6/21 川イルカと中洲に浮かぶ小さな島 【クラチェ】
クラチェ滞在の目的は、メコン川に生息する川イルカに会いに行くこと。
ところで、この記事を書くにあたって「川イルカ」という生き物についてざっくりと調べてみたのだが、厳密にいうとメコン川に住む種は「カワイルカ」ではないらしい。
生物学的な分類に基づくと、「カワイルカ上科」に当てはまる種は以下の4つ。
インドカワイルカ、アマゾンカワイルカ、ヨウスコウカワイルカ、ラプラタカワイルカである。
つまり「メコンカワイルカ」なる生物は存在しないのだ。
では、メコン川に生息しているイルカは何なのかというと、「カワゴンドウ(イラワジイルカ)」という種らしい。
とはいえ、クラチェは決して河口付近とは言えない場所に位置しているので、「海棲」というのはピンと来ない。一体どういうことなのだろうか。
何はともあれ、メコン川に生息しているイルカは「カワイルカ」ではないわけだが、ネット上の記事では「川イルカ」と書かれていることが多いので、このnoteでも「川イルカ」の表記を用いることにする。
前置きが長くなってしまった。
朝からゲストハウスで自転車をレンタルして、川イルカツアーのボート乗り場まで向かう。
舗装が粗い田舎道をのんびり進む。
道中、未就学児くらいの子どもたちが「ハロー」と手を振る。
外国人慣れしているのか、逆に慣れていないのか、通り過ぎる度にみんながみんな同じリアクションをしていて面白い。
1時間ほど自転車を漕いで、ボート乗り場に到着。
観光客が押し寄せているのかと思ったら、廃墟のような施設だった。
1人で行ったので、ボートを独り占め。
チャーターで10ドルは安いと思う。
いざ出発!
ボートは10分ほど進んだところで停止し、あとは川イルカが出てくるのをじっと待つ。
事前情報によると2〜4月が観測のシーズンらしく、会えたらいいなくらいの気持ちでいた。
しかし、観測ポイントについてすぐに川イルカを見ることができた。
川は濁っているし、イルカがボートの近くに来るわけではない。
ラッセンの絵のように、高く飛び跳ねたりするわけでもない。
息継ぎのために頭を水上に出し、背びれをゆったりとくねらせるのだ。
予想に反して、イルカの頭はポコポコと水上に出てきた。
息継ぎのために頭を上げるので、その瞬間に「プシュー!」という音が響く。
どこから出てくるか分からないし、すぐに水面下に沈んでしまうので、写真や動画を撮るのは至難の業だったが、およそ40分間でたくさんの川イルカの頭を見ることができた。
この内容で10ドルはなかなか破格だと思う。
ボートツアーを終え、自転車で来た道を戻る。
高床式の家が多い。
雨季の増水時は、メコン川の川幅がここまで広がるということなのだろうか。
クラチェの町中に帰ってきたら、そのままフェリー乗り場へ。
メコン川の中洲に浮かぶ小島に渡るためのフェリーだ。
島の名前はトロン島(Koh Truong)。
このnoteの最初にメコン川の写真を載せたが、川の向こうに見える緑は対岸ではなく、トロン島の土地なのだ。
さすが東南アジアを代表する河川だけあって、スケールが大きい。
自転車ごとフェリーに乗り込む。
約10分の航海で1,000リエル(約35円)。
下船後しばらくはビーチになっており、タイヤの細い自転車では漕ぐことができない。
しょうがないので押して歩く。
島に上陸!
地図によると島は細長い形で1周13kmほど。
島に上陸してすぐのところに大きな門があったので中に入ってみたら、改修中の寺院か何かだった。
サイクリング開始。
島の風景を楽しみながら、ゆっくりとペダルを踏む。
以前に少しだけ住んでいた沖縄の離島を彷彿とさせる。
心なしか、同じような匂いがしている気がする。
小学校も中学校もある。
小さな島の学校とは思えないほど、子どもの数が多かった。
途中の小さなカフェで休憩を挟み、2時間ほどかけて島内を一周。
再び自転車を押して、フェリー乗り場へ。
フェリーに時刻表はないようで、何となく乗客が集まったら出航。
対岸のクラチェに着いたら、ゲストハウスでしばらく休む。
夕方、今日はスコールが降らなかったのでサンセットが見れるかも、と期待しながら川まで行く。
うーん、今日も残念。
やっぱり雨季だとサンセットを見るのは難しいのだろうか。
昨晩と同じ食堂で、昨晩と同じ料理を食べて、今日は終了。
寝る間際に世紀末のようなスコールが降る。
雨音がかなり大きいが、気温が一気に下がって快適な夜になった。
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