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ロックへの道 ~歪まないテレキャスター
私は高校時代に学校でバンドを始めた。
本当はドラムがやりたかったのに、やる気のない同級生がドラムはスティック買えば済むから絶対自分がドラムやりたい、じゃなきゃバンドやんない、みたいな事を言いだしたので、しぶしぶ私はギターになった。
友達と渋谷のイシバシ楽器にギターを買いに行った。
店員さんに「女の子にはこれが一番似合う」と勧められたのが、
Fenderのテレキャスターだった。何も分からないため、勧められるがままにそれを買ったが、
全然私が望む歪みが出ない。
スピーカーのBASSとTREBLEをマックスにしたりしたが、ハウるだけで無理だった。
ギターは祖父が買ってくれた。何故か?
祖父は、私がギターを買いに行く、と言った時点でアコースティックギターであると勘違いし、お金を出してくれたのだった。
祖父は昔、マンドリンを弾いていたらしく、アコギを弾きたかったらしい。
アコギを買って帰るはずの孫が、エレキギターと小さいアンプを買ってきた時、どう思ったろうか。
後で母に聞いたところ、とてもがっかりしていたらしい。
そうこうするうちにエフェクターの存在を知った私は、MYテレキャスターにディストーションをかましてみた。
キュイィィィーーン・・・・
・・・なんか違うな・・・
私はイシバシ楽器の店員を恨んだ。そもそもオンナノコに似合うってなんだよ、ナメやがって!(今更の怒り)
無知なJKの自分に言いたい。あんたが求めてるのはギブソンのレスポールか、SGだよ!と。
テレキャスターでもピックアップを改造したり、ゴリゴリにエフェクターかければイケるけど(スリップノットのギターJim Rootのギターはテレキャスとジャズマスター)お前じゃ無理だよ!と。
歪めない日々を送っていたある日、私は古着屋で膝に穴の空いたジーンズを
「So Cool!」と思い購入した。
それを気に入って履いていたら、祖父が5千円札を渡してきた。
「ヤマトちゃん、これで穴の空いていないズボンを買いなさい」
実はこの時母が祖父に、「娘に穴の空いたズボンを履かせるとはナニゴトか!」と怒られていたらしい。穴が空いてるのが今流行ってるのよ、と言っても全く理解できなかったそうだ。
祖父を心配させ、余計な金を出させ、うまく歪めない日々。
ロックな人生にはまだ程遠いな、と思うのだった。
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