シリアから来た子(3)小さな戦い
2年生になり、F君の日本語は日常生活には困らないレベルになりました。
1年生の時には成績の評価のしようがないということで空白だった通知表も評価をもらえるようになりました。そうはいってもあまり喜べる成績ではむろんなく、かえってそれをお父さんに伝えるのは気がひけるくらいでした。
唯一の救いは体育で、△が並ぶ中、一際目立って◎です。F君は運動神経がよく、足はクラスで1番か2番くらいに速いらしいのです。
お父さんは私に「Fにスポーツをやらせたい、センセイ、カラテクラスどこかな