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6/19 さらばラダック
今日はラダックの最終日。
14時発のバスで、ラダックのお隣ジャンムー・カシミールにある都市スリナガルまで移動する。
なお、Srinagarは「シュリーナガル」と日本語表記されることが多いが、ぼくのnoteでは「スリナガル」と書く。
理由は単純で、そっちの方がタイピングが楽だからだ。
午前10時にゲストハウスをチェックアウトし、メインバザールのレストランに行く。
メインバザールの中心部に位置する「Himalayan Cafe」は、Wi-Fiの通信速度が速く、店内は広くて清潔感があるにもかかわらず、価格はローカル食堂と同じくらいの穴場レストランである。おまけに昼間はガラガラなので、長時間居座っても罪悪感があまりない。
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パキスタンと国境を接するスリナガルはイスラム文化圏である。
チベット文化圏とは今日でお別れということで、チベット料理を食べる。
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Himalayan Cafe でダラダラした後、13時過ぎにバスターミナルへ行く。
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スリナガルの実家に帰る才媛コンビと合流して、バスに乗り込む。
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車内は清潔だが、リクライニングのないシートで夜を明かすのはきつい。
この後、続々と乗客が集まって席は全部埋まった。
定刻の14時に、ドライバーがチケットの確認を行って、15分後にいよいよ出発。
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小刻みに小休止を挟みながら、21時にラダック第2の都市カルギルに到着。
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30分ほどの夕食休憩の後、バスは再び前進。
蛇行している峠で、なおかつ未舗装の道が多いので、バスはよく揺れる。
これじゃあ全然眠れないと思っていたら、ちょうど夜中の0時に簡易的なサービスエリアのようなところでバスは停車し、仮眠タイムとなる。
今日の日記としてはこれだけなので、ジャンムー・カシミール連邦直轄領(以下、JK)について軽く解説。
Wikipediaより一部抜粋。
インド・パキスタン分離独立の際、帰属権を巡って第一次印パ戦争が勃発、その後も紛争は継続した。
インドで唯一イスラム教徒が多数派となっている州であり、パキスタンとインドが領有を主張し、これまで大小の軍事衝突を繰り返し、現在はほぼ中間付近に停戦ラインが引かれている。1989年ごろから分離独立派による武装闘争が活発化。ヒンドゥー教徒を襲撃する事件が相次ぎ、約4万5000人が殺害。
2019年2月14日、イスラム過激派組織による治安部隊への自爆テロが発生。2月26日には、インド空軍がテロ行為に対する報復としてパキスタン領内での空爆を48年ぶりに実行した。この一連の事件によって、インドとパキスタンの緊張が高まることとなった。
かつてはJK州という州が置かれていたが、以上のような情勢を受けて、2019年にラダック連邦直轄領とJK連邦直轄領に分割された。ほんの数年前まで、ラダックはJK州の一部だったのである。
ぼくがこれから訪れるスリナガル(Srinagar)はJKの夏の州都であると同時に、その豊かな自然から国内でも有数の観光地になっている。
そのため、軍による市内の警備は特に厳重で、定番の観光地を巡る分には治安の心配はないとされている。
とはいえ、ここ数年の間にテロや武力衝突が起きているのも事実。
襲撃の対象になるのは警察や軍の関係施設で、民間人の犠牲者は出ていないらしいが、だからといって安心できるわけではない。
以上のような理由で、JKに訪れるかは最後まで悩んでいたのだが、今回、カシミール出身の人たちと一緒にスリナガルに行くチャンスを得た。
地元の人間なら、危ない場所や安全な場所について熟知しているはずだ。
極度な緊張状態にある国境州のこととて、いつ均衡が破れてもおかしくない。
今後、全く観光ができない状況になることも考えられるため、このチャンスは逃せられないと考えた。
……という経緯で、ぼくは今スリナガル行きのバスに乗っている。
到着は翌日の朝らしい。