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ピート・ヘグセス(次期)国防長官のタトュ―に見える信仰

エルサレム・ポストの記事は、読みごたえがある。よくここまで調べたな、と思った。次期国防長官のピート・ヘグセス氏のタトュー(入墨)について、詳しく述べている。

多くが十字軍に関わるもののようだが、大事なのは「改革再建主義者(Reformed Constructionism)」という、キリスト教亜流のグループに属しているということだ。


この記事によれば、聖書にある掟を社会にも適用させ、特に男性のリーダーシップの回帰が大事で、そして、イエスの再臨の預言成就のために、積極的に世界を用意させるという考えだ。

マイク・ハッカビー氏(次期・駐イスラエル米大使)の信仰は?

日本の言論では、米国の福音派でシオニズムを支持する人々が、こういった亜流の人々と教えている。そして、今回、マイク・ハカビー氏が、キリスト教シオニストで、こういった部類の信者であると紹介されている。

ハッカビー氏は、世界各地に離散したユダヤ人がイスラエルに再結集することがキリスト再臨につながるとの信仰から、同国の利益を熱烈に擁護してきた人物。こうした立場は「キリスト教シオニズム」と呼ばれ、トランプ氏が支持基盤とする福音派に広く受け入れられている。

ヘグセス氏は、神殿の丘に第三神殿が建つことも願っているというが、それも日本の言論界では、米国福音派のシオニズム支持の一形態だと教える。(実は、このことを言及していた中東専門家がいて、私がそんなことはないと書いたら、ものすごい失礼だ!と怒り出した。)

しかし、しっかりと「亜流」と、エルサレム・ポストに出てくる研究所の学者は考えている。事実、亜流なのだ、大半の、イスラエルを愛する福音派クリスチャンは、こんなこと考えていない。

マッカビー氏は、南部バプテスト連盟に関係の深い牧師であった。彼は、もちろん後者である。

キリストの再臨は神の主権

これから、何が違うかを説明する。キリストの再臨は、「完全に神の主権」であり「神の定められている時」なのだ。人間が、神の掟を守り、特に政治の分野で神の律法を適用させ、それで神の国の骨格を用意して、王イエスの再臨をお迎えるというのが、「再建主義者」の考えだ。しかし、大半の福音派はそう考えていない。

キリスト者は、政治に無関心であってはならず、投票にも責任を持つ、良心的な市民であるべきだと教えられる。(ローマ13:1)事実、私も牧師として教える。そして政治指導者のためにも祈る。(Ⅰテモテ2:1)政治の世界に行くキリスト者も、祈りをもって応援する。

これらは、キリスト教用語で「証し」という。キリストに従い、一般社会において、生活において、この方がおられることを、行いで、言葉で示すことだ。

しかし、キリストによる神の国は世のものではないと、主イエスご自身が、世の権力者である総督ピラトに言われた。

イエスは答えられた。「わたしの国はこの世のものではありません。もしこの世のものであったら、わたしのしもべたちが、わたしをユダヤ人に渡さないように戦ったでしょう。しかし、事実、わたしの国はこの世のものではありません。」

ヨハネの福音書18章36節

キリスト者は今、キリストがかしらとなる教会を建て上げること、そして福音を世界に伝えることが大きな使命と教えられる。そして、実践においても、キリストに仕えるように人々に仕える愛を命じられている。キリストが再臨されて、神の国が建てられるが、それは神がされることで、私たちは、へりくだってこの地を歩むように命じられているのだ。

これが、我々、キリスト者に与えられた使命であるというのが、標準の聖書理解であり、多くのキリスト教シオニストと呼ばれる人々も、同じように考えている。イスラエルのシオニズムの中に、神のご計画が深くあることを見出し、イスラエルやユダヤ人のために祈り、愛の支援をすることだ。

言い換えると、イスラエルの人々に対して、神が愛しておられる、選びの民であることを、その子孫であるイエス・キリストによって霊的な祝福を受けたキリスト者たちが、恩返しをしているのである。

現代のイスラエルが、終わりの日のイスラエルの回復の一部だと、聖書預言を見ると、私もそうだと思う。しかし、それは神ご自身がなされることであり、私たちがその一部に関わることがあっても、それを自分たちで実現させていくなどと、おこがましいことは考えていない。神の領域だからだ。

キリスト教シオニズムと再建主義者の違い

マイク・ハッカビー次期大使と、ピート・ヘグセス次期国防長官は、自身の信仰においてこれだけ大きく違う。そして、キリスト者でシオニズム支持は前者が大方の見方で、後者ではない。ところが、日本の言論界は、マスコミも、専門家(?)も、後者と混同して教えている。

かつて以下の本が流行った。「核戦争を待望する人びと: 聖書根本主義派潜入記」まさに、再建主義者の人間主体の神の国建設と、神主体の待望との混同をしている本だ。

書評の一つに、このことをよく分かっている人が書いている文章がある。

「これを読むと、危険なアメリカのファンダメンタリストたちが、終末の早期到来を実現するために、核軍備やイスラエルを支援している・・・というような結論に、皆が至るだろう。
 しかし、著者のハルセル氏は、イスラエルや(ディスペンセーション系前千年期再臨説を信じている)キリスト教ファンダメンタリストについて、どこまで知っているのだろうか。
 正真正銘のキリスト教ファンダメンタリストたちは、終末の時は神が定めておられると信じている。よって、核戦争を人間が始めることにより終末が人間の力によって早まるなどということは、彼らによれば、ありえないことになる。」

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そう、終末は、「神が定めておられる」のだ。イエスが言われた。

いつとか、どんな時とかということは、あなたがたの知るところではありません。それは、父がご自分の権威をもって定めておられることです。」

使徒の働き1章7節


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