映画のレビュー
映画「his」を見ました。
2020年公開の映画でした。
見る前からある程度分かっていたのですが、やはり僕は評価できませんでした。
面白くありませんでした。
なぜかと言うと、所詮は同性愛をネタにヘテロ向けに作られた商業映画だからです。
こういうことを言うとただのひねくれ者のように見えるかもしれません。
が、実際、僕にとっては不要なシーンばかりでした。
例えば主人公が仕事の飲み会でゲイか?と茶化され自身のセクシャリティを隠すシーンなどは不快すぎてゲロ吐きそうになりました。
子どもがお父さんと男の友達がキスしてたの!と大声でご近所さんに告げるシーンも、醜悪すぎて、テレビの画面割りそうになりました。
単純に悪い記憶がフラッシュバックしてマジで見てられないんですよね。
そんな世界と無関係な一般人は見てられるのだろうけど。
まぁ要するにマジョリティの特権的な娯楽ですよね。
だから結局、まったく俺が見ることを想定してないよね?
まぁそれを言えばこの世の99%の映画その他の表現物がそうなのだが。
若い頃はそんな中でも何とか見ようとしていたけれど、最近は耐えられなくなってきた。というより無理せんでええわって思えるようになってきた。なぜなら時間の無駄だから。
無理なシーン。
何故、ご近所さんにわざわざカミングアウトしているの?何の公開処刑なの?あんたらが勝手に差別し存在を無視してきたことを本人から弁解させようとするって、なんでそんなにグロテスクな仕組みなの?
昔からBLには耽美系?と呼ばれるような楽しみ方があり、自身がゲイであることに苦しみ溺れていくイケメンを愛でる文化があるのだけど、そっちの方がまだ目的がわかりやすいからマシだわ。
リアルな同性愛を描いたらしいけれど、当事者でも無いただ顔が良いだけの役者ごときでリアルを描いてくれてんじゃねえよ。
コントか?
それなら大人しくBLやっとけ。
語気が荒くなってしまいました。
LGBTマウント取りたい訳では無いんです。
ただ我々の我慢の上にこういう娯楽は成り立っているということをご理解頂ければと思うだけです。
娯楽では無いと言う意見もあるかと思いますが、では実際これでレイシストが死ぬんですか?
僕は死んで欲しいと思ってます。
これをレイシストが見て、あー同性カップルも認めてやらなあかんなぁ〜、じゃあないんですよ。
僕はそういう奴らと同じ世界で呼吸をしていたく無いんですよ。
本気でやるなら理想を描いてください。
「みんな」にとっての理想の世界を作ってください。めっちゃ面倒だろうけど。
いつまで、過渡期、をやるつもりなんですか?
貴方達の戸惑いや受け入れ、そんなものはもう描く必要がない。
なぜなら僕らにはそれは必要が無く、むしろ触れるだけで不快だから。
貴方たちの贖罪を描くためにゲイという役柄を利用しないでください。
そんなんで楽しんで良い時代は終わりにしてください。
これから生まれてくる子どもたちにも同じ世界を見せ続けるんですか?
リアルを描く?リアルを変えない事を何故反省しないの?何故理想を描かないの?
味のしないガムをいつまでも噛み続けるような、ケチくさい表現はやめてください。
そんなものは娯楽以下ではないか?
リアルは一つでは無いです。
同性愛を嫌悪する者もいれば、わざわざ愛でる腐女子もいる。どうでもいい人もいる。
ゲイバレを恐れるゲイもいれば、オープンリーなゲイもいる。どうでもいいゲイもいる。
どのリアルを描くか?
その選択は責任を持って大人が下さなければならない、と思う。
結局のところ、この映画では、ゲイバレしたくないゲイ、普通になりたくて女と偽装結婚するゲイ、を描いた。
それをリアルだと選んで描いたのである。
何故なら彼らにとってゲイという存在は、コンプレックスに塗れた存在であって欲しいから。その方が都合が良いから。映画を作りやすいから。
僕はそれがただ腹立たしい。
※これは2021年に書いた記事です。
今は違った考えになっているかも?