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6/12,13 ダー・ハヌ遠征旅行 前編

※内容が盛りだくさんなので、2日分を3回に分けます。

レーから北西に160km進んだところにあるダー・ハヌという秘境へ行った。
正しくはダー村とハヌ村という小さな村が2つあるそうなのだが、レーの人たちはまとめてダー・ハヌと呼んでいるようである。
レーとダー・ハヌの間は、下ラダック(Lower Ladakh)というエリアが広がっていて、見どころが点在しているということで、スクーターで寄り道をしながら遠征旅行することにした。

朝の8時にゲストハウスを出発。
雲は多いものの、悪くない天気。

まずは、レーからもほど近いスピトク・ゴンパ(Spitok Gompa)へ。

本堂の中は写真撮影禁止だったが、薄暗い石窟の中に鬼のような像が並んでいてなかなか迫力があった。

参拝客の中に、熱心に五体投地をしている人がいて、心が打たれた。
大学生の頃に、『ラサへの歩き方』というドキュメンタリー映画を見た。
チベット郊外の集落に住む村人たちが、五体投地をしながら聖地ラサを目指すという壮大なドキュメンタリーで、スクリーンに映し出されるチベットの雄大な自然や気高い信仰心に、当時のぼくはえらく感銘を受けた。
チベットよりもチベットらしさを残すと言われているラダックの僧院で、ひたすらに仏への敬意を示す参拝者の姿を目の当たりにして、不意に当時の心境を思い出し、感慨深く思ったのだった。

このゴンパは空港の真横にあるため、飛行機が離着陸する様子を間近で見ることができる。
空港や飛行機マニアからすると大興奮間違いなしなのだが、レー空港は空軍基地も兼ねているため、残念ながら写真撮影ができない。

お次は、アルチ・チョスコル・ゴンパ(Alchi Choskor Gompa)へ。

ここは、「チベット文化圏でも1、2を争う貴重な仏教美術の宝庫(地球の歩き方)」とのこと。
11世紀頃に作られた仏像や壁画が残っており、経年劣化による損傷は否めないものの、圧巻だった。
このゴンパでは、内部のあらゆるものの写真撮影が禁止されていたので、パンフレットの写真を載せておく。

また、この集落に住む女性たちは皆、独特な民族衣装を着ていた。

たまたま何か特別な行事があったのか、それとも彼女たちにとっての普段着なのか、よく分からない。

この時点で正午を回っていたにもかかわらず、最終目的地のダー・ハヌまで半分も行っていなかったので、一気にスピードアップして移動に専念することにした。

基本的にレーからダー・ハヌへは、ひたすらインダス川の流れに沿って進んでいくことになる。

インダス川は、インドからパキスタンへ流れる川であるため、必然的にパキスタンに向かって移動することになる。
だから、ダー・ハヌへ行くにはパーミッション(入域許可証)が必要なのだ。
行程の半分よりダー・ハヌに近づいたあたりで、軍による大規模な検問があった。
氏名やパスポートナンバーなどを記帳しただけで通過できたのだが、なかなか物々しい雰囲気だった。
初めての経験だった。

その検問から少し進んだところにラマユル(Lamayuru)という村があって、ここは「月世界」とも称されている。

黄色っぽい岩肌に囲まれた深い峡谷のような地形で、草木もほとんど生えておらず、地球とは思えないような光景が広がっているのだ。
他の惑星をテーマにしたSF映画に登場しそうな雰囲気である。

途中、小雨が降ってきて凍える思いをしながらも、フルスロットルでひたすら前進し、午後5時ついにダー村へ到着。
観光や食事の時間を考慮したとしても、6〜7時間はスクーターを運転していたわけで、かなりくたびれた。
ここまででかなりの分量になってしまったので、ダー村のことについては次の記事でまとめて書く。

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