あたらしい可能性を共につくる対話⑥「呼びかけ」をしよう
こちらは、対話ついてのシリーズ投稿です。対話的アプローチの中でも、ホールシステムアプローチの運用が前提とされていること、また、あくまで私の実践経験からのメモであることに留意してもらえると幸いです。
シリーズをまだご覧になっていない方は、そちらを先に読んで頂くと、この記事が役にたつかもしれません。
今回は「どのように、参加者を大切な話し合いの中へとお誘いしていけばいいか」について考えていきます。
なぜ今/なんのための話し合いなのか?
そもそも大切な話し合いの場とは、みんなで作りあげていくキャンプファイアのようなものです。火がなければ、それは始まりません。
それと同じように、話し合いの冒頭には、そもそもなぜ今、何のために、この話し合いをしたいのか(動機や目的)を共有する必要があります。それによって、「ああ、これはいま必要な話だ」「私の力が必要なんだ」という好奇心をくすぐり、探求へと参加者を招き入れます。
そこに納得感がなければ、参加者のプロジェクトや場への信頼は失われ、継続しづらくなります。ひいては「話し合い」そのものへの信頼もなくなってきます。
ニーズや目的をどう語り出すかということも、「これが正解」と言うものはありませんが、具体例をひとつ紹介します。私と一緒に学んでくださっている人が書いたものです。あまりに具体的なところなど一部改変しています。
具体例
とある地域における、公設のまちづくり会社での会議において、その発起人の方が書いたものです。
私がこれまで経験した中では、こんな要素があると機能しやすいようです。
①【なぜ今なのか?】抽象的で聞こえの良い言葉だけでなく、誰のどんな切実さによってこの話し合いは立ち上がったのか。背景となるエピソード、ここに至るまでの経緯がある。
②【なんのために?】どのようなことを実現したいのか。どんなパターンを乗り越えていきたいのか。そのために、どんなことを一緒にやりたいのか。
呼びかけをしよう
このような「方向づけ」をすることなしには、いい話し合いは成立しづらくなります。招かれた人たちに出席してもらうだけではなく、参加をしてもらいましょう。
そのために、上記の文章は2通りの使われ方をしています。
ひとつは、「招待状」。そもそも「この場に集まる人は、呼びかけに応えて自分の意思で参加をしている人である」という状況をつくる必要があります。「なんとなく来て」という誘いは、当然、「なんとなく呼ばれたから来ました」という、悪い意味で緊張感のない場になってしまいます。
もう一つは、いわゆる「当日のあいさつ」。まずはその場を立ち上げるにあたって、思いを持っている人(たち)がみんなの前に堂々と立って、呼びかける。熱いお呼びかけを聞くと、人はつい「私が必要とされている感じがする。何か話してみたい。学びたい、貢献したい」と思ってしまうものです。
こういったことを「呼びかけ」と言います。それをチームとして練り上げていくことが、対話の場を作り出すために重要なプロセスです。私の場合、このプロセスには、3ヶ月ほどの時間がかかります。なぜなら、それは、ただかっこいい原稿を作ることではなく、チームが「あーじゃないこーじゃない」「これだ!」と自分たちでメッセージを練り上げて、より力強いつながりを育てていく過程だからです。
ちなみに、「呼びかける」の反対語は、私は「巻き込む」だと思っています。相手が自分の内なる意思から参加しているのか、それとも外側からの強制力によって出席させられているのかでは180度違うからです。
もっと詳しくはこちらで書いているので、よかったらご覧ください。
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