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ベンチャーがアワードを取るための実践的な進め方

こんにちわ。堤です。

最近、事業担当している「Voicy 声の社内報」がHRアワード2023最優秀賞をいただきました。

単純に嬉しいというのもあるんですが、まだ歴史が浅いベンチャーにとってアワードいただけるというのは、第三者のお墨付きがつく形になるんで、すごくありがたいんですよね。

そんな、取れると嬉しいアワードですが、基本的には自分たちからエントリーをして、大量のエントリーの中から選ばれると受賞できるという形なので、「取りに行かないと取れない」という難しさもあったりします。

だからこそ、企業によっては、「エントリーするだけタダなんだからエントリーしとけ」くらいの気持ちでやってるとこもあると聞きます。

でもこれ、すごくもったいないと思うんですよね。

アワード獲得は、それを進めること自体が事業をよりよい形にしてくれたり、ブランドを考え直すきっかけになったりと、獲得しにいくまでの過程にこそ実はメリットが大きいんです。

ということで、今回はこの「アワード獲得の進め方」をテーマに話してみようかと思います。アワードによって評価項目なども違うので、あくまで共通する部分をざっくりまとめていきます。参考になる方がいれば嬉しいです。

一定、説得力を補強しておくと。「声の社内報」以外でも、PR担当の立場でVoicyのプラットフォーム本体で「グッドデザイン賞」などをいただいたり。

現在所属しているVoicy以外でも、過去 担当していた事業で「日本マーケティング大賞 第7回 奨励賞」「ベストチーム・オブ・ザ・イヤー2014 最優秀賞」といったアワードをいただいたりしたので、けっこう分野も幅広く共通したこと話せるんじゃないかと思います。


アワード獲得の段階

まず前提として、アワードは、

1:エントリー前の段階
2:エントリー後の段階

2つの期間に分かれます。

ざっくり言うと、「1:エントリー前の段階」で考えるのは「どのようにエントリーをするか」ということ。

「2:エントリー後の段階」で考えるのは「エントリーしたものをどう受賞させるか」ということです。

エントリー"前" 段階の3ステップ

前段階でやるのは、以下の3ステップです。

1:狙いたいアワードを見つける
2:ストーリーをつくる
3:事例と数値をつくる

1:狙いたいアワードを見つける

事業や会社が狙えるアワードをまずは調べます。

おすすめはPR Timesなどプレスリリース配信サイトでの検索です。最終的にやりたいのは、事業のプラスになるアワードを受賞することなので、他社がプレスリリースにしているくらいのアワードから先に見ていきます。

その上で、いくつか気になるアワードが出てきたら、それをGoogleで検索したり、SNSで調べて「自社に合うよいアワードか」「応募条件は大丈夫そうか」「過去の受賞企業はどうか」といったところを見て判断します。


2:ストーリーをつくる

何も考えずに手当たり次第、アワードを送っているようなところは、エントリーの文章にも自社サービスの概要を記載するだけになっていたりします。

さらにその概要文も、自社の機能的な価値をただ並べているだけになっているようです。それでは、アワードの1次審査でさえ通りません。

例えば、「声の社内報」でいえば、

「社員しか聞けない環境で、社内ラジオができるツール」

が端的に機能だけで語った提供価値です。

これを俯瞰して「何を解決できるサービスなのか」と、企業側の目線に立って考え直してみると

「組織を活性化させる、音声コミュニケーションツール」

といった形で定義し直すことができます。

ここまでは、事業自体のリブランディングなどにも共通する考え方です。

ここからさらに、アワードに絡めて考えを深めていきます。

今回、最優秀賞をいただいた「HRアワード 組織変革・開発部門」で、問われていたのは

「ソリューションが企業人事や経営者の役に立つと考える点は何か」

ということでした。

その回答を評価する基準が、応募ページで以下のように示されています。

※引用元:HRアワード 応募ページ:https://jinjibu.jp/hr-award/requirements.php#entry

「選考基準」の上2つは、現場でどんなメリットがあるのかという話で、下2つはそこに新規性や将来性はあるのか、という話です。


上記を踏まえて、「声の社内報」では以下のように定めました。

[現場メリットの観点]
① メンバーとの繋がりを深くする
② あらゆるシーンに届けられる
③ 制作の手間をおさえられる

[新規性や将来性の観点]
①「サービス」が成長している
②「個別」の成功事例が生まれている
③「世の中」の注目が集まっている

このストーリーを裏付けする、事例や数値をステップ3ではまとめていきます。

3:事例と数値をつくる

この事例や数値がないと、企業側が勝手に言っているだけの絵空事になります。ただ、実際のアワードのエントリーにおいては、事例や数値の具体化が足りずに、夢だけを語っているベンチャーも多い気がします。

例えば、「声の社内報」で言えばこういった導入事例のインタビュー記事が具体化するアクションのひとつです。

また、数値の具体化にあたっては、以下のように導入企業にアンケートを取ってまとめたり。

サービス全体の数値をみて、「その数値で言えることは何か」という視点で切り口ごとにまとめたりしていきました。

まとめた数値は「声の社内報」では、社内ラジオ白書という形で社外にも公開しています。

「世の中」での注目度の高まりは、やはりメディア露出やその反響が分かりやすいものになります。とくに新規性や将来性を社外の目線から語ってもらえる、NHKや日本経済新聞といったビジネスメディアでの取り扱いはすごくありがたいです。


ここまでの話で、なんとなく感じられてるかもしれませんが、事例や数値の具体化はマーケティングやPRの打ち手と共通するところです。

それぞれを独立した施策として考えつつ、中長期で考えた時に事業全体を評価するアワードなどにもどのように活きてくるかと、考えながら進められるとよいのではないかと思います。


エントリー"後" 段階の1ステップ

最後に、エントリー後にやることですが、これは

「社内外の方にいかに応援してもらうか」

という1点のみになります。

HRアワードでは、一般投票が2次選考を兼ねていたのですが、一般投票がないようなアワードでも、SNS上などで応援されているかどうかというのはアワード受賞に大きく影響してきます。

※引用元:HRアワード 応募ページ:https://jinjibu.jp/hr-award/requirements.php#entry

過去、自分自身もアワードを運用者側で開催していたことがありますが、誰にも応援されていないサービスを受賞させるなんてことはしないんですよね。

SNS上で投票による応援をお願いしたり、導入企業や関係者の方にも直接連絡を入れて1人ずつお願いをしたりしていました。この最後の部分は、すごい地道な動きにはなりますが、一番大切なところです。

エントリー前の整理も言い換えると、選考委員の方含めて「応援したい」と思えるようにするための整理なのだと思います。

以上、ベンチャーがアワードを取るための実践的な進め方でした。

別途 音声付きで動画にもまとめているので、ながら聞きで振り返りなどしたい方はこちらも参考してみてください。

堤でした、ではまた。


参考(SNSコメント)

以下に、エントリー後に応援をお願いしていたときのSNS投稿をいくつかピックアップして貼っておきます。

例1:Voicyメンバーからの協力のお願い


例2:導入企業の方からのコメント

例3:Voicyリスナーの方からのコメント


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