研究ノート 原子炉建屋は、地表面の住宅と異なり、岩盤立地で、剛構造・重構造物であるため、地震動が緩和され、伊方原発サイトの地表面の地震加速度の約半分くらいであるため、地表面1300ガルと原子炉建屋地下二階床面650ガルは、矛盾しておらず、さらに言えば、原子炉建屋内の機器・配管は、650ガルで耐震設計されているわけではなく、建屋内の地震加速度は、三次元的分布をしており、上の階ほど地震加速度は高くなり、建屋屋上では、650ガル×4倍=2400ガル、・・・
世の中には、「伊方原発を停める会」があり、そのサイトを見て、驚き、結局、何も分かっていない人達の主張であり、具体的には、愛媛県が評価した南海トラフ地震時の各地の地震加速度に対し、愛媛県の多く地域が、地震振動周期0.02秒(定義)で1300ガル、しかし、伊方原発の基準地震動は、0.02秒で650ガル(解放基盤面650ガル、原子炉建屋地下二階床面650ガル)、だから、著しく過小評価していると主張していますが、多くの地域の地震加速度は、地表面であり、伊方原発は、原子炉建屋地下二階の床面の地震加速度であり、原子炉建屋は、地表面の住宅と異なり、岩盤立地で、剛構造・重構造物であるため、地震動が緩和され、伊方原発サイトの地表面の地震加速度の半分くらいであるため(地質などの条件により、必ず半分ではなく、約半分)、地表面1300ガルと原子炉建屋地下二階床面650ガルは、矛盾しておらず、さらに言えば、原子炉建屋内の機器・配管は、650ガルで耐震設計されているわけではなく、建屋内の地震加速度は、三次元的分布をしており、上の階ほど地震加速度は高くなり、建屋屋上では、650ガル×4倍=2400ガル、ですから、「伊方原発を停める会」の会員は、耐震設計の教科書『原子力耐震工学』(鹿島出版、2014)を吟味し、耐震設計とは何かを学んだ方が良いでしょう(note本欄バックナンバー記事参照)。
世の中には、観測地震加速度が、設計地震加速度を超えると、機器・配管が破壊し、大事故につながると考えている人がいますが、耐震設計では、大きな工学的余裕度(3-4倍。2007.7.16に発生した新潟県中越沖地震に被災した柏崎刈羽2号機の東西方向の地震加速度は、設計値の4倍でしたが、原子炉建屋内の機器・配管には、変形どころか、塑性変形すらなかった)が設けられており、通常、構造設計では、設計値は、応力-歪み曲線で、弾性限度内歪みの3倍の塑性変形領域、設計値のさらに3倍で破壊限界となります(『原子力耐震工学』、鹿島出版(2014)参照)。