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まちづくりおじさんvs若者問題|山・里・街づくりのプロに聞いたら、やさしい時間が流れた②【ちか旅オンライン】
この記事は、前回からの続きです。
そして話し合いの幕が上がった・・
六本木さんがご自身の失敗体験に基づいて、ステキな問題提起をしてくださったところで、さまざまな世代の24人の対話が始まりました。
毎度、ちか旅のおもしろいのはこのパートです。いくつもの視点がまざり合わさる、答えのない話し合い。
すべてをここに残すことはできないのですが、一部シェアします。
ぜひ場面を想像しながら、多様な響きを楽しんでください。
大人は、若者を自分の利害のために利用していることがあるじゃないですかあ!
でも、六本木さんのように、ご自身が先頭に立っていたのに、私たちのような若者にバトンを渡して、応援してくれる大人がいて感激。自分へのエールな気がした。
若者を乾電池扱いする大人がいるというけれど、そんな大人ばかりではないですよ。
全ての大人がそうだとは言わないが、「若者のエネルギーや発想力を借りたい」「自分のいいところを見せたい」という人が多く、まごころから「若者を育てる」と言うことはあまり重視されていない事は多いんじゃないですか。
自分が大人として、今の若者を見るとき、消極的なイメージがある。自分が若かった頃は、大阪から船で大勢の若者が北海道に行って学んだが、もっと議論していた記憶がある。
大人としては、自分なりの経験はあるけれど、考えが凝り固まってきてしまっているのを感じることがある。
答えを示してくる大人よりも、「自分だって迷ってんだよ」という風に手探りできる人の方が、自分は嬉しいです。
教師をやっている自分からすると、そう言った(六本木さんのような)大きなスケールでのチャレンジをしたがる生徒がいたときにどうするかと考えさせられた。
自分は50代半ばの教師だが、こんな元気をもらえる若者っているんだ。明日からの仕事もっと頑張らなきゃ。自分が若い先生の芽を潰していないか心配になった。
「若者とオトナ」という構図を上から眺める
話が進むにつれて、より俯瞰したコメントが増えてきたようでした。
それぞれのポジションで、正しさを持っているために、歩み寄れないことが多くて、残念に思う。
今回少し起きたように、起こるべき対立が起きるようにするのがいいと思った。ぶつかり合うからこそ、新しいものが生まれる。
そもそも「若者」って、なんですか。まだ答えのないものを探求する人なんじゃないですか。だから、年齢は関係ないのでは。
オンラインかつグループに分かれるため、すべての声や場全体の雰囲気を、私たちはリアルほどに聞くことはできません。
ただ、残されたテキストを見るに、どこからか、やさしい時間が流れたようでした。
相手のことを信頼しないと、相手とはぶつかることができない。お互いから学ぼうとする勇気と敬意があるからこそ、もの申せるのでは。
思えば、私たちは、意見の対立を避けがちではないか。表向きは仲良くして、影ではお互いの悪口を言い合う。根っこで分断されているというのは、大きな損失だと思う。
「私は、大人は自分の利害しか考えていないと思います」という率直に感じていることを、まずはテーブルの上にあげられる、安全な環境づくりが大事だと思った。
安全な場だからこそ、危険なことを言える。反対意見を言うとほんとうに身の危険があると思うと、忖度して言わない。それで、その意見はそもそもなかったことになる。
こんな風に、私たちは決まった答えのないモヤモヤ(ムラムラ?)を持って、帰路につくことにしました。
なぜ今「ちか旅」をするの?
