株主還元政策について講義しました
先日、某社の株主還元政策について、講義をしました。講師業もやっている私としては、久々の新ネタです。
かつて、その会社名をとって「●社ショック」と世間を騒がせた事案です。
その株主還元政策のリリースが出た後の株価を予想し、その理由とともに発表してもらいました。
しかし、株価推移を正解するのが講義の目的ではありません(そんなことは、どんなプロフェッショナルでも不可能です)。
私が議論したいのは、
・その株主還元政策が、成功だったのか、不成功だったのか。どう自分なりに評価するか。
・そもそも、なぜこの会社はこのような施策をとる必要があったのか。リリースに出てこない裏の理由はあったのか。
・仮にその時点に戻ったとして、自分がこの会社の経営陣ならどういう施策を打ったか。
の3点です。
とくに、最後の「自分ならどうするか」が最大の論点です。
私の講義は、常にこの「自分ならどうするか。それはなぜか」を中心に議論します。
未来人である我々は、その後の評価を知っているので、つい事後の評価に引っ張られてしまいます。
しかし実際の経営判断はそうではありません。限られた情報の中で、できるだけ最適解に近い施策を打っていく必要があります。
財務戦略に、少なくともその時点においては正解はありません。正解かどうかは歴史が評価します。
実際の講義では、参加者から素晴らしい意見を頂き、私も参考になりました。
この事案は、どう資本市場と向き合うべきか、という参加者それぞれのスタンスの微妙な違いを浮き彫りにする格好の材料であったと思います。
久しぶりの新ネタでしたが、お陰さまで反応も良かったので今後も講義に使ってブラッシュアップしていきます。
(ちなみに、私は某社の関係者ではありませんし、直接インタビューしたわけではありません。新聞記事や株価推移などの情報のみを材料に講義を組み立てています。またこの施策の成功不成功について特段のスタンスもありません。議論を喚起するための材料に過ぎません。)
『人の生涯は、ときに小説に似ている。主題がある。』(竜馬がゆく) 私の人生の主題は、自分の能力を世に問い、評価してもらって社会に貢献することです。 本noteは自分の考えをより多くの人に知ってもらうために書いています。 少しでも皆様のご参考になれば幸いです。