私は、福島事故後、夜中に、数十回も起き、東電編「福島第一原子力発電所 東北地方太平洋沖地震に伴う原子炉施設への影響について」(2011.9、改正版2012.5)を読み、考え、そのくり返しの日々を送り、本当の事故原因が何であったのか、自身に問いかける苦しい日々で、なぜ、苦しい日々であったのかと言えば、私は、原子力安全解析所に勤務していた頃(1984-88)、通産省の原発安全審査一次審査のための原発クロスチェック安全解析に携わった経験があり(大飯3 & 4、浜岡4、女川2)、第三者でないからで、・・・

私は、福島事故後、夜中に、数十回も起き、東電編「福島第一原子力発電所 東北地方太平洋沖地震に伴う原子炉施設への影響について」(2011.9、改正版2012.5)を読み、考え、そのくり返しの日々を送り、本当の事故原因が何であったのか、自身に問いかける苦しい日々でした。
なぜ、苦しい日々であったのかと言えば、私は、原子力安全解析所に勤務していた頃(1984-88)、通産省の原発安全審査一次審査のための原発クロスチェック安全解析に携わった経験があり(大飯3 & 4、浜岡4、女川2)、第三者でないからです。
事故は、史上初のモーメントマグニチュード9.0によるどうしようもない事故ではなく、安全性の考え方からして、考えなければならない非常に基本的なことを怠っていたことが原因しており、それは、日本政府のエネルギー政策の推進者の立場と言う絶対的な権力を有する電力会社が、原子炉メーカーばかりか、東大や原研も支配下に置き、安全の考え方も分からないまま、米原子炉メーカーの設計の考え方の変更を認めず、影響下の各組織に圧力をかけ続け、米国設計を強引に押し通し、支配下の組織は、みな、萎縮してしまい、電力会社の思いのままでした。
世の中の人たちはこのようなメカニズムを知らない。
福島事故のような事故は、サイト高さ10 m以下の津波高さでも起こり(タービン建屋にも原子炉建屋にも海水は入らない)、おそらく7 mでも同様な事故になり、原因は、外部電源(送電線)喪失時における内部電源(非常用ディーゼル発電機)の機能につながる海水冷却ポンプ(熱機関冷却用)が、海岸沿いの海抜5 mの位置にあり、たとえ、2 mのコンクリート製囲いがあっても、7 mの津波により、海水ポンプは、機能喪失してしまうからで(非常用ディーゼル発電機のオーバーヒート)、津波高さの不確実性を考慮すれば、やってはいけない判断でした。
東大や原研や原子炉メーカーの研究者は、問題が何であるか分かっていながら、電力会社怖さに、目をそらしたのです。
佐藤一男さん(原研副所長兼安全性試験研究センター長、原研理事、原子力安全委員会委員長)は、電力会社トップから、「原研が安全性研究をすると、原発は安全でないと国民に見られるので、やらないでくれ言われた」と証言しています。

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