毎回、ちか旅の必要性を、みんなで言語化をしています。今回は、こんなコメントがありました。
ランダムなんだけれども、質の高い「ご縁」があるのがいい。初めましてなんだけれども、リアルにつながれる感じ。
久しぶりに「自分の意見」以外の声、「ゴールを決めない会話」みたいなことができて新鮮な気分になれました。他人の心と心を旅した気分。
少人数のトークルーム、席替えしたあと最初のグループに戻ったとき、・・さんが「もうすでにホームにもどった感じだよね。安心する(笑)」といっていたのが印象的。
初めて参加して、「こういうつながり方ってあるんだな」と思った。自分の世代は飲み会でつながることが多かった。
普段の職場の関係性は希薄で、たしかに「顔は見えている」のだけれども、いざというときに助けあえない。でも、オンラインでも、こういう風に話すと、質の高いつながりのが作れるというのは発見でした。
ちか旅が日常の中にあれば、相談相手が増えると思った。いろいろな視点に触れられる機会になる。画一的なアドバイスではないところがいい。
「ちか旅」は、日常会話では聞けない、他者の年表や思いを聞くことが出来るので、自分にとっては心地よい時間です。学生や社会人なりたての人が生き方に迷った時に、「ちか旅」を通して「こんな生き方もある」と知ることが出来るのは魅力だと思ってます。
ちか旅の意義については、表現するのが難しい。何が起こるか予想できないし、同じ話を聞いていても、それぞれに感じることも得ることも違う。そういうワカラナイモノとの出会いが「旅」かなぁと思う。逆に、言語化できるならネットの記事にしてしまえばそれで終わってしまう。超高度に情報化しているから、大体のことが言語化されてネットで調べればわかってしまうけど、人の人生は情報化(言語化)できないから、明確に位置づける必要もないのかもしれない。そして、それが新しい価値になるのかも。
言葉にできないモヤモヤ・ムラムラ感があって言語化できないところがあるんですが、何か中毒性があるので来週も行きたいです。
雑な二次会の開催希望!この会の余韻を楽しむ時間がほしい!
おまけ
ちなみに、六本木さんは、今回テキストにした以外にも、たくさんのお話を聞かせてくださいました。しかも、今回のために動画まで。ありがたいことです。(しかし、なんと当日はマシントラブルで放映できず…)。
ステキな走馬灯というか・・。これだけ話を聞いたあとに観ると、六本木さんの視点で見れて、感慨深いです…ぜひご覧ください。
また六本木さんの最新の活動はコチラからご覧になれます。
https://www.facebook.com/n3.coworking/
編集後記
今回は、記事の編集のために「大人vs若者」という軸をメインに据えたのですが、それ以外にも論点はたくさんありました。例えば、「東京と地方」、「日本と海外」、「若者の自己肯定感」、「ポストコロナの公務員/サラリーマンのあり方」など。
参加者の数だけ、学びのあり方があるために、複雑さと多義性があり、それゆえに、参加者が自分なりに学びを掴み取りに行けるのが、この「ちか旅」の魅力のひとつなのかなと思いました。(ただ、zoomの仕様上、参加者が自由に動きづらいので、今後、技術や運用も、さらなる工夫をしたいところです。)
また、毎回の場の質も、一方通行の講義に比べると、参加者に左右される領域が大きいのでしょう。その質を上げていくためには、たとえば、ちか旅の冒頭で毎回おすすめする「旅モードのコミュニケーション」を鍛えるなどして、みんなで、質の高い学びの土壌を作っていけるのいいのかもしれません。痩せた土地から継続的な収穫は、期待できませんから…。
なお、「安全な場だからこそ、危険なことを言える」という視点は、ほんとうにそうだと思いました。ちか旅を続けるということは、「普段言いづらいことや、話してもしょうがないと思っていること」でも、「本当は大切だと感じていること」をわかちあったり、ぶつけあったりできる関係を、近所につくっていくということなのかなあ…と思いました。
次回のエピソード
次回のご案内です。
西澤 眞咲|群馬県高崎市・新潟県上越市|唎酒師
旅とビールが好きな唎酒師。 大学時代は自分のやりたい事を見つけられず、好奇心の赴くままに、あれこれ首を突っ込みまくる。 その結果、いつの間にか飲食業を志すように。 2018年6月、上越市初の日本酒バーで、雇われ店長として働く。 現在は自分の店を立ち上げるために準備中!新潟県上越市出身、高崎経済大学 地域政策学部卒。
Uターン者として彼女を取り上げたインタビュー記事
新潟、群馬、東京からの、新潟へとUターンした西澤さん。暮らす場所や仕事を変えていくサイクルも早くなってきているように思います。変えようと思った時に、どうやって選ぶか。そんなお話ができるかもなあ、と楽しみにしています。(反町)
お申し込み・詳細はこちらから
今回も最後までお読みくださってありがとうございました。
今日もすてきな一日をお過ごしください。
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