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【インド雪山紀行⑨】凍った滝とラダック式すいとん

2023/12/25

結露も凍る寒さ

ザンスカールの村は午前7時ころから明るくなるが、太陽は背の高い山々に阻まれている。
朝日が姿を見せるのは、8時になってからだ。

朝日に照らされた山々

一晩泊めさせてもらったドライバーの家は、いろいろな動物を飼っている。

よく吠える好戦的な犬
餌の入ったバケツに顔を突っ込む子羊

朝のチャイとビスケットを頂いてから、周辺を少し散歩する。

ヤク

当初は今日中にTundupの村へ行く予定だったが、同じ方面に行くシェアタクシーが捕まえられなかったとかなんとかで、パドゥムにもう1泊することになった。
その代わり、パドゥムの隣にあるシーラという村へ遊びに行く。

てっきりTundupの友達である運転手の家で延泊するのかと思っていたが、朝食後に荷物をまとめて車に積め、とTundupが言う。
走る車に揺られながら、なるほど今晩はシーラ村に泊まるのかと思っていると、車はパドゥムの外れで停車し、「ここで降りるぞ」とTundupが言う。
どうやらパドゥムの外れにTundupの別宅はあり、今晩はここに泊まるようだ。

別宅の小さな部屋に荷物を下ろしてから、シーラ村に向けて出発。

ザンスカール川
チベット仏教のマントラが彫られた石片

パドゥムからシーラまでは歩いて1時間弱と思っていたよりもずっと近い。
この村には滝があり、冬季は凍結するということで、それを見に来たのだ。

写真だと伝わりづらいが、凍っているのは表面だけで、氷の下は普通に水が流れている。
滝の真下まで行ってみる。
水が流れる音がする。

冷たい水で洗濯

1、2月になると滝は完全に凍結して、アイスクライミングしに来る人がいるそうだ。
滝の見学を終えて、パドゥムに帰る。
「家に帰ってから昼食を食べよう」と言っていたTundupだったが、シーラ村の中でとある一軒の家に寄り道する。

この筒の中でお茶とバターを攪拌し、バターティーを作る。

家の中に入ると、リビングには世代のばらばらな女性が何人かいて、ちょうど昼食の準備中だった。
当然、「せっかくだから食べていきなさいよ」という流れになり、Tundupは「いやいや、ちょっと寄っただけだから」みたいなことを言いつつも、「じゃあ、せっかくだからいただくか」と最終的に落ち着いた。
初めからそれが魂胆だったように思えなくもない。
後から知ったのだが、この家はTundupの奥さんの親戚の家ということだった。

燃料はヤクの糞を固めて干したもの
チャーン

最初はチャイとバターティーでもてなしてもらっていたが、次第に飲み物がラダック式どぶろくのチャーンに変わる。
飲ませたがりのおばさんがいて、「あら、あんたのグラス、全然チャーンが減ってないじゃいない。そうそう、いい飲みっぷりね」なんて言いながら(たぶん)、チャーンを注いで回る。非常に賑やかである。

お昼ご飯はすいとんのようなものだった。
スキューという名前らしい。
チャーンをしこたま飲まされて飲んで、すいとんをたくさん食べて、お腹はタプタプである。

スキュー


インドの食事時間は日本と比べて遅い傾向にあるが、ここラダックもその例に漏れず、昼食を食べ始めたのは午後3時、家路に着いたのは午後4時頃だった。
高い山に囲まれた集落は日照時間が短く、4時ともなれば辺りはもう薄暗くなっている。
体感温度もぐっと下がる。

山の影が落ちる集落

帰り道に、凍ったザンスカール川を少し歩いてみた。
ミシミシ鳴るところがあって、その度に肝を冷やす。

そんな感じでザンスカール2日目は終了。

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