Pain Point ~Tesla's Innovation~

先日、スタンフォード大学アジア太平洋研究所のresearch scholar の櫛田健児氏による講演会に参加した。

内容は、破竹の勢いで成長するテスラにおけるイノベーション創出の事例紹介だった。

今回のWebinarで学んだことは以下の三つである。

1. ペインポイントを攻略する

2.顧客第一

3.必要なデータを得るための戦略

まず、「ペインポイントを攻略する」についてだが、ペインポイントとは事業やプロダクトにおける弱点である。

今回は、テスラの電気自動車を例に取り、いかにテスラがこのペインポイントの攻略に注力しているかということを理解することができた。

具体的には、以下の5点が紹介された。

①バッテリー容量の改善

②低価格での提供

③加速や馬力の改善

④チャージングスタンドへのアクセス向上

⑤充電時間の短縮及び、待ち時間の娯楽システム搭載

一つ一つペインポイントを解消することで、顧客の満足度を可能な限り最大限まで向上させることを強く意識して事業に取り組んでいた。

それが大きなトピックである「顧客第一」というところに由来する。

Teslaでは事業やプロダクト開発において、一番重要視することが顧客を最優先に考えるということである。世界トップの利益を手にしている会社は自社の利益を一番に考えて事業を展開していると私自身勘違いしていた。

実際に会議で開発構想を練る時なども、ホワイトボードのど真ん中に「Customer」と書いて、そこからアイディアに枝葉を広げていくそうだ。

最後にデータに関する話だが、データはたくさん持っているから強い企業というわけではなく、それが使えるデータなのかどうかが重要である。

むしろ強い企業は、必要なデータ取得のための戦略を入念に練り、それを実行することで、求めていた有益なデータを回収し、新たな独創的なプロジェクトへ展開していくとのこと。(Amazon製品のAlexaを例にしていた。)

<追記>

Tesla SolarGrass roofの改善の可能性についてElon本人がtwitterにてフォロワーに募り、フォロワーのツイートから雪おろしソーラールーフが開発されたとのこと。カスタマーの意見を重要視しているからこそのアクションだと感嘆した。

また、テクノロジーのdisruptionは凄まじく早く、かつて、

「パソコンは家庭には必要ない」

「キーボードの無い高価なiPhoneは人気は出ない」

「Netflixは眼中にない」

と言われていたが、どれもdisruption を過小評価していることからきている。

黎明期にあるテクノロジーを甘く見ていると、あっという間に置いてかれるし、自分がその真価を見抜くんだという目線で言うのであれば、本当の価値を生み出すチャンスを逸してしまうかも知れない。

アンテナの感度を上げて、新しいことが起きたら否定せずにキャッチできるよう心がけたい。


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