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奇祭再び
もう4ヶ月以上も前の話になるが、ラーメーシュワラムという辺境の島に行った時に、奇祭に遭遇した。
細長い金属の棒を両頬に貫いた人が練り歩くという、「痛いお祭り」である。
ちょうど金属棒を頬に貫通させる瞬間も目撃してしまい、観衆の大半がトランス状態に陥っているという異様な状況の中で精神的なショックが大きく、その日の夜は発熱した。
それくらい衝撃の大きな光景だった。
昨日、なんとそれと全く同じ祭りの行列をチェンナイの街中で見かけた。
車に乗っている最中だったので、写真は上手に撮れなかった。
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このような「痛いお祭り」は、ラーメーシュワラムなどの地方に残された旧習だと思っていたのだが、まさかチェンナイで目撃することになるとは思わなかった。
バイクや自動車でごった返す中、大所帯の隊列が練り歩く光景はなかなか異様だった。
一般の通行人たちは全く動じるそぶりを見せず、インドでは信仰と生活が一体になっていることを実感する。
ところでこのお祭りであるが、ムルガンという主にタミル・ナドゥ州で信仰されている神様と深い結びつきがあるらしい。
このムルガン神は、父親がシヴァ、母親がパールヴァティ、兄がガネーシャというキャラクター設定を持っているが、タミル・ナドゥ以外では知名度が低いとのこと。
で、このムルガンを信仰神とした派手な寺院がマレーシアにあり、名前をバトゥ洞窟という。
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実は、ぼくは3年前にこの寺院を訪れたことがあった。
洞窟前に佇む黄金の神像がムルガンとのことで、右手に持っている細長い矢のようなものが、まさにお祭りで人々が両頬に貫通させているものなのだった。
まさかこんなところで知識が結びついて来るとは思わず驚いた。