インドネシアと沖縄の類似点
沖縄に移住して1年とちょっとが経ちますが、日常生活の中でインドネシアと沖縄が似ていると感じることが度々あります。
ぼくが実感した、8つの類似点を紹介します。
1、島が多い
世界最大の島嶼国家インドネシア。
大小1万3,466もの島から構成されています。
沖縄県も多数の島からなる県です。
無人島も含めて160の島から構成されています。
ただ単に島が多いというだけでなく、島ごとに独自の文化や言語が存在するという類似点もあります。
インドネシアは多島国家であると同時に多民族国家でもあり、国内でも地域によって母語が異なる場合があります。
沖縄も同様に、本島と宮古諸島、八重山諸島ではそれぞれ独自の「しまくとぅば」があるという話を聞きます。
2、伝統文化を大切にしている
沖縄県は他の都道府県と比べても、特徴的な伝統文化がたくさん残っている印象があります。
伝統文化に関しては沖縄県全体のみならず、島や地域ごとに特色のある祭事が継承されているのが面白いです。
一方、インドネシアも島ごとに独特な伝統文化が存在します。
特に有名なのが日本人にとってお馴染みのバリ島で、神々の島は頻繁に何かしらのお祭りをしている印象があります。
また、伝統文化に関していえば、どちらも中国文化の影響を強く受けている点も指摘できます。
3、ジメジメ
気候面での共通点。
インドネシアは常夏、沖縄は四季があるという点は異なりますが、沖縄の夏はインドネシアの気候と似ていると感じます。
まず、湿度が高いこと。
先日、革靴を雨で濡れたまま放置していたら、1日でカビが生えてしまいました。
インドネシアでも、常温で放置していた食パンに1晩でカビが生えたという出来事がありましたが、とにかく湿度が高いです。
また、日差しの強さも南国ならではの共通点です。
1日外にいただけで、肌がこんがり焼けてしまいます。
暑いを通り越して、痛いと感じることすらあります。
その代わり沖縄もインドネシアも、本州で年に数日あるような、とんでもない酷暑になることは滅多にありません。
ずーっと暑いけれど、命の危険を感じるほどの過酷な暑さになることは稀という点で似ています。
また、どちらも海に囲まれているからか、涼しい風が吹き付けることが多くて、風通しの良い日陰にいればわりと過ごしやすかったりします。
4、ヤギを食べる
インドネシアも沖縄もヤギ食の文化があります。
インドネシアは宗教的な理由で豚肉や牛肉を食べない人が多いです。
そのため、どの宗教でもタブーに当たらないヤギ肉が広く流通しているという背景があります(あくまでも私見)。
沖縄でヤギ肉が食べられる理由は不明です。
沖縄の山羊料理といえば、ヤギ汁やヤギ刺しがメジャーです(ぼくはどちらも食べたことがない)。
一方、インドネシアでは「サテ・カンビン(サテ=串料理、カンビン=ヤギ)」といって、焼き鳥のようにして食べるのが一般的です。
インドネシアに住んでいた頃はぼくもよく食べていましたが、サテ・カンビンは全くクセがなく、焼き鳥同様に手軽に食べることができます。
今のところ、沖縄ではサテ風のヤギ料理を見たことがないので、売り出せばヒットするのではないかと思っています。
5、歩くのが嫌い
これは気候的な理由が大きいと思います。
沖縄もインドネシアも日差しが強く、湿度も高いため、屋外で体を動かすことがためらわれます。
インドネシアはバイク、沖縄は自動車と乗り物の種類は異なりますが、余裕で歩ける距離でも車やバイクに乗る人が多いです。
超渋滞都市のジャカルタでは、道路上でバイクや車が全く進まなくなることも珍しくなく、「歩いたほうが早いのでは…」と思うことが度々ありました。
現在、家から職場まで徒歩5分くらいなのですが、子どもから「何で車で来ないんですか?」と聞かれることがよくあります。
5分くらい歩けよ。
6、時間にルーズ
沖縄では「ウチナータイム」、インドネシアでは「ジャムカレット(ゴムの時間)」と言います。「ゴムの時間」とは、時間はゴムのように伸び縮みするということを表しています。
どちらも、独特の時間感覚を表現する言葉があるのが面白いですね。
7、何とかなる
沖縄の有名な言葉に「なんくるないさー」というものがあります。
「何とかなるよ」と非常に楽観的な意味合いで解釈されることが多いこの言葉ですが、本来は「まくとぅーそーけー なんくるないさー」というワンフレーズで用いられることが正しいようです。
訳すと「正しいことをしていれば、何とかなるさ」、つまり「人事を尽くして天命を待つ」的な、必ずしもお気楽な言葉ではないようです。
一方、インドネシア語にも「何とかなるさ」に当たる有名な言葉があります。
それは「Tidah apa apa」。「ティダ アパ アパ」と読みます。
インドネシア人と話していると、このフレーズはよく登場します。
こちらの方は「大丈夫、気にしない、何とかなる」といった、100%お気楽な言葉です。
8、チャンプルー
ゴーヤー・チャンプルー、チャンプルー文化…。
有名な沖縄の方言「チャンプルー」は、「ごちゃ混ぜ」という意味。
実はインドネシア語でも、「ごちゃ混ぜ」のことを「campur(チャンプル)」と言います。
言葉の由来は諸説あるようですが、何かしらの関連はありそうです。
他にも、先日おもしろい言葉を発見しました。
それは「あぱらぎ」。
宮古島の言葉で「きれい」「美しい」という意味だそうです。
実はインドネシア語にも「アパラギ」と発音する言葉があります。
「apa lagi」と表記するのですが、「apa」は「何?」、「lagi」は「他に、もう一度」といった意味です。
つまり英語での「anything else?」に該当する言葉で、レストランで注文したときに、最後に店員さんに聞かれるフレーズです。
他にも「ましてや」「しかも」なんて意味もあるようです。
宮古島方言とインドネシア語では意味は全く異なりますが、ユニークな発音の言葉が共通して存在するのは興味深いです。
以上、インドネシアと沖縄県で見られる8つの共通点を紹介しました。
地理的観点や気候面、そこから派生する国民性(県民性)のようなもの。
あるいは、琉球王朝時代の交易でもたらされた南方の島々の言語や文化の影響。
いろいろな要因が重なって、このような共通点があるのだと思います。
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