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おばあちゃんは魔性の女

うちの祖母は非常に社交的でした。
誰とでもすぐに打ち解け、誰も祖母を悪く言いません。
誰にでも好かれる、羨ましい性質を持っていました。

ある日の夕飯に、豚の角煮が出てきました。

「うっま!おばあちゃんこの角煮、めっちゃおいしい!」
「煮る時にコーラ入れると美味くなるって教わったんだ」
「教わったって、誰に?」
「スーパーの店長さんだ」
「は?なんでスーパーの店長が?」
「なんだかわがんねけど、店長さんの田舎のお母さんに私が似てるんだと。
そんで、今日は良い豚肉が入ったから美味しい煮方を教えてあげるって、
鍋で煮てくれたんだ。」
「?鍋で煮るって、スーパーのキッチンで煮てくれたってこと??」
「んだ」
「ひいきにもほどがあるね・・」

恐らく、今だとコンプラ的にアウトでしょう。
他にも、お魚のいい部分とか、今日のオススメ新鮮食材はコレ、とか教えてもらったり、ちょっと顔を見せないと心配されたり、色々ひいきされていたようです。

スーパーの店長を虜にする魔性の祖母。
私なぞ、八百屋さんでたまにオマケしてもらえるくらいなので、
まだまだ魔性への道は遠いです。

愛され上手

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