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音楽環境問題
とても反響の良い設計に作られた私のお家。テレビもパソコンも無くあるのは、父お手製の真空管アンプかステレオラジオ。
確か幼稚園低学年ぐらいの時にうちにもテレビがあった記憶はあるのだがいつの間にか無くなっていた。そんな常に耳で育った私の音の思い出について少し。
※真空管アンプについてはご自身でお調べください。
母は専業主婦、父は夜勤で14時には家にいる。そんなわけで小学校から家に帰ると二人とも大体家にいてお気に入りの真空管でビッグバンドジャズをかけて待っていてくれていたりする。すごく大きな音量で。
どれぐらい大きな音かというと、家に着く前の30m前ぐらいに差し掛かると聞こえるぐらいに。世の中には騒音問題というものがあるはずなのに、全く問題がないようにしている二人を見て、私はまともだぞ!と思いながら生きていた。
まともでミーハーな小学生の私は、ステレオラジオから流れるノイズ入りのニュースや最新の音楽に耳を傾けていた。少しの位置の差で変わってしまう電波の入りとチャンネル合わせは中学生の頃にはだいぶ上手くなっていた。
スマホも普及していないあの時代、友達同士で話す内容と言ったら恋バナかドラマかDSの話。ゲームも無いし、テレビも無いし、友達がそうゆう話をしていたときは一人で本を読むか、知っている風に相槌を打ちながらニコニコしていた気がする。ミーハーなはずなのに。
友だちの話の輪に入れ無くなっても平気になった時期があった。それはNHKラジオの朝に届くお年寄りからのハガキのお便り。「桜が咲きました。」「孫がGWで帰ってきています。」1週間前か、2週間前ぐらいの季節が思い出せるのだ。郵便であるからこそ時のづれを楽しむようになった。
そうゆう自分を小意気だなあ、と思った時周りのみんなが一気に幼く見えたのだ。それからとても幸せが多くなった気がする。意気で自己肯定感が高いヒトになったのはきっと両親のおかげだ。
古い音楽が好きな父が唯一苦手だったのは、現代も幅広い世代に愛され続ける「THE BEATLESS」。父曰く、「うるさい」とのこと。あんなに大きな音でブルースを弾いてる父が言えることではない。
そんなことを考えながら彼氏の祖父から頂いたビートルズのレコードを聴き文章を今書いてる。
十数年前ミーハーだった私は今、最新の曲はあまり聞かない。