あなたのローズマリー精油はどのタイプ?ひと口に『ローズマリー』と言っても成分によって全然違う作用と禁忌事項。精油の『ケモタイプ』について
アロマとハーブで叶える健康と美LIFE
香音Aroma Herb Baby School うらべ清香です。
みなさんこんにちは!
今日は、精油(エッセンシャルオイル)のケモタイプについて、
書いてみようと思います。
ケモタイプ、という言葉。
初めて聞くという人がほとんどかもしれません。
アロマテラピーを学んだことがある人は、
きっと聞いたことがあると思いますが、
ケモタイプについてきちんと理解できていますか?
この概念、精油を使う人はきちんと理解しておかないと
大変なことになるかもしれません。。。
ちょっと難しいお話ですし、
長い割に全然面白くないけど、
アロマをするなら絶対に必要な知識。
この機会にケモタイプについて、
きちんと理解しておきましょう。
あなたのローズマリーはどのタイプ?
あなたはローズマリー精油を持っていますか?
持っている方は、精油のラベルを見てみてください。
そこには、何と書かれていますか?
「ローズマリー」オンリーものと、
「ローズマリー・◯◯(ほにゃらら)」のものがあると思います。
どちらもローズマリーではありますが、
安全に使用できるのは、どちらの精油でしょうか?
【結論】
「ローズマリー・ほにゃらら」の精油、
つまり、ケモタイプの精油を選択してください。
以下、理由を説明します。
ケモタイプの精油を使いましょう。
ケモタイプとは [ chemo types ]
直訳すると [ 化学種 ]。
化学的に分析されている精油のことを言います。
精油の蒸留が終わったら
屈折率、比重、各芳香分子などの数値が
過去の同じ精油と照らし合わせて大きく外れていないか、
ロットごとに確認します(この作業を『同定』といいます)。
基準値と比較して数値が大きく外れている場合、
それは製品化されません。
なぜなら数値が大きく違う精油では、
基準値で得られるエビデンスが得られないかもしれないからです。
野菜や果物も、
成育条件や環境が変われば
味や色が違ってきますよね。
秋に出てくるボジョレーヌーボーは
産地や環境によって
「今年のはちょっと酸味が強いな!」
「今年は色が濃くて深い」など、
毎年趣が違います。
それと同じように、精油も
見た目や学名が全く同じであっても
環境や条件が違えば、成分も香りも全然違う精油が採れるのです。
なので、成分分析は必須です。
ローズマリーやタイムは
学名(植物の本名)や見た目が全く同じでも
成分を分析してみると、
全く分子が違うことがあります。
ケモタイプのローズマリー精油では
主成分によって以下のように呼ばれます。
1.8シネオールが多いものは、
ローズマリー・シネオール
カンファーが多いものは
ローズマリー・カンファー
ベルべノンが多いものは
ローズマリー・ベルべノン
主成分が違えば、香りも
人体に対する作用も全然違ってきます。
ローズマリー・シネオールの主成分である1.8シネオールは、
風邪の諸症状を緩和する成分です。
スーっとする香りで、分かりやすく言えば、ヴ○ポラップや龍角散の香り。
鼻水が止まらない時に
粘液の過剰分泌を抑える 抗カタル作用
痰を切り取り去る 去痰作用 などが期待できます。
禁忌は特に無いので、希釈濃度に気を付ければ
乳幼児から高齢者まで使うことができます。
ローズマリー・カンファーの主成分であるカンファーは
血流促進作用や鎮痙攣作用が期待できるので、
肩こりや腰痛など、筋肉の諸問題の解決に使うことが多いです。
香りは、ツーンと樟脳様の香り。昭和のタンスの防虫剤の匂いと言えば分かりやすいぇしょうか。
カンファーはケトン類という芳香成分類なので、禁忌事項があり、
乳幼児、妊婦・授乳中の産婦、てんかん患者、高齢者などには
使うことが出来ません。
ベルべノンが多いものは、ローズマリー・ベルべノン
傷をツルッときれいに治す瘢痕形成作用が期待できるため、
主にスキンケアに使われます。
ベルべノンのカンファーと同じケトン類ですが、
ケトン類の中でも比較的作用は優しいので、
禁忌事項ではなく注意事項があります。
上記の三つのローズマリーの学名はいずれも
Rosmarinus officinalis (本来学名はイタリック体の斜体で書く)であり、学名も外見も全く同じですが、成分も香りも全然違う。
人間で例えるなら、
ローズマリーのシネオールとカンファーとベルべノンは、
三つ子の三兄弟。
双子、三つ子と言っても、同じ性格じゃないですよね。
顔がそっくりで苗字も同じだけど、
性格はそれぞれ全然違う。
そんな感じ。
あなたがお持ちの「ローズマリー」とだけ書かれている精油の主成分は、何か分かりますか?
