島暮らしを振り返る② 島の人間関係編
約1年半の島暮らし。
総括すれば、非常に快適であった。
島に限らずだが、日本の田舎というと、コミュニティの狭さや人間関係の煩わしさが何かと取り沙汰される。
ということで、今日は離島での人間関係の話。
ぼく自身が生まれも育ちも東京ということもあって、移住前は煩雑な人間関係に対する不安があった。
しかし、それは杞憂だった。
実際は、人間関係で「嫌だな」と思ったことは1度もなく、距離感がちょうど良かった。
都心部で暮らしていた時と同じような感覚で、人間付き合いをすることができた。
ほとんどの島民とは、道で会えば挨拶をする程度の顔馴染みで、せいぜい「寒くなりましたね〜」といった当たり障りのない世間話をするくらい。
ランニングをしていても、移住当初は怪訝な顔で見られることが多かったが、1年もすれば、軽く手を挙げて笑顔で挨拶を返してくれるようになった。
個人的には、「とりわけ親しい人はいないが、一応島の住民として認められている」という認識でいる。
ぼくが快適に過ごすことができたのには、いろいろな要因があると思う。
①コロナの影響
まず、コロナの影響が挙げられる。
ぼくが島で暮らしていた時期は、感染症が最も流行した時期とちょうどかぶっている。
島内でパンデミックは発生していないものの、医療が十分に整っていない離島では常に厳戒態勢が敷かれており、人の集まりや接触が制限されていた。
伝統行事や集落ごとの集まりは廃止になったか、規模を縮小して行われたため、新参者のぼくに声がかかることは一切なかった。
②ぼくの性格
そもそも、ぼくはそこまで積極的に他人と関わろうというタイプの人間ではない。
もちろん、どんな人とも友好的な人間関係を築きたいと思っているし、いつもそのことを心がけて振る舞っている。
声をかけてもらえれば、誠意をもってできるだけ愛想よく応対しているが、自分から進んで誰かに声をかけるということはほとんどない。
また、移住当初から、島で暮らすのもせいぜい2年程度だと割り切っていたことも大きい。
③離島という特性
本島からやや離れた孤島で、人口が700人に満たないという点も大きい。
同じような田舎でも、本土にある地方都市と違って、離島には逃げ道がない。
できるだけ人間関係で軋轢を生まないように、自分たちが暮らしやすい環境を意識して作っていると考えられる。
少子高齢化が急速に進む離島では、若い力を外部から取り入れる必要がある。
島の将来を考えた時に、外から来た人間も心地よく住めるコミュニティづくりの必要性を、島民自身も意識しているのではないか。
まとめ
内向的な性格で、一人で楽しめる趣味をもっているという人は、快適に暮らせると思う。
向こうから積極的に絡んでくることはないが、困ったときは優しく教えてくれる。
数年程度の移住だと割り切っていれば、人間関係の面では、都市部での暮らしと変わらないような気がする。
ただ、ぼく自身があまり人の目を気にしないので、実は周りで悪い噂を流されているのに一切気付いていない、という可能性もある。
知らぬが仏、的な。
人間関係的なところは、島によって実態が異なるだろうし、上に書いたことは一つの例に過ぎない。
小さな島での暮らしも、思っていたほど悪くないぞ、というのがこの1年半での感想である。
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