墨東 2020年3月12日
多分、これが人生最初の吟行でした。
玉の井、東向島。高校生の頃から大好きな永井荷風の『濹東綺譚』の舞台を歩きました。
荷風は東京の探求者でした。
わたしは東京市政百周年の生まれなので、父方の祖父より「京子」と名付けられました。然し、父親に反発的だった我が父は、平凡でつまらないと、「響子」と出生届を出しました。そのせいばかりではなく、父方の祖父母はどこか遠い存在でした。
ともあれ、わたしは東京の子です。
父の仕事の関係で、十才から高校卒業までを九州、福岡で過ごしました。荷風に出