成分分析表がついているものでしたら、
それを確認してみてください。
主成分が何であるのかが書いてあるはずです。
分析表が無いものは、乳幼児や妊婦さん、高齢者などには使用しない方がいいでしょう。
なぜなら例えば、妊婦さんが
表記が「ローズマリー」だけの精油を
禁忌のないローズマリー・シネオールのつもりで使う。
でも実は、禁忌のあるローズマリー・カンファーだったとしたら・・・
どうなるでしょう?
精油は血液に乗って胎児にも届きます。
ケトン類のカンファーは神経毒性や堕胎作用があり、
妊婦さんや身体の機能や血液脳関門の未熟な赤ちゃんの体に
カンファーが回ってしまうと・・・?
もしかしたら、大変なことになるかもしれません。
また、肩こりを緩和しようとして手に取った
「ローズマリー」としか書いていない精油の主成分が
カンファーではなく実は1.8シネオールだったとしたら、
期待した結果とは違うものになるでしょう。
表記が「ローズマリー」オンリーの精油では
上記のようなことが起こり得ます。
そうならないために、
精油はケモタイプである必要があるのです。
ローズマリーだけでなく、タイムやニアウリも、
ケモタイプ精油が存在します。
ということで、ローズマリーやタイム、ニアウリを使う時は、
ローズマリー・ほにゃらら、のような
ケモタイプの精油を使うようにしてくださいね。
以上、
精油がケモタイプである重要性を
ご理解いただけたことと思います。
ローズマリーやタイムのように
ラベンダーやユーカリにも
「ラベンダー・ほにゃらら」
「ユーカリ・ほにゃらら」
が存在します。
果たしてそれらは、ケモタイプ精油でしょうか?
ラベンダー・ほにゃらら、や、ユーカリ・ほにゃららは ケモタイプではない
ラベンダーやユーカリは、ケモタイプではありません。
何故なら、学名も見た目も全然違うからです。
そもそも、ラベンダーは植物の見た目も学名も違いますから、
成分が全然違うのは当然です。
人間で例えるなら、
苗字は同じだけど、血筋も顔も性格も全く違う
あかの他人の
・アングスティフォリアさん
・スピカさん
・スーパーさん
という感じです。
ユーカリ・ラディアタ
ユーカリ・グロブルス
ユーカリ・レモン
なども、同様です。
一般に「ユーカリ」とだけ書かれて販売されているものは
「ユーカリ・グロブルス」です。
ユーカリ・グロブルスは1.8シネオールの含有量が多く、
禁忌事項があり、乳幼児には使えません。
作用が比較的優しくて
乳幼児でも高齢者でも誰でも使えるユーカリは
「ユーカリ・ラディアタ」です。
なので、「ユーカリ」とだけ書かれている精油は、要注意です。
健康な大人だけが使うようにしましょう。
今日は、ケモタイプ精油である必要性を書きました。
皆さんのお使いのメーカーは、いかがですか?
みなさんの精油選択の参考になれば、幸いです。
株式会社 Inlet Club
香音Aroma Herb Baby School
うらべ清香
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