アルコール依存症:とことん迷惑かけてる家族の存在をどう思ってるの?その心理とは
重度アルコール依存症の kiyopi です。
アルコール依存症者は、とかく人格を疑われやすいです。
依存症者家族による恨み・憎しみ・怒り・悲しみなどの目線からの意見や、医師や知識人による家族擁護側からの意見が多いというのが一点、依存症者が理由を語らないのがもう一点の理由のように思います。
僕としては、医師や知識人であるのならどちらの側にも立たず、どちらの側も正しく捉え究明してほしいのですが・・・。
そのためか、アルコール依存症者はとにかく人格破綻者、自暴自棄、自分の命以外失うものはない無敵の人などと言われることが多いです。
家族に対して酒害を始め、多大な迷惑を掛けているから家族なんてどうでもいいと思っている人は極々一部の元からの人格異常(障害)者だけです。
ほとんどの依存症者は迷惑をかけている家族に対し、罪悪感や大きな後悔、自分への絶望感や無力感を抱えています。
でも、口に出さないので真実が表に出てこない。
答えを言います。
『アルコール依存症者にとって、家族ほど失う事に恐れを感じる存在はない』
『家族ほど自分の苦しみを分かってほしいと思う存在はいない』
です。
「じゃあ何で迷惑かけるんだ!」
「勝手だ!」
「こっちがどれだけ辛い思いしてると思ってるんだ!」
色々な意見が聞こえてきそうですが、これが真実です。
「家族の皆さんにとって、依存症者が健常であった頃はどんな人でしたか?」
「始めからそんな人でしたか?」
人格異常(障害)者でもない限り、騙していたわけでも隠していたわけでもありません。
お酒に依存してしまう経験や原因があって、結果そうなったという事です。
人はなぜ怒るんでしょうか?
語気を荒げたり暴言を吐くのはどんな時でしょうか?
暴力を振るいたくなるほど怒るのはどんな時でしょうか?
物を破壊するほど怒るのはどんな時でしょうか?
人に甘えたくなる時は?
誰かを頼りたくなる時は?
人に依存したくなる時は?
それはどんな時でしょうか?
依存症者も人間ですから、人格異常と思われる行動であっても理由があります。
アルコール依存症である前に、精神的に限界を迎えていたりします。
現在の依存症治療ではその事実に目が向けられていないために周知されていないので誤解が蔓延しています。
ただ、家族は簡単に失わないと思っているのも事実です。
でも、この心理は誰にでもあると思います。
「そんなことは無い!」
という家族の方もいるでしょうが、
「あなたは離婚を考えたことありますよね?」
「今、離婚する事を考えていませんか?」
そこの違いです。
「家族よりも酒、仕事、お金を取ると言われた」という話も聞きますが、それはそこに対する恐怖の方が強く身近に感じているからです。
試しに、離婚を切り出して行動に出してみれば答えはすぐに出ます。
泣きわめいたり、謝り倒したり、怒り・暴言・暴力・破壊といった恐怖を原因とした行動に出るでしょう。
ご家族様からすれば、やり場のない思いや感情で一杯で辛くて苦しくて堪らないでしょう。
僕も父の依存症の時はそうでした。
ですが自分も依存症になって、他の人の本音も聞き出す中で事実を知りました。
そんな僕からご家族様に向けて一つだけ言いたいのは、『信じられなくてもこれが事実』です。
ただ、知っていて頂ければそれだけでいいです。
今回は以上です。
参考にして頂けたら幸いです。
あなたが回復に向かえますように
ご家族様の傷や苦しみが癒えていきますように
最後まで読んで頂きありがとうございました。