消えたがり

気づけば、夜眠れなくなっていた
もともと、寝るのは苦手だ
でも長ければ4時間ぐらいは寝れていたのに
どんなに日中疲れることをしても
眠れても2時間ぐらいで目が覚めてしまう

起きている間はずっと
「死ねばいいのに」って声が聞こえてくる
心に浮かんでくる感じ
何をしてても「死にぞこないが」と自分を罵る自分がいる

次の勉強会に参加した
知っている友人も参加していた
しっかりしなくっちゃと思ったけど
うまく立ち回れず
「あ、ひかれたな」ってわかった

昔から、誰かの顔色を伺いながら過ごしてきたから
ものすごくそういうのには敏感だ
せっかく出来た友人だったのにな
あ〜ぁ
こういうことやっちゃうよなぁ

「死ねばいいのに」
そうだよな
大事な友人もいたのに
勉強会の場でちゃんと出来なかったし
なんなら場を乱したかもしれない

「お前なんて生きる価値がない」
そうだよな
そもそも10歳のあの時に死んでいたら
こんなに悲しいこととか
苦しいこととかなかったのにな
人を不愉快な気持ちにすることもなかった

いつからだったかな
こうして心の中の「死ねばいいのに」の声が
「死にたい」に変わっていったのは

わたしは「消えたがり」と名前をつけた

「消えたがり」のわたしと
「生きたがり」のわたしが
激しくぶつかり合う
心の端っこと端っこで
命の綱を引っ張りあっているみたい
どちらかというと
「消えたがり」が優勢だ

「消えたがり」の声が大きくなればなるほど
どんどん自分の心が壊れていった
日常のことがままならなくなった

台所に立つことはほとんどない
土日は夫が何かしら作ってくれるから
ま、いっか

洗濯は夫が毎朝セットしてくれる
干すのは娘も手伝ってくれる
時々、洗濯機に入れっぱなしで
夫が帰ってからもう一度洗い直して干してくれる

Twitterに投稿することが増えた
なぜかFacebookには書けない
でもTwitterに呟くと、友人たちが心配して
いろいろ申し訳ないことが増えた
だからそっと誰も知らないアカウントを作った
そこにこぼせば誰にも知られない
そう、こぼしたかったんだ
わたしへの罵声を
わたしからの悲鳴を

あれ?
涙ってどうやって止めるんだったっけ
涙には底がない

大好きな人が言った
「今まで泣くことをたくさん我慢してきたんだね」って
そうなのかな
けっこう涙もろいと思っていたし
泣き虫だと思っていたんだけど

そういえば
高校生の時に尊敬していた先輩が
事故で亡くなった
お葬式に行ったけど泣かなかった
悲しいのに泣けなかった
冷たい人間だと思われたかな、、とちょっぴりそんなこと思った
家に帰ったら母親が
「地球から人口が一人減っただけ。
あなたが望んでいることでしょ」
そう言った
「え?いつ、わたしが望んだの?どういうことなの?」
反論する気にもなれなくて夕飯も食べずに寝た
その日、寝ながら泣いてたって、朝起きたら妹が言ってた。


なぜ母親はそんなこと言ったのかな
まいっか
いまさら知ったってしょうがない
いまさら聞けない
もう母親はこの世にいない

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