高森勇旗著 「降伏論」を読みました
岩佐文夫さんが先日、facebookで興味深い投稿をしていました。
頭がキレキレでトークもキレキレの岩佐さんがそうおっしゃる方の本、ぜひ読んでみたいと、メッセージを送りました。
本がすぐに届きました。
可愛い便箋のお手紙もいただきました。
本を読むのに時間がかかる私ですので、今回も受け取ってから相当に時間を要しましたが、特に思いが至った部分を引用しながら私の感想を書きます。
降伏論「自分はできない」ことを知る 高森勇旗
まえがき ”一生懸命”という幻想
「パフォーマンスを高める、結果を出す」ためにまず必要な状態は、今の自分がやるのではないと思うこと。今の自分とは違う自分なら、パフォーマンスが高く、結果を出せると思うこと。じゃ、今の自分とは違う自分って?何が違うの?何をしているの?いや、何をしていない自分ならそのパフォーマンス・結果が出せるの?と考えられたら、成功に至る。実感を持ってよく分かる。
第1章 いますぐやる
これは本当にそうだ。
大学受験勉強のあたりから「やらなければならないことを書き出し、終わったら文字が見えなくなるまでペンで消し込む」ことをやり始めたが、これができている時は気分がクリアだ。
大人になってから、グダグダしている時代ももちろんあるが、特に独立する40代手前ころから、決めたことはやる、決めたけどできなくなったらできなくなったと決める、やることリストをどんどん消し込んでいく、ことの重要性が自分の中でとても増した。
常に完了状態でいようとすることは、私にとっても重要な姿勢です。
第2章 考えずにやる
自分がダメだと思っている時、そのダメな状態を改善したいと思っているけれど改善されないままの時、「自分の中に抵抗勢力がいる」ことに気づければよいのだ。自分の中の抵抗勢力の存在を認められれば、そこから解決。
しかしまあ、ダメな時ってそうすることを忘れているからダメになっている訳なので、かなり難しいことなのだけれども。
第3章 具体的にやる
私は、転職で㈱リクルートに入社し、社会人10年目の33歳にして初めて営業職に就いたが、その時に頭に刻み込まれたのは「数を確保する」ことだった。
営業の目標を達成するにはどの顧客にどれくらい売るのかをリストアップする。すると営業の先輩が「それ全部で100%達成の金額だろう。それでは達成しないよ。その3倍のヨミ(リスト)があると達成する。新卒の1年目や営業が得意でない人でも10倍のヨミがあれば絶対に達成する。」
リクルートですごいと言われる営業マンは、本人の能力や個性だけですごい営業マンになったわけではなく、圧倒的な数を確保することですごくなったのだと刻み込まれた。そこから「数」をとても意識するようになった。
第4章 価値の本質に気づく
今の環境では到底稼げないと思った時、では、稼ぎたい金額を得るための値付けをしたとしたらどの環境でなら売れるのか、自分が提供する仕事に対して、それだけの価値を感じて対価を支払ってくれるほどの問題を抱えている相手はどこにいるのか、この順番で考えてみること。
第5章 言葉を変える
ここを読んだその日から早速実行。
人に許可を取るのではなく謝るのでもなく、お願いをする。
やってみると分かるが、なかなか難しい。日々、いかに多く人々に許可をとっているのかを知ることになった。
でも、言い切る。お願いしきる。
すると自分も相手も清々しい関係になる感覚が出た。
第6章 相手を勝たせる
言葉一つ、言い方一つで大きく変わるというのは、そうだと私も思う。
しかしこの章は、言い過ぎのような、やりすぎのような、それだと私には嘘になるという感覚で、これでもし成功しても私は嬉しくならないと思う部分があり、消化不良。この章だけそう思ったの。なぜだろう。自分に降伏しきっていないからなのか。
第7章 自分を働かせる
この章には、とにかくやる、淡々とやる、という意味のことが書いてある。
特に私には、淡々とやり続けるということが重要。
これには、安宅和人さんのブログ、ニューロサイエンスとマーケティングの間 - Between Neuroscience and Marketingの「AIにブッダを観た」を想起する。感情を挟まずに淡々と仕事をやり続けるChat GPTに禅を、人間のありたい姿を観た、というブログです。
第8章 自分の「在り方」を決める
第7章は、今の自分の気分にとても合った。
自分が成功することを自分に許す。
それができているか?
大変だなと自分が思う時はその感覚を持つことを自ら選択しているのだ。
気づいているか?
気づくと、おまじないみたいに状況が好転する思考方法。
第9章 自分の状態を高める
私には、自分には到底そうなれないとどこかで解っているのに、何故か意識が向かってしまう自己像がある。それに向かおうとすると人生が不幸になるのに、なぜかそれを志向してしまうことを幾度か繰り返している。
今年、ラグビーという全くルールを知らないスポーツを真面目に観戦することに決めた。スタジアムに行ってリアルに観たり、ルールを調べたり、J SPORTSオンデマンドで解説付きの中継を観たりする中で気づいたことがある。解説付きの中継を観るのが一番ラクだということだ。
なぜならば、解説者が「今のはすごい」と言ったり「こうこうでああした方がよかったですね」と言ったりがあると「あ、ここですごいと思えばいいんだ。ここが楽しいんだ。こういうのはダメだと思われるんだ」と反応の仕方を教えてもらえるから。全く初めての知らないものを見ると、どう反応すればいいかもわからないんです。
このことから気づいた。
人が、何を喜び、何をダメと思うかの軸の多くは、赤ちゃんから育っていく中で囲まれる、自分以外の人々がそうとすることを写し取っていくのだと。
だから、そうするとうまく行かないのになぜか目指してしまうことというのはきっと、環境からそう要請され養成されたからだろう、他の人の人生を生きようとしているからなのだろうと明確に認識した。
だからそれを手放す。
あとがき 好奇心を取り戻す
ということで、私は今、上海にいます。(2023年GWに書きました。)
最後に
本は、いつ読んだか、どの様な状態の時に読んだか、また、読む人によって感想は実に様々であると思います。これを読んで何か思うことがあれば(なくても)是非、ご自身で手にとって読んでみて下さい。