の演目をチョイスする、マーケティングの役割を果たしていると誰がおっしゃってました。なるほど!
彦いち師匠のラボでのマクラ的なお話は、本題だとされる演目のためというより、ナニカをダレカから引き出そうとしている、勝手ながらの印象がある。ダレカとは、語り手であり、聴き手であり、その他の誰かだったりする。
ワタシの妄想に近いですが、コトバにするとそんな雰囲気だ。
アウトプットとしては、創作落語になっていくのだけど、そのプロセスの公開版がこの彦いちラボの会なんじゃないかなって。コレも勝手なワタシの意味づけ。
なので、マーケティングというより、ブレストのような会話から、発展してくるテーマを見つけ出そうと、お客といっしょにしてるようにも感じるのです。
ヒアリングではなくリスニングだし、定量的笑いというより定性的笑いを、探索してると思う。
彦いちさんもおっしゃってましたが、一見するとムダというか、近況をネタにしているだけに聞こえる。そんなお話の山から、お客と共鳴し、新たな新作の大山が出来上がっていくのかと。
彦いち師匠の新作のテーマ設定が、これまた絶妙なので、今度綴ってみたいと思います。