アルコール依存症:断酒出来ればそれでいいの?断酒してくれさえすればそれでいいの?
重度アルコール依存症の kiyopi です。
表題にした通りの質問をしたとしたら、ほとんどのアルコール依存症者は「YES」と答えると思います。
初めてアルコール依存症者を抱えた家族も「YES」と答えるでしょう。
ただ、断酒している依存症者やスリップを繰り返す依存症者を抱える家族の中には「NO」と答える人が出てきます。
理由を聞くと、「お酒を止めても本人は変わらないから」と返ってきます。
お酒を飲まなくなっただけで性格が変わらないという事です。
威張る人は威張る、鬱の人は鬱のまま、依存的な人は依存的と返事がきます。
他には、「料理酒やみりんが使えない」「食品に含まれるアルコール成分(洋酒や酒精、酒かすなど)にも気を付けなければならない」「外食もまともに出来ない」などの気を使う事が増えた、面倒という意見。
地域などの酒の席に出せないので、自分の手間が増えた。
飲み会の席の男の中に女が一人で苦痛という人も。
職場の飲み会の時など機嫌が悪くなる、鬱が酷くなる、なども聞きます。
要は、家族の手間が増えただけで飲酒時とは違う気遣いや手間が増えた、という意見です。
献身的に尽くして支える家族も見かけますが、僕から見ると本人は断酒で手一杯で家族の献身さに依存的だったり気付いていなかったりして家族の人が疲れきっているように見受けられます。
断酒会の誓いに『自分を改革する努力をし、新しい人生を創ります』という一文があります。
断酒の誓いの中で唯一、僕が納得している項目です。
ですが、あなたにとって自分を改革する努力って何ですかね?
自分の断酒に手一杯でいて自分を改革する努力なんて出来ますか?
僕は、そこを含めての自分を改革する努力だと思います。
人それぞれ形は違うでしょう。
でも、せめて人に答えを求めるのではなく、自分で考えてほしいと思います。
どう変わりたいのか?
どうしたいのか?
時間を掛けてでも自分で考えてほしいと思います。
『自分は必死に断酒するだけで手一杯だから家族にかかる負担まで考えてられない』と言う人もいます。
厳しいこと言います。
だったら、家族と縁を切ればいい。
家族の生活費の負担をして断酒なんて止めてしまえばいい。
そうすれば、自分の事だけ考えていれば済む。
それが出来ないのなら家族がいてくれることを当たり前にしないで、その必要性を自分で自分に認めてほしいと思います。
それは自分の弱さを認める事になるので、出来ない人には絶対に出来ないでしょう。
でも、認めることが出来た人はその分 精神的に強くなります。
世の中で精神的に強い人というのは、自分の弱さや欠点を素直に認めています。
だから指摘されることを恐れないので見栄を張る必要もありません。
だから堂々としていられるのです。
もし認める事が出来たら、本心で家族の存在を有難く感じるようになると思います。
そうすれば見えてくると思います。
どう自分が変わりたいのかが。
どうしたいのかが。
その答えが出た時、自分の障害・自分にとっての本当の問題であるのは、お酒か?メンタルか?その答えが出ます。
僕の経験から一つだけ言えるのは、メンタルの問題が解消されると信じられないくらい飲酒欲求が無くなります。
そうなったら、それまでの断酒の難しさはどうなるでしょうね?
それからもう一つ。
たった一言の「ありがとう」が家族にとってはどれだけ嬉しいか。
「謝るな、感謝を伝えろ」
僕の経験を通して気付いたことです。
今回は以上です。
参考にして頂けたら幸いです。
あなたが回復に向かえますように
ご家族様の傷や苦しみが癒えていきますように
最後までお読みいただきありがとうございました。