ブキティンギ🇮🇩の観光情報④
シリーズの最終回。
ブキティンギを含むスマトラ島の高地には、ミナンカバウ族という民族が住んでいる。
インドネシア全体の人口比率で見ると3%程度の少数民族であるが、彼らは伝統的に教育を重んじ、商才に長けていることで有名で、インドネシアにおける政治や文化など様々な分野で存在感を示している。
本日は、そんなミナンカバウ族を紹介する。
水牛伝説
ミナンカバウとは、現地の言葉で「水牛の勝利(minang=勝利 ,kabau=水牛)」を意味している。
名前の起源は、こんな伝説に由来している。
昔々、ミナンカバウ族と対立していた王子が、彼らの土地を奪おうとした。
ミナンカバウ人は戦争を避けるために、二頭の水牛を戦わせて、決着をつけることを提案した。
王子はその提案に賛成し、大きくて凶暴な牛を用意した。
一方、ミナンカバウ人は角の鋭い赤ちゃんの水牛を選び、戦いの日まで何も餌を与えないでおいた。
戦いになると、飢えていた仔牛はミルクを目指して、相手のお腹の下に潜り込んだ。
仔牛の鋭い角が、相手の水牛のお腹を裂き、大きな水牛は死んでしまった。
水牛の角を模した伝統衣装。
(写真参考:Wikipedia)
ミナンカバウの伝統的な建物
ミナンカバウ族の伝統的な建物の屋根は、水牛の角をモチーフにしている。
↑かつての集会所。
建物の入り口には、水牛の頭蓋骨が飾られている。
宮殿にはゆるキャラがいる。
目と口のところから、中のおばさんの顔が見える。
たまに顔を取って、観光客と話していたりする。
↑350年前に建てられたという、ミナンカバウ式民家。
建物の中も見学可能だが、
地元のおじさんが普通に寝ている。
世界最大の母系社会
ミナンカバウ族は世界最大の母系社会として知られている。
すなわち、財産や土地は母から娘へと相続される。
母系社会で生まれた男性は、自ら財産を築かなくてはならない。
そのためミナンカバウ族の男性は大人になると、生まれ育ったコミュニティを飛び出して、インドネシア各地に散らばって商売をするようになる。
彼らの多くは、故郷の味であるパダン料理を提供する大衆食堂を経営する。
パダン料理
そんなわけで、インドネシアでは至る所にパダン料理の食堂がある。
美食として知られるパダン料理だが、その特徴は料理の提供の仕方にある。
席に着くと、上の写真のように、テーブルを覆いつくほどの小皿がサーブされる。
この中から自分の食べたいおかずの小皿を選び、その食べた数に応じて会計額が決まるシステムになっている。
スパイスを使用し、ココナツミルクで煮込む料理がほとんどで、味は全体的に甘辛い。
そんなパダン料理の中で、最も有名なのがルンダン。
↑ルンダン
牛肉をスパイスとココナツミルクで長時間煮込んだ料理で、「世界一おいしい料理」に選ばれたことがある。
ちなみに「世界一おいしい料理」に関しては、Facebookで投票が行われており、SNSが大好きなインドネシア人がマンパワーを見せつけたという説が有力である。
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以上、ミナンカバウ族の紹介でした。
これにてブキティンギの観光情報の連載は終了。
日本からのアクセスは悪いけれど、自然的にも文化的にも面白いところなので、機会があったら行ってみてください。
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