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油絵の肖像画

今年から、肖像画を制作しています。
それはよりプライベートなもので、友人やインターネットで知り合った方々をモデルにして描いています。

手順としては、実際に、目の前でモデルになってもらい、スケッチを重ねます。その時に使用するのは水彩です。それは最終的に、油絵に仕上げることを前提としています。油絵のモデリングを水彩で行なっている感じ。

最も重要なのは顔の造形です。
それは尖っていたり、傷付いていたり、柔らかい貝殻のようであるべきです。
もう一つ大切なことは、モデルと見つめ合うことです。
見つめ合うことによって、お互いの体裁を取り払い、私の中のファンタジーをモデルの造形と直結させることを目指しています。

水彩でのスケッチが数枚出来上がったら、今度は油絵に集約させていきます。
油絵といっても、そこに色彩はなく、濁った泥のような樹脂だけが絵の土台になっています。これは僕が2018年から油絵に取り組む中で変化していったもので、油絵の具で絵のボディーを塑像することを追求した結果の表現です。

さて水彩のスケッチを拠り所としつつ、モデルの肉付けを再度、今度はキャンバスの上で油絵の具を用いて行なっていきます。
ただ水彩のスケッチはあくまで描いたその時間、モデルと見つめ合った空間を思い出すためのフックに過ぎません。
この段階で色彩は完全に消えて、肌や目、鼻や口、髪の毛、顔の造形を筆のタッチのみで作り替えていきます。
早い時で2時間、遅い時では中々思うように進まず、途中で諦めることもあります。
そうして形が定まったら、1ヶ月ほど乾燥させた後、墨を用いて線描を施します。これが陰影となりますが、飾りのようなもので絵の本体ではありません。

油絵の肖像画については、このような段階を経ているので、結構一枚に時間がかかります。
まず、モデルを探すことから時間がかかります。
誰でも良いのですが、まず前提として僕が思い切り本心を曝け出せる相手でなくては意味がありません。
あとは、その人物を絵にしたいと思うかどうかです。
つまり、縁のある人に出会えるかどうか、運命的な話になってきます。
次に、スケッチの段階を経てから油絵にするのも、時間がかかるのですが、これには意味があります。
私の中のファンタジーとモデルの造形をシンクロさせるには、とにかくイメージと親密になる必要があるからです。目を閉じても絵の中の肌を触れるくらいにならなければならないのです。(触れるということが、ここ数年の間、僕にとっては何よりも重要な問題です。)

今年、10人くらい描きました。
まだ油絵に仕上がってない人も入れてですが。
なぜ肖像画を描いているのか、そう言われると、不思議なのですが、ハッキリと意味を感じるからです。
絵画的なことも勿論あるし、もっと個人的な欲求が初めにあったりします。
これについては、特にいま話す必要はないかも知れません。
ただ、心配なことは、これ、面白いんだろうか?ということですね。
今のところ確信が持てません。
だからあと2、30枚くらい描いてみないと分かりません。
そう思ったらだんだん焦ってきたけど、じっくりやります。

2022〜2023へ、、、制作の話でした。

なんか、作品について書くと硬くなるなぁ。
ガチガチです。